伊藤智仁とS.ストラスバーグ

選手

今日は書きたいことを書きます。メジャーリーグ、ナショナルズの若き剛腕投手S.ストラスバーグ投手の起用法について書きたいと思っていたのだが、昨日の「マツコ有吉の怒り新党」の三大のコーナーで伊藤智仁投手が特集されていたため、関連付けて書いてみたいと思う。

なぜストラスバーグについて書こうと思ったかというと、昨シーズン右肘の手術を行ったストラスバーグに対し、ナショナルズは、今シーズンの投球回数を160回に限定し、9月7日にその投球回数にほぼ達したため、「今シーズンの登板を終了とする。」というニュースを聞いたからだ。現在ナショナルズは、首位を快走している。そのチームの若きエースがもう投げないというのだ。前代未聞のことである。

このストラスバーグ、入団前から注目されており、日本でもニュースで扱われるほどの大物選手だった。1年目のデビュー戦から三振の山を築き、大物ぶりを見せつけた。しかしデビューから2か月半後の登板で右肘を痛め、トミー・ジョン手術に踏み切った。確かこの時は、ダルビッシュが「ストラスバーグは凄いボールを投げるが、怖い投げ方をする。」とスポーツ番組で語っていた。この時点で私のストラスバーグへの興味はかなり薄れていたのだが、約1年のリハビリを経て復帰したストラスバーグは輝きを取り戻していた。
今シーズンのここまでの成績は、15勝6敗、防御率3.16という素晴らしい成績が残っている。しかしナショナルズのGMは、160回の投球制限を厳格に守ることを発表した。これは画期的なことである。ニュースを追っていくと、昨シーズンもナショナルズは、ジマーマン投手に160回の投球制限を設けて、シーズン途中で登板中止を言い渡したようである。
賛否両論分かれるであろうこの起用法、皆さんはどう考えるでしょうか?どうやらアメリカでも議論を呼んでいるようです。

この問題を考えるときにヤクルトファンならば避けて通れない選手がいます。それは、現ヤクルトスワローズ投手コーチの伊藤智仁氏である。私くらいの年齢のヤクルトファン(20代後半)であればこの投手に衝撃を受け、夢を見た!というファンがほとんどなのではないだろうか?
細身の体から右腕を鞭のようにしならせて投げ込むストレートとスライダーで相手打者からバッタバッタと三振を奪った異才中の異才。
ルーキーイヤーの成績は物凄い。開幕こそ2軍スタートとなったものの、初登板となった阪神戦で勝ち投手となると、破竹の勢いで投げ続ける。16奪三振を奪いながらも最後に篠塚にサヨナラホームランを打たれた試合を始め、なかなか援護がない中での投球が続いたが、このシーズン12試合に先発し、7勝2敗、防御率0.91というとんでもない成績をたたき出している。そして投球回数109を大きく上回る126の三振を奪って見せた。しかし当時の野球界は今ほど分業制が進んでおらず、伊藤は中4日中5日で100球以上の球数を投げ続けた。150球以上投げることも稀ではなかった。そんな起用方法と伊藤のルーズショルダーという体質もあり、7月半ばに戦線離脱となってしまった。そしてここから伊藤の長い長いリハビリ生活が始まった。復帰できたのは、3年後のことだった。そしてその後、97年には、高津とのダブルストッパーで完全復活を果たす。98年からは再び先発投手として活躍するが、ルーキーイヤーの輝きを取り戻すことはできなかった。2001年に怪我をしてからは、1軍のマウンドに帰ってくることさえできなかった。正に「悲運のエース」である。
昨日の「マツコ有吉の怒り新党」でも取り上げられた最後の登板は、03年の巨人との2軍戦。最速150キロを超えていた伊藤智仁のストレートは、その日最速でも109キロしかでなかった。当時この投球を「GETsports」で見て涙したことを覚えている。
伊藤智仁のルーキーイヤー、私はまだ小学生であり、そんなに投げていたという印象はなかったのだが、改めて数字を見てみるとやっぱり酷使されていたんだと感じる。だからと言って野村監督を責めるつもりにもならない。チームを勝利に導くのが監督の務め、伊藤智仁を投げさせることが当時のチームにとって最も勝利に近かったのだろう。

しかしである。今回のメジャーリーグでのストラスバーグの起用法を考えると、伊藤智仁ももう少し守られても良かったのではないか?という思いに駆られるもまた事実である。チームの勝利も大事なのだが、チームの勝利を度返ししてでも、もっと全盛期の投球を見たかったという気持ちになってしまう自分がいる。伊藤智仁が活躍した時代に今のような分業制が進んでいれば…もう少し違った結果になったのではないだろうか?

と言うことで、今回のストラスバーグの起用法に私は賛成である。やはり球界を背負って立てるような逸材投手は、チームがしっかり守る必要があるのではないだろうか?私はこの決断に拍手を送りたい。

伊藤智仁だけではない。岡林洋一、西村龍次、川崎憲次郎これらの投手はもっともっと実働期間が長くても良かった投手ではないだろうか?

皆さんは、ストラスバーグの起用法に何を思うでしょうか?

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