最後は平井！何とか勝ちを拾う

ヤクルト３－１中日　（延長１０回）

中日戦はこういうゲームをどれだけものにできるかにかかっている。そういう意味では今日勝てたことは大きい。それでも今日の試合は、個人的に疑問に残る采配もあったため、その部分も含めて振り返ってみたい。
先発は、ヤクルト赤川、中日山本昌で始まった。ヤクルトは、スタメンに１番センターでルーキー比屋根を起用してきた。上田が不調であること、また予告先発で左腕の山本昌が先発することが分かっていたため比屋根を起用したと思われる。
試合は、５回までは両投手ともに安定した投球を見せ、得点の気配がないまま淡々と進んでいく。試合が動いたのは６回だった。先頭のルーキー比屋根が粘って四球で出塁すると、相手バッテリーに警戒されながらも盗塁を決める。田中浩が送り、１アウト３塁とこの試合初めてランナーを３塁に進める。ここでミレッジが初球を打ち、レフトへの犠牲フライで先制する。ノーヒットでの得点だが、比屋根、田中浩、ミレッジがそれぞれ役割を果たしての得点は素晴らしかった。
赤川は７回に山崎、和田の連打で１アウト１，２塁のピンチを招くが、続く井端、平田を打ち取り得点を与えない。しかし投球数が１００球を超えた８回、１アウトから代打福田、荒木に連続２ベースを浴びてしまい同点に追いつかれてしまう。この後のピンチは代わった押本がしっかり抑えて勝ち越しは許さない。９回には、浅尾から畠山、バレンティンのヒットでチャンスを作るが後１本が出ず得点できない。９回裏はバーネットを投入し三者凡退に抑える。まだ３時間３０分には達していないためこのまま延長戦にもつれ込む。
１０回中日は岩瀬を投入する。ヤクルトは前の回から守備に就いていた武内がヒットを放ち出塁すると比屋根の四球と田中浩の犠打、ミレッジ敬遠で１アウト満塁のチャンスを作ると、代打飯原の犠牲フライと川端のタイムリーで２点を勝ち越す。これで勝負あったかと思ったのだが、簡単には勝たせてもらえない。その裏、代わった増渕が先頭の小田にヒットを打たれ、その後２アウトを取るものの大島に２ベースを浴びてしまい、ここで降板。テレビ観戦できていないので分からないのだが、ここで出てきた日高は、おそらく予定通り森野を歩かせる。続く堂上直の場面でヤクルトは先日プロ初登板を果たしたばかりの平井をマウンドに送る。延長１０回２アウト満塁というとんでもない場面での登板となったが、堂上直を自慢の直球でサードゴロに打ち取りプロ入り初セーブを記録した。
今日の試合は最初にも書いた通り勝てたので良かったのだが、個人的には疑問に感じた采配を挙げてみたい。

①　１番センター比屋根起用。
・不調とはいえ、こんなに早く上田がスタメンから外れてしまうとは思わなかった。中日の先発が山本昌だったこともあり、もちろん間違った采配ではないと思うのだが、もう少し我慢して使っても良かったのではないかと個人的には感じている。

②　８回表、先頭の赤川をそのまま打席に送る。
・７回に連打でピンチを招いていたこと、球数が１００球を超えていたこと、また１－０という僅差のゲーム展開から考えて、ここは代打でも良かったのではないかと思う。ただで１アウトを与えるのはもったいなかった。結果的にこの裏に赤川が捕まり同点に追いつかれてしまう。

③　９回表の攻撃
・先頭の畠山がヒットで出ると代走に上田を送る。ここで川端が初球をバント失敗。今日スタメンを外れたとっておきの代走上田である。ここでは盗塁、エンドランをギャンブル的でも仕掛けてほしかった。もちろん相手の投手がクイック、牽制の上手い浅尾だったことを考えると確実にバントという作戦もありなのだが、浅尾は、フィールディングも良くバントも簡単には決めさせてくれない投手である。そう考えるとやはり思い切って動いてもらいたかった。それとも上田が動けなかったのだろうか？

④　阿部の起用法は？
・オープン戦で抑えも経験した阿部を１０回の頭から使うのかと思っていたが、小川監督は、増渕を投入した。そしてその後の２アウト満塁でも阿部ではなく平井を起用した。オープン戦では絶好調だっただけにここまで登板がないのは少しかわいそうである。調子を崩さなければ良いのだが…

①はともかく、②～④は少し疑問に感じた。逆に８回裏と１０回裏に赤川、増渕をスパッと諦めた場面は、良い采配だったと思う。特に１０回は、日高を時間稼ぎに使い、平井を準備させたと思われる。実績のある増渕よりも球に勢いがある平井に賭けた采配は、結果論ではあるが素晴らしかったと思う。この起用に応えた平井も素晴らしかった。チームのピンチを救う活躍を見せてくれた。皆さんは今日のゲームをどのように感じたでしょうか？
それでも開幕３カードを勝ち越せたことは良かったと思う。今年も充分戦えそうだ。


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