光の見えない勝利

ヤクルト７－４DeNA

良く打ったし、所々良い場面もあったのだが、これから勝ちを積み重ねられるか？と聞かれれば答えは「No」だろう。勝ったものの力の無さを露呈したゲームだったと思う。それでも今のチームにとっては白星が一番の薬である。今日の勝利を活かすためにも明日が大事になってくる。明日勝って初めて今日の勝ちに光が見出せるのではないだろうか？

打線は上手く繋がった。初回は、先日のゲームから２番ファーストで起用されている荒木が内野安打で出ると、続くミレッジが三嶋の甘いスライダーを完璧に捉える２ランホームランで先制する。
その後追いつかれてしまったものの追いつかれた直後の３回には、２アウト２塁からバレンティンが歩かされた後に今日５番に起用された打撃好調の相川のタイムリー２ベースと宮本のラッキーな２点タイムリー２ベースで３点を勝ち越す。
５回に１点を失い２点差に詰められた直後にもバレンティンが歩かされた後に宮本にタイムリーが飛び出し、再び点差を３点に広げる。３回、５回ともにバレンティンが勝負を避けられた中で後続の相川、宮本にタイムリーが飛び出した。この点の取り方は今まであまりなかっただけにファンとしても嬉しいタイムリーとなった。今日の試合で一番良かった部分を挙げろと言われれば、私は、３回の相川のタイムリーと５回の宮本のタイムリーを挙げたいと思う。
８回には川島にも久々のホームランが飛び出し、１１安打で７点を取ることに成功した。投手力に不安のあるDeNAが相手ではあるが、バレンティンが勝負を避けられたイニングに得点することが出来たのは大きかった。

しかしタイトルに「光の見えない勝利」と書いたのは、やはり投手陣に安定感がないからだ。ラルーは４試合目の登板となったが、３回を被安打６与四死球１の２失点で降板となり、今日も結果を残せなかった。前回の登板の際には「もう１試合チャンスを与えても良いかどうか迷うところである。」とブログに書いたのだが、今日の投球を見て、現状では使えないことがはっきりした。一見打ちにくそうに見えるのだが、ストライク、ボールをしっかり見極められてしまい、甘いボールはきっちり打ち返されてしまっている。ランナーが出た後の投球にも大きな課題があることから、今のままでは怖くて使えないのではないだろうか？バーネットも不調で２軍落ちしているが、基本的にはバーネット、ロマンを１軍で投げさせるのが妥当と感じる。
ラルーは一旦２軍に落とし、しっかり日本野球を学んできてもらいたい。年齢も２９歳とまだ伸びしろは残している可能性はある。ここから這い上がるための努力ができる選手であるかどうか首脳陣は見極める必要があるだろう。
その後は足りない戦力の中で必死のやりくりを見せたが、安心して任せられる投手は正直一人もいない状況である。村中は、今シーズン初の中継ぎでの登板となったが、全くと言っていいほど変化はなかったのではないだろうか？昨シーズンもそうだったが、村中はスランプに陥ると立ち直るまでに非常に長い時間がかかってしまう。何とか早く立ち直ってほしいのだが…今日の所は村中に関しても光は見えなかった。
その後に投げた石山、七條に関しては現時点では勝ちゲームを任される投手なのだが、２人とも安定感に欠ける。七條は試合ごとに波がある。ストレートが走っている時はそれなりの投球をするのだが、コンスタントさに欠けてしまう。今日は８回に登板し１点を失ってしまった。
石山は、豪快なストレートを中心に非常に魅力的なピッチングを見せてくれるが、細かいコントロールがないため毎試合危うさを感じさせる投球が続いている。今日も３点差ある場面での登板で２つの四球を与えてしまっている。
それでも七條、石山に投げてもらうしかないのが現在のヤクルトである。「頑張れ！」と声援を送るしかない。
先日サヨナラホームランを浴びてしまった山本哲も同様で「頑張れ！」と言葉をかけるしかない。今日は、３点差の９回のマウンドに上がり、しっかり試合を締めてくれた。少しずつ自信を付けて行ってほしい。
今日唯一１つ階段を上ったと感じさせたのは、８回に七條が１点を失った後で登板した木谷である。１軍昇格後５試合目で最も大事な場面を任されたが、モーガンのバットをへし折ってしっかりDeNAの勢いを止めてくれた。昨シーズンの山本哲のように結果を残す中で接戦で使える投手になって行ってもらいたいのだが…果たしてどうなるだろうか？次回どんな場面での登板になるか？またどんな投球をしてくれるのか？注目してみたい。

まあこんな調子では簡単に勝ちを積み上げていくことはできないだろう。それでもやっぱりヤクルトファンとしては勝ってもらうと嬉しいものである。できれば明日も勝ってもらって久々の連勝が見たいところである。明日の先発はプロ入り初先発となる古野である。木谷同様２年目の右腕の頑張りに期待したい。否期待せずに見守りたい。

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