今日は小山とアンダーソン。心折れる敗北。

ヤクルト2-4巨人

「原巨人強し。」である。これまでの2連覇は野手であれば阿部、坂本、長野、投手であれば内海、杉内、菅野、マシソン、山口、西村など個の力も使って勝利を重ねた印象があったが、今シーズンは日替わりヒーローが現れるなどとにかく勝負強い。適材適所の選手起用を含め原采配が当たっているのではないだろうか?
大型補強をしても機能しなかったある意味「腐っていた巨人」のイメージを一新し、常勝軍団へと導いた原監督はやはり名将である。しっかりとお金を使った大型補強は昔も今も巨人の武器の一つであるが、野球自体は「野村ヤクルト」を彷彿とさせるところがあるように感じる。
大型補強でチームを作り上げる巨人に対して、戦略面などで対抗していたヤクルトの姿はもうない。「野村ヤクルト時代」を知っている私のようなヤクルトファンの方々は今どのような想いでいるのだろうか?私はヤクルトファンとしてのアイデンティティが崩壊してしまったような状況である。正直心が折れる。

石山は初回にアンダーソンに3ランホームランを浴びてしまった。その後は無失点で5回まで投げ切ったものの1イニングで大量失点してしまう部分は先発投手としての大きな課題である。それでも先発転向後の石山はそれなりに試合を作ることが出来ており、来シーズンに向けて期待値は高くなっている。
初回に関しては、やはり巨人のプレッシャーのかけ方が素晴らしかったように感じる。先頭の長野がピッチャー強襲のヒットで出ると橋本はバントの構えをしながらも簡単には送らず、結局追い込んだもののヒットで繋がれてしまう。坂本は一転初球にしっかり送りバントを決めてチャンスを広げると、阿部三振後にアンダーソンに一発を浴びてしまった。まだまだ駆け引きという部分で甘さが残る石山ー中村の若いバッテリーからすると巨人攻撃陣からのプレッシャーは半端ないものだろう。2人ともこういった経験をしっかり活かしていってほしい。
リリーフ陣は久古、松岡、中澤とまずまずの投球を見せてくれた。中澤は阿部にホームランを浴びてしまったが、あれは阿部を誉めるべきだろう。アウトコースのストレートを上手く合わされてしまった。

野手陣は巨人先発の小山に苦しんだ。先発投手でこれだけストレートとフォークを多投するピッチャーはあまりいないのではないだろうか?今日はヤクルト打線のそのフォークへの意識を逆手にとってストレート中心に組み立てられ、抑え込まれてしまった。ここら辺はベテラン阿部のリードが冴えていたという所だろうか。小山に関しては、長身から角度のあるストレートとフォークを投げ分け、安定したピッチングを披露している。打者としてはこのストレートとフォークの見極めが難しいのだろう。今日は4回までパーフェクトに抑え込まれてしまった。5回にはバレンティン、雄平の連打でチャンスを作ったのだが、畠山が不運なファーストライナーでのダブルプレーに倒れるなどチャンスを活かせなかった。
6回に2アウトから森岡の2ベースと川端のヒットで1点、9回に雄平のセカンドゴロの間に1点を返したがその後のチャンスで中村がキャッチャーファールフライに倒れて試合終了となってしまった。
昨日、今日と終盤に一応見せ場は作って見せたのだが、巨人との実力差を感じるゲームとなってしまった。今までも何度か記事にしたのだが、「東京ダービー」を盛り上げるためにも巨人相手にはケンカ腰で立ち向かってほしい。来シーズンは打倒巨人で気持ちを感じるゲームに期待したい。野村監督も星野監督も落合監督も巨人を倒すために知恵を絞り、選手達を鼓舞し、精神面でも巨人を揺さぶって戦ってきた。そんな戦い方を期待したいのだが…

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コメント

  1. でぶちゃん より:

    やっぱりこのチームはアンダーソンだ!あいつを獲っちゃおう

  2. パイン より:

    小川さんは、選手には巨人に特別な意識があるだろうと言っていましたが、
    監督自身に、そんな強い思いは感じませんでした。

    或る意味、今の巨人ファンは充実しているでしょうね。
    その分、他球団ファンには虚しさがあるわけで…。

    あまり強さを感じないのに、結果的に勝ってしまうというのは、
    戦力のみならず、戦術の厚みを感じますね。

    弱くて下手なうえに、長期的視野に立たず新監督が決まりそうな球団が、
    どこに活路を見出していけばいいのか悩ましいことです。

  3. JEF九郎 より:

    ご無沙汰してます。
    アイデンティティの崩壊、
    正にその通りですね。

    本来ヤクルトの様なチームがやるべきこ緻密な野球を巨人が展開し、
    強力な戦力が無ければ成立しようが無い野球をヤクルトが展開。

    小川さんが辞任をするとのことでしたが、
    内部の方の昇格では大きな変化は見込めないと思います。
    GMと監督は組織を作ることが仕事ですので、
    野球界ではなく経済界から良い人材を引っ張てきて、
    腐り切った組織にメスを入れるぐらいの大きな改革を期待したいです。

  4. FIYS より:

    > でぶちゃんさんへ

    アンダーソンは本当に良いバッターですね。穴がありそうでないですよね。変則フォームですが、しっかりボールを呼び込んでスイングするという打者の基本がしっかりできていますよね。相手からすると嫌なバッターです。

  5. FIYS より:

    > パインさんへ

    そうですね。今の巨人ファンの方々は充実しているでしょうね。

    こうなると巨人をどのように倒していくか本気で考えていかないといけないですね。「どこに活路を見い出していくか?」については次期監督のお手並み拝見という所でしょうか?柔軟な考えを持った監督が適任かな?と感じています。(そういう面では古田氏が適任かな?とも思うのですが…)

  6. FIYS より:

    > JEF九朗さんへ

    今シーズンは、「野村監督の遺産」を完全に食いつぶした中でスタートしたシーズンだったと思います。新たなスタートと言う意味では悪くないシーズンだったと思います。
    しかし今の戦力も充実した中で組織的に戦う巨人とは大きな差を感じてしまいました。JEF九朗さんのおっしゃる通りだと思います。

    監督の交代だけではなく、ヤクルト球団としてどう戦っていくか?ということは非常に重要なことでしょうね。思い切った改革をするには良い時期にあるのかもしれません。

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