ヤクルト4x-3オリックス(延長10回)
1試合だけで評価をしてはいけないのだが、オリックス相手にリリーフ陣が無失点リレーを見せてのサヨナラ勝ちということで非常に気分は良い。交流戦前は打ち勝つことで活路を見い出していたが、交流戦最終盤になってリリーフ陣の好投で勝利を手繰り寄せたことは大きい。今日がチームのターニングポイントにならないだろうか?(それは流石に虫が良過ぎるか…)
先発は掴みどころのない不思議な技巧派サウスポー、ナーブソン。今日も良いのか悪いのかよく分からない内容だったのだが、守備陣に足を引っ張られながらも6回1/3を被安打6無四球の3失点(自責点2)という数字を残してくれた。ヒットを許したイニングでは全て失点するという内容の投球だったのだが、それでも最少失点ずつで凌ぐことが出来たのが大きかった。(オリックスの犠打を多用した攻撃にも多少助けられたような気もするが…)やはりストライクゾーンにしっかりボールが集まる日はそれなりの投球が出来るようだ。良くも悪くも今日のナーブソンの姿が本来のナーブソンの姿なのかもしれない。(ストライクゾーンにボールを集めて緩急を使って、打たせて取る。ランナーが出るとボールが甘くなる。それでも大崩れせず何とか試合を作る。)こんなところだろうか?
しかし今日は何と言ってもリリーフ陣の奮闘に尽きるだろう。バーネットとカーペンターがこういった競ったゲームで2人とも働いてくれたゲームは今シーズンあっただろうか?リリーフ陣がこういう投球を続けることが出来れば交流戦明けもそこそこ戦えるかもしれない。(甘いですかね?)
7回1アウト2,3塁のピンチで登板した秋吉は、代打駿太の強烈なピッチャー返しに反応し、1つアウトを取ると、続くヘルマンもファーストゴロに打ち取り、オリックスに勝ち越し点を許さなかった。ピッチャー返しには良く反応したが、その後飛び出したセカンドランナーを刺そうとして慌てて2塁に送球してしまいあわや失点という場面があった。センターのカバーリングによって大事には至らなかったが危ない場面だった。昨日今日と厳しい場面での登板となったが、しっかり仕事をしてくれた。しかし春先に比べるとやはり少し疲れが出てきているように感じる。それでもクローザーを任されていた頃に比べれば精神的な負担は多少は減るはずである。秋吉らしくとにかく思い切って腕を振っていってほしい。小細工は通用しないのだから。
8回を任せられた山本哲は、ストレートの球速表示が出ていた。キャッチャーの相川もストレートを中心に組み立てていたようなのでボール自体は走っていたのではないだろうか?ピンチは招いたが無失点で繋いでくれた。秋吉とは逆にこの山本哲は徐々に本来の力を出しつつあるように感じる。このままゲーム終盤を任せられるようになれば心強い。
9回のバーネットは躍動感のあるピッチングを披露してくれた。やはりボールの威力という部分ではチーム№1ではないだろうか?精神的に波があり、好調時と不調時の差も大きいのだが、イライラするなと言っても無理だろう。気迫を前面に押し出してチームを鼓舞しながら投げるクローザーというのも悪くはないと思う。やはりこのバーネットがいるといないのとではブルペン陣の層の厚さが違ってくる。良いタイミングで戻ってきてくれた。もうクローザーを任せるしかないだろう。
10回はカーペンターが無失点で抑え、直後のサヨナラ勝ちに繋げてくれた。カーペンターに関しては、まだまだコントロールが安定せず、今日も四球を与えてしまったり、糸井にホームラン性のファールを打たれる場面があったようだが、バーネット同様パワー系のピッチングが出来ることは魅力的である。序盤戦での起用法には外国人枠の関係もあり、大いに疑問を感じていたが、ミレッジ、ロマン、バレンティンが怪我で離脱してしまった今、2軍でしっかり結果を残してカーペンターを起用することに異論はない。経験を積む中で安定感が増して来れば面白い存在になるのだが…今後に注目である。兎にも角にも来日初勝利おめでとうございます。
バーネットが戻ってきたことによってようやくリリーフ陣が固まるかもしれない。もう9回はバーネットで固定するしかないだろう。後は結果を残してもらうだけである。6回~8回辺りをカーペンター、秋吉、山本哲で凌げるようになればそれなりのリリーフ陣が形成される。今度こそ固定できるのではないだろうか?
