ボクシングトリプル世界戦のメーンイベントして行われたWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチでは、挑戦者で同級6位の井上尚弥(21)=大橋=が衝撃の2回3分1秒KOで王者のオマール・ナルバエス(39)=アルゼンチン=を破り、世界最短となる8戦目での2階級制覇を達成した。ナルバエスは12度目の防衛に失敗。
(デイリースポーツ引用)
デビュー直後から「100年に1人の逸材」、「天才」、「怪物」などと呼ばれ、プロ入り3戦目のノンタイトル戦からフジテレビでゴールデンタイムに中継されるなどいわゆる規格外のボクサーだったのだが、今日のナルバエス戦で名実ともにスーパースターの仲間入りを果たしたと言って良いのではないだろうか?過去記事はこちらから→「井上日本人最速王者に!八重樫はロマゴンと!」
ナルバエスは世界王者を合計27度防衛している名チャンピオンなのだが、ナルバエスの年齢による衰えもあり、試合前から井上優位との予想をよく目にしていた。しかし過去に何度も天才と呼ばれるような日本人ボクサーが世界の壁に跳ね返された場面を見ていたためそう簡単にはナルバエスの技巧を攻略することは出来ないだろう?と感じていた。しかしである。開始直後に右ストレートでダウンを奪うとその直後にも左フックでこのラウンド2度目のダウンを奪う。それでもナルバエスも名王者であることに変わりはなく、テレビで見ていると2度のダウンからくる焦りのようなものは感じさせなかった為、1ラウンドで仕留められなかったことに一抹の不安を感じていたのだが…そんな私の不安をかき消すように2ラウンド目も井上がナルバエスを圧倒し、左フック、左ボディでダウンを奪い、そのままナルバエスをKOしてみせた。
世界戦経験豊富なナルバエスをここまで翻弄して見せるとは…言葉が出てこないくらい素晴らしい試合だった。これまでは、多彩な左のブローに目が行っていたのだが、右のパンチの破壊力も相当のものを持っているようだ。今日はダウンを奪った一発目のパンチで拳を痛めてしまったようだが、ナルバエスが「超ストロングなパンチだった。驚いた。」とコメントを残している。圧倒的なボクシングテクニックにこの階級にしては破格のパンチ力を合わせ持っている。井上がとんでもないボクサーだということを改めて実感させられた素晴らしい試合だった。
このブログでも何回か書いているのだが、ここ数年非常に個性的で強い日本人チャンピオンが複数存在し、ボクシングファンとしては、嬉しい限りなのだが、この井上も伝説のチャンピオンに成り得るボクサーであることを今日の試合で証明して見せた!今後対戦相手探しに困るレベルのボクシングを見せてくれたと思う。井岡一翔やローマン・ゴンサレスとの対戦も現実味を帯びてきそうである。
P.S 16歳で日本に渡ってきた「ゴールデンボーイ」ホルヘ・リナレスも3階級制覇を達成した。その才能からするともっと早くから世界に羽ばたいてほしい逸材だったのだが、思ったより苦労してしまった印象が強い。スタイリッシュなボクシングスタイルに端正な顔立ちで世界的スターになれる選手だと感じている。いつの間にか年齢は29歳となってしまったが、今日の試合でも「打たせずに打つ」リナレスらしいボクシングを展開できていたと思う。左の高速ジャブで主導権を握り、強烈な右ストレートで倒した場面は鳥肌ものだった。ここから是非ビッグマッチに繋げていってもらいたい。
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