日本男子卓球界の宝、水谷隼選手について書こうと思っていたのだが、今日の全日本選手権の決勝で18歳の吉村真晴選手が大番狂わせを演じて見せた。
水谷は、17歳で全日本を制覇してから5連覇中で日本には敵なしの状態だった。中国勢の壁は厚いが、ロンドンオリンピックではメダル獲得を期待される存在である。今日の決勝前のインタビューでも「普通にやれば負けない選手。4-0で勝ちたいと思う。」と強気の発言をしていた。私も水谷の圧倒的な勝ちっぷりを期待してテレビを見ていたのだが…物凄い試合となった。
相手の吉村は、私は全く知らない選手だった。野田学園高校の3年生で昨年あたりから注目されていた選手のようだ。松平や丹羽など若くて勢いのある選手が多い中で決勝まで進出してきた実力は本物だった。
吉村が1,2セットを連取すると3,4セットは王者水谷が取り返す。このまま水谷が一気に行くかと思ったのだが、5セット目は吉村が奪い、水谷にプレッシャーをかける。6セット目は水谷が取り返し、試合は最終セットへともつれ込む。水谷が10-7で優勝に後1点と迫ってから吉村が物凄い勢いで5連続ポイントを挙げ、12-10で勝利した。
普段卓球を見ることは少ないのだが、素晴らしい試合だった。テレビではよく分からないのだが、サーブ1つとっても物凄い種類のサーブがあるようだ。吉村は、最終セット8-10と追い込まれた場面でこの試合1回も使っていなかったミッドトスサービスに切り替え強引に流れを引き寄せたようだ。このことをテレビの解説者は絶賛していた。攻撃的スタイルで王者水谷に挑んでいく姿勢はとても好感が持てた。
一方の水谷は、この敗戦で大きなショックを受けたようだが、ロンドンに向けてまた一回り大きくなってもらいたい。
卓球というスポーツは、変な言い方かもしれないが、まだまだ伸びしろがあるスポーツに感じる。日本では若手がどんどん育ってきている。私は技術的なことが全く分からない素人なのだが、2016年のオリンピックでは本当にメダル獲得が期待できるようになるのではないだろうか?
今年はまだ始まったばかりなのだが、今日の全日本選手権の決勝は、今年のスポーツ名勝負の1つに数えられるであろう素晴らしい試合だった。
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