カーペンターは制球難、秋吉は疲れと左打者対策、山本哲は勤続疲労、バーネットは怪我明けとそれぞれ小さくはない不安を抱えているが、とりあえずファンとしてはあなた達に期待することしか出来ない。今まで打線に助けられていた分をこれから取り返してほしい。
打線は相手先発がサウスポーの松葉ということで大幅にスタメンを入れ替えてきた。ここら辺は賛否分かれるところだと思うが、とりあえず軸となる3~5番が固定できたことを評価したいと思う。
1番 センター 比屋根
2番 ショート 森岡
3番 セカンド 山田
4番 サード 川端
5番 ライト 雄平
6番 DH 田中浩
7番 キャッチャー 相川
8番 ファースト 荒木
9番 レフト 野口
正直言うと今日も意図がよく分からないオーダーである。6番DH田中浩というのは迫力に欠けるし、レフト野口というのもなぜ飯原を起用しないのかよく分からない。森岡をスタメンで残したことは良い判断だと思うのだが、前回抑えられた松葉を打ち崩すために右バッターを並べたというのなら川島の起用があっても悪くはない気がする。ここら辺が小川監督の起用法のよく分からない所である。昨日の記事のコメントにもあったのだが、出場機会に恵まれない選手を使うポイントを必死に探しているように見える。(投手の右左によって使い分けるなど。)それだけ実力的に抜き出た選手がいないというのは事実だし、実力的に大差ない選手を出来るだけ平等に起用することで選手のモチベーションが下がらないようにするなどの理由があるのかもしれないが、それにしてもはっきりとした意図が見えない。DH制を上手く活用できていないのは間違いないだろう。
采配批判的な文章を書いてしまったのだが、しかし今日のゲームに関しては小川監督が起用した選手達の活躍によって勝利を手にしたのも事実である。4回まで松葉の前にノーヒットに抑え込まれていた打線は、5回に雄平がチーム初ヒットで出塁すると田中浩のヒットでチャンスを広げ、相川のショートゴロの間にまず1点。その後荒木、野口の連打でチャンスを広げると比屋根の押し出し四球と森岡の犠牲フライで逆転に成功する。
松葉対策で起用された田中浩、荒木、野口、比屋根がきっちり結果を残して松葉をKOしたのだから、小川采配的中と言って問題はないだろう。上記の通り個人的には今日のオーダーには納得していないが、結果的には小川采配を讃えるべき勝利なのだろう。
そして8回9回にチャンスを活かせなかった打線だが、リリーフ陣の奮闘に応えるように10回にも佐藤達から1アウト満塁のチャンスを作ると途中出場の上田が追い込まれながらもレフトに犠牲フライを放ち、今シーズン初のサヨナラ勝ちとなった。大事な場面で上田が良く打ってくれたし、川端も良く走ってくれた。勢いは大事である。こういったゲームを勝てたことを明日に繋げてほしい。特に上田は悩み始める時間が掛かってしまうタイプのように感じるので今日の活躍を明日に繋げてほしい。(明日の相手先発は成瀬ということでスタメン起用されるか分からないが…)
川端、山田のエラーなどもあったが、接戦をサヨナラ勝ちでものにしたということでチームとして自信にしてほしい。オリックスリリーフ陣を追い込んでのサヨナラ勝ち!ナイスゲームである。
P.S オリックスの安達の守備は非常に上手いですね。普段オリックス戦を見ることがないので的外れなことを書いているかもしれませんが、守備範囲も広そうだし、確実性もあるように感じます。今日は途中からショートに入った原拓のスーパープレーもありましたが、昨日今日と安達の活躍ぶりが気になった。打撃はまだ力強さに欠けるかもしれないが、もう少しパワーが付いて来ればリーグを代表するようなショートストップになるのではないだろうか?社会人出身とはいえ、今後の伸びが期待できる選手のように感じた。
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コメント
バーネットの活躍と連勝、そしてオリックス戦勝ち越しが何よりですね!
ただ、最近話題の打線に関しては私も疑問が残ります。
打順で言えば1番、3〜5番、
守備は捕手、二塁手、遊撃手、中堅手は可能な限り固定して欲しいと思います。
(今のメンバーなら、1番は森岡固定で良いと思います。。。)
また、遊撃手は慎吾固定で良いと思うんですがね。
遊撃手は読みと回り込む動きがポイントですが、
三塁手だとレスポンスが必要となり、
どうも慎吾はその辺の身のこなしが備わっていないように感じます。
(遊撃手の時は抜群の安定感だったんですがね。。。)
そう考えると遊撃から三塁へのコンバートをサラッとこなした慎也は、
本当に凄い選手だったんですね。
> JEF九郎さんへ
交流戦前に固定されかけていた打線は結局怪我人も出て、崩れてしまいましたね。本来であれば川端や山田がショートに定着できれば良かったと思うのですが…川端は身体がいかにも硬そうなのが気になります。ショートだと身体への負担が大きいんですよね。個人的にはシーズン通して川端がショートを守りきるイメージが湧きません。
宮本に関しては、引退して改めて凄さを再認識させるような存在ですね。