ヤクルトが米大リーグ、レッドソックス傘下3Aポータケットのクリス・カーペンター投手(27)を獲得することが13日、分かった。1メートル93の長身から投げ下ろす最速100マイル(161キロ)の直球が武器で、新守護神候補として期待がかかる。松坂大輔(33)、田沢純一(27)両投手の元同僚が、今季チーム防御率4・26と崩壊した投手陣を立て直す。(サンケイスポーツ引用)
ん?クリス・カーペンター?と思った人もいただろう。カージナルスで活躍したカーペンターが来るの?と思ったら全くの別人だった。そのカーペンターは引退していたのですね。
私は、以前より外国人投手は3人は必要ないのでは?というスタンスでブログを書いていたのだが、今回の獲得は「あり」かなと感じている。
理由は主に2つである。1つ目は、カーペンターをリリーフとして起用する方向でいるということ、2つ目はロマンが残留するということ。この2つである。
1つ目に関しては、昨シーズン途中でラルーを獲得した時と比べている。ラルーは全く戦力にならずに今シーズン限りでチームを離れることになってしまったのだが、ラルーとカーペンターの実力を比べてカーペンターの方が上だから獲得OKと言っている訳ではない。
ラルーに関しては、獲得時から先発としての起用を示唆されていたため違和感を感じていた。投手陣で最も補強したいのはリリーフ陣と感じていたからである。シーズン終盤に山本哲、バーネット、石山という形が何とか出来上がったが、他チームのリリーフ陣に比べると明らかに安定感に欠けている。石山は先発転向の話も出ており、ヤクルトのリリーフ陣は質、量ともに他チームよりも劣っているように感じる。そこにカーペンターのようなパワー系の外国人投手を加えることは間違っていないと思う。後はカーペンターの実力を信じるのみである。気になるのは、サンケイスポーツに掲載されていたアメリカ球界関係者のコメントである。「春先に右肘を手術したが、今季終盤には常時150キロを計測するまで回復している。環境が変われば大化けする可能性がある。」というものである。今年の春先に右肘を手術していることと環境が変われば大化けする可能性がある。という言葉がどうしても引っかかる。それでもパワー系の投手をリリーフとして獲得することに関しては全く異論はない。まだ27歳と年齢的にも若いだけにカーペンターの可能性に賭けることは決して間違いではないと思う。
2つ目の理由として上げさせてもらったロマンの残留についてもカーペンター獲得に賛成する大きな要因になっている。最初に書いたように今まで外国人投手を3人獲得することについては否定的だったのだが、これほどまでに便利屋的な役割を全うしてくれるロマンの存在が私の考え方を少し変えることになった。
外国人枠がある中で、ヤクルトの現状を考えると野手のバレンティン、ミレッジを外すことは大きなアクシデントがない限りあり得ない話である。そうなると投手陣の枠は多くて2つである。今シーズンは不調だったものの昨シーズンにはセーブ王を獲得し、ボールの質自体はヤクルト投手陣の中でも1、2を争うであろうバーネット、右肘を手術する前は160キロを超えるストレートを投げ込んでいたカーペンター、この2人がしっかり機能すればヤクルトにとっては万々歳の結果になるのだが、そう上手く行くものではない。そこでロマンの存在が改めて浮かび上がってくる。
ロマンはヤクルトに入団してからの2シーズン、先発もリリーフもこなしてきた。ただこなしてきただけでなく外国人枠の関係で時には2軍での調整を言い渡されたり、先発の間隔もまちまちだったり、チーム事情によってはリリーフに回ったりと様々なシチュエーションでの登板を重ねてきた。35歳と言う年齢の割にタフな起用法にもそれなりに結果を残している。数字的には目立たないのだが、チームにとっては欠かせない存在になっていると感じる。
個人的には第5の外国人選手というポジションで考えた場合ロマンほどの適任者は中々いないのではないかと考える。先程も書いたようにバーネットとカーペンターがリリーフで活躍するのがヤクルトにとって最も良い形だと思うのだが、上手く行かなかった場合にもそれなりに計算できるロマンがいることは非常に心強いことである。
カーペンターが素晴らしい投手かどうかはキャンプ、オープン戦と見ていかなければ分からないのだが、静かなオフシーズンを過ごしていたヤクルトがようやく補強らしい補強を行った印象である。(まだ正式には発表されていませんが…)今回の補強に関しては、方向性は間違っていないと思う。
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