季節外れではありますが、今日は高校野球の記事を書きたいと思う。現在ヤクルトに在籍している選手の中で高校時代甲子園のスタープレーヤーだった選手が何人かいるのだが、そんな選手達の甲子園での活躍ぶりを簡単に振り返ってみたい。
投手
由規 仙台育英高 06夏、07春、07夏
・佐藤由規の事を初めてしまった知ったのは、06年夏の宮城大会決勝が延長再試合になったというニュースを見た時だと思う。当時の東北も確か高山?というエースを擁したかなり強いチームだったと記憶しているのだが、その東北を2年生エースが抑え込んだということで、甲子園でも注目していたのだが、日大山形に打ち込まれたこともあり、そこまで強烈な印象は残らなかったのだが、一冬越したセンバツでストレートの球速が格段に上がっており、驚いたことを覚えている。細かい制球力はなく、常葉菊川相手に初戦で敗れてしまったのだが150キロを記録した伸びのある速球と切れ味鋭いスライダーは物凄かった。
そして夏は、2回戦の智弁学園戦で甲子園最速となる155キロのストレートを披露し、一躍時の人となった。数字だけでなくキャッチャーが捕球時にミットを押されるくらいの威力のあるボールを投げ込み、初戦の智弁和歌山戦では三振の山を築いて見せた。投手としての完成度はまだ低く、総合力では同じく「BIG3」と呼ばれた唐川(成田高)、中田(大阪桐蔭)に及ばなかったと思うが、投げるボールのえげつなさは佐藤の方が上に感じた。その伸びしろも期待されてかドラフト会議では5球団に指名される人気ぶりだった。
「怪物」と呼ばれるようなふてぶてしさを微塵も感じさせることがなければ、斉藤佑樹(早稲田実)のような投手としての完成度の高さも感じさせなかった。しかし投げるボールは物凄かった。正直プロではどうかな?と個人的には感じており、唐川の方が上かな?という評価だったが、佐藤由規のボールは充分プロでも通用するものだった。それだけに右肩の故障が非常に残念である。今年は1軍のマウンドに戻ってこれるのだろうか?スター性たっぷりの由規は華やかな舞台が良く似合う華のある投手である。
野手
武内 晋一 智弁和歌山 99夏、00春、00夏
・高校野球史上に残るような強力打線を形成していた00年(春準優勝、夏優勝)の智弁和歌山の3番打者である。ちょっとぽっちゃりした体型から迫力あるスイングで甲子園でも抜群の存在感を見せつけてくれた。当時の武内はまだ2年生であり、このまま伸びていけば高卒即プロ入りもあるのでは?と感じていたのだが、3年次は甲子園出場を逃し、そのまま早稲田大学に進学し、大学卒業後ヤクルトに希望枠で入団することとなる。
2年次のバッティングは強烈に印象に残っている。ミートする技術に優れ、どんなボールにも対応できる柔軟性があった。強烈なライナーを広角に弾き返すスキルを持った素晴らしい打者だった。このブログでも何度か書いたのだが、現西武の森の高校時代と似たような雰囲気を感じさせる選手だった。しかし早稲田大学に進学して以降アピールポイントである打撃に苦しみ、高校時代の輝きは未だに戻ってきていない印象がある。西武の森の活躍を見ていると武内も高卒でプロに入っていたらもっと違った選手に育っていたかな?などと想像してしまうこともある。年齢も30代に入ってきたのだが一花咲かせてもらいたい選手である。
森岡 良介 明徳義塾 00夏、01夏、02春、02夏
・名門明徳義塾で1年夏からレギュラーを獲得し、3年夏には全国制覇を果たした甲子園のスターである。しかも甲子園では全試合でヒットを記録しているということだ。そのバッティング技術は武内同様印象的であり、簡単には崩されないバッターだった。優勝候補として臨んだ02年夏の3回戦常総学院戦での大接戦の中でサイドスローの好投手飯島から放ったホームランは特に印象的である。中日にドラフト1巡目で指名されたこともあり、同じタイプの立浪と比べられることが多かったが、守備、走塁の面では立浪の方が1枚も2枚も上手だった。それでもバッティングに関しては、潜在能力からすると立浪に劣らないものを持った選手だと信じている。プロでの成績は立浪の足元にも及ばないが、守備、走塁でもっとアピールできる選手だったならば、もっと出場機会を得ることができた選手だと思う。中日を自由契約となりヤクルトに移籍して以降徐々に出場機会を増やし、ようやく花を咲かせようとしている段階である。2015シーズンは大引の加入もあり、厳しいレギュラー争いが待っているが、この森岡にもチャンスはあるはずである。中距離ヒッターとしての才能がようやく目覚めようとしている。
独断と偏見で選ばせてもらったが、上記の3人が現在ヤクルトに在籍している選手の中で「甲子園の星」と呼べる選手かな?と感じている。
その他にも甲子園で輝いた選手を挙げてみると03年のセンバツで準優勝を飾った成瀬善久、松坂世代のど真ん中神奈川県の日大藤沢高でその松坂擁する横浜高に挑み続け、98春にベスト4に進出した館山昌平、同じく松坂世代で注目の剛腕だった沖縄水産の新垣渚、08年夏に宮崎商高で甲子園に出場し、実力を発揮した赤川克紀辺りがいるだろうか?この中で言えば新垣のメジャーりーが張りの投球フォームから投げ込まれる迫力満点のストレートが特に印象的である。
野手では、伝説となっている98年夏の横浜高ーPL学園に途中出場した田中雅彦、05年のセンバツで西武の野上から素晴らしいