目標を失ったチームの難しさ

ヤクルト６－１２広島

ヤクルトと広島との間にこれほどまでに差があるとは思いたくないのだが、これが順当な結果なのだろう。目標を失ったヤクルトとCS争いの真っ只中にいる広島との３連戦は広島の３連勝に終わった。ここ最近のゲーム内容に選手達はどんな思いでいるのだろうか？少なくとも必死なって戦う姿を見せてほしいのだが…チームとしての野球が出来ていない。ヤクルトというチームは仲良し集団と揶揄されることもあるが、チームとして戦う意識の強い球団だと感じていた。それだけに今のチームの状態は非常に残念である。まあ最下位一人旅となってしまっては勝利への執着心のようなものは失われてしまうのかもしれないが…

先発の徳山は、前回の巨人戦で好投し、今日の登板も期待されていたのだが散々な結果に終わってしまった。先に結果を書いてしまうと、３回を投げて被安打５（被本塁打２）与四死球４の７失点という数字が残ってしまった。今日は初先発マスクとなった西田とのコンビで臨んだのだが、初回から広島打線に掴まってしまった。初回は菊池への死球の直後にキラに先制２ランを浴びると、２アウトから松山に四球を与え、梵にタイムリー２ベースを浴びてしまいいきなり３点を失ってしまう。２回はピッチャーの野村にヒットを許した後、丸に２ベースで繋がれ、菊池の犠牲フライで４点目を失ってしまう。３回にはショート森岡のエラー、石原への死球でピンチを招くと何とピッチャーの野村に３ランを浴びてしまう。徳山ー西田の若手バッテリーが躍動する姿を見たかったのだが、数字も内容も最悪な結果に終わってしまった。
徳山の前回の登板は出来過ぎの部分もあったと思うのだが、今日はとにかく内容が悪かった。ミスミス失点を重ねていってしまった印象が強い。四死球のランナーを長打で返されてしまったり、ピッチャーの野村にヒットと３ランを浴びたりと何ともお粗末な投球だった。何度か好投した古野が１回の乱調で２軍に落とされてしまっていることからおそらく徳山も一旦２軍に落とされるのではないだろうか？それでも前回の登板の時も感じたようにフォークボールは１軍でも武器になりそうである。コントロールが安定すれば１軍でも使える投手になるのではないだろうか？但し今日の投球に関しては、全く持って１軍のマウンドで投げるに値しないような投球だった。まあ徳山は今シーズン途中に支配下登録されたばかりの選手である。焦らずに経験を積んで自分の投球スタイルを確立していってほしい。

リリーフ陣はまたひどかった。阿部が代わったばかりの４回に３点を失えば、松岡、久古はエルドレッド、菊池にホームランを浴びてしまった。チームが目標を失っているとはいえ、投手陣に関しては自分が主導権を握れるポジションなのだからしっかり結果を残さなければならない。松岡、久古は敗戦処理的な立場でモチベーションが上がらないなどと言ったことは言えない立場にある投手である。奮起してもらいたい。

野手陣は正直言ってバレンティン以外は、すでに来シーズン以降を見据えての選手起用になっているためオープン戦に近い形で観戦するのが正解なのかもしれない。（それでもオープン戦とは相手チームの本気度が違うので若手にとっては良い経験にはなると思うのだが…）
今日の６得点は、川端、武内の２ランとユウイチの２点タイムリーによるものだった。川端に関しては、とにかくしっかり試合に出場できるコンディション作りをしてくれれば二桁ホームランは可能な選手だと思う。来シーズンに希望を持たせてくれるような弾道の打球だったと思う。長打の打てる怖さのあるバッターになってもらいたい。
武内、ユウイチに関しては崖っぷちの中今日は結果を残してくれた。しかし個人的には今日結果を残したからと言って手放しで喜ぶ気にはなれない。武内は外野で出場するには走攻守全てにおいて物足りない。ユウイチは本当に久しぶりに結果を残し続けてくれているが、年齢的にはあまり魅力を感じることが出来ない選手である。それでも畠山が怪我でいない今がチャンスである。おそらくユウイチにとっての本当のラストチャンスだろう。シーズン終了までこの好調さを維持できるだろうか？

そして若手に関しては、首脳陣が少しずつ１軍での試合経験を積ませようと考えているのだろうか？今日は先日の谷内に続いてキャッチャーとして西田が先発出場を果たした。西田の場合、２軍で結果を残しての出場である。今日は好守ともに結果は出せなかったが、これからの選手である。キャッチャーという一つしかない特殊なポジションだけにレギュラー獲得への道は険しいが、まだまだ中村も盤石な状態を作れていないだけに、西田が打撃面で中村を上回ることがあれば、逆転のチャンスもあるだろう。ベテラン相川の存在もあるのだが、将来のヤクルトを担っていかなければならないのは中村と西田だろう。この２人には高いレベルでのレギュラー争いを期待したい。西田に関してはもう何試合か見てみたい選手である。

「今日のバレンティン」
３打数１安打１四球
ファンとしてはとにかく早いとこ５６号のシーズン新記録を達成してもらいたいと願うばかりである。明日からの阪神との３連戦で是非決めてもらいたい。心配なのは身体の状態だけである。

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