ヤクルト4-2巨人
小川VS菅野という即戦力ルーキー同士の投げ合いとなったのだが、この両投手、ともにルーキーとは思えぬ素晴らしいピッチングを見せてくれた。今年のルーキーはこれからの時代を作っていく選手が多数いるようだ。89年ドラフトを思い出すような個性的で豪華な選手が揃っている。
前回の登板で完璧に抑え込まれてしまった菅野相手に苦戦が予想されたが、初回に森岡がヒットで出るとミレッジの打席にエンドランを仕掛ける。これが成功し、1アウト1,3塁のチャンスを作る。ここでバレンティンは、セカンドゴロに打ち取られるが、脇谷がファンブルし1点を先制する。形はどうあれ先制できたのは大きかった。
ここからは両投手の投げ合いとなる。
小川は、巨人打線相手に臆することなく立ち向かう。初回からストレートがキレていたし、どの球種もコントロールされていた。これだけ豊富な球種をきっちりと操れる投手はそう多くはない。この変化球を逆手に取るように追い込んでからストレート勝負で三振を奪う場面も多々見られた。特に阿部を2打席連続でストレートで三振に仕留めた場面は鳥肌ものだった。
しかし一方の菅野も全く崩れない。ストレートにカットボール、ワンシーム、スライダー、シュート、カーブ、小川同様どのボールでもコントロールでき、ボールの質も抜群。打ち崩せるイメージが湧かない投手だ。初回以降はあっさり抑え込まれるイニングが続いていく。
この両投手の投げ合いに大きく動きが出たのは6回だった。ここまで1安打に抑えていた小川のボールが少し高めに抜け始める。1アウトから松本を四球で歩かせると続く坂本にライトスタンド最前列に飛び込む逆転2ランホームランを浴びてしまう。打ち取ったように感じた打球ではあったのだが、風にも乗ってスタンドインしてしまう。
この後阿部にもヒットを浴びてしまうが、ロペス、村田を冷静に打ち取りこれ以上の得点は許さない。ここら辺にも小川の投手としての資質の高さを感じた。
一気に追い込まれたヤクルトだったが、その裏先頭の田中浩が四球で出ると森岡が送り、ミレッジがヒットでチャンスを広げる。ここで現在ヤクルト唯一のポイントゲッターと言っても過言ではないバレンティンに打席が回る。菅野にインコースの厳しいコースを責められるが、4球目のこれまた厳しいコースのシュート系のボールを捉えると打球はあっという間にレフトスタンドに飛び込み、逆転に成功する。菅野のボール自体は決して甘いものではなく、バレンティンが上手く反応して、もしくは読んで対応したホームランだった。これぞプロ対プロの見応えのある勝負だった。バレンティンの復調は非常に心強い。
小川は続く7回もマウンドに上がり、巨人の下位打線を三者凡退に仕留める。ブルペン陣が手薄なだけにこの7回まで抑えてくれたのは大きかった。
そして8回は昨日に続いて石山がマウンドに上がる。昨日に続いてストレートがキレキレであり、ボールの勢いで巨人の上位打線を抑え込んだ。ボールの勢いで圧倒することができるヤクルトの日本人投手は久々ではないだろうか?オープン戦の時期に感じていた石山像とは違った印象のピッチングを見せてくれている。まだまだ安定感はないが、昨日感じた面白い投手になってくれるのではないかという微かな期待が膨らみ始めている。
そして9回は、山本哲がこちらも昨日に続いて三者凡退で仕留め、連勝を4に伸ばした。そして巨人相手に連勝となった。非常に気分が良い。
小川は、やはり投手としての総合力が非常に高く、館山の後を継ぐような存在になりそうである。投球の引き出しも多く、大崩れする姿が想像しにくい投手である。4月だけで3勝を挙げたのは決してまぐれではないはずだ。独特な投球フォームに相手が慣れてきたころに一旦壁にぶつかることもあるかもしれないが、そこで終わってしまう投手ではなさそうだ。個人的には前にも書いたように元広島の山内泰幸投手と重ね合わせて見てしまう。そうなるとやはり怖いのは怪我である。これだけの才能がある投手である。息の長い投手になってほしい。
相手の菅野もやはり素晴らしい投手である。ここまでの登板でストレートの数字だけの投手ではないことを証明している。これからも苦戦は必至だろう。それでもバレンティンの一発で黒星を付けることができた。これは大きいことである。やられてばかりではプロではないのだから。
ルーキーという括りで言うと石山も予想外の形で活躍してくれている。今はとにかくチームのために与えられたポジションで役割を役割を全うしてほしい。今日は素晴らしかった。
昨年のドラフト時は何かモヤモヤ感の残るドラフトに感じたが、そこで指名された即戦力投手たちが、皆即戦力として働いてくれている。ドラフト時の評価から一転して大成功ドラフトと呼ばれるようになる日が来るのだろうか?
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コメント
小川はすごいですね。
現在セリーグ最強の巨人打線相手に見事なピッチング!
後は確かに怪我が怖いですよね。
気が早いですけど、シーズン通して活躍してほしいです。
石山も最近見事な結果を残していますね。
オープン戦では物足りないなあと思っていたのですが、
リリーフだと結果をだしています。
今年はルーキーが頑張っていますね。
去年に入った選手はどこに行ったんでしょうか?
ファーストですが、岩村もしくは武内にしてほしいです。
センター川崎はできないのでしょうか。
> リボルさんへ
小川は本当に凄いですね。怪我に気を付けながら息の長い投手になってほしいです。
2年目の選手では古野が徐々に戦力となりつつありますね。太田がサイドスローに転向したというようなニュースも見た気がします。チャンスはいくらでも転がっているのでどこかで出てきてほしいですね。
個人的にはもう少し畠山で行っても良いかなと思っていますが、武内をファーストで起用するのも「あり」かと思います。センターとしてはやはり守備が物足りないですね。
川崎は明日の起用がありますかね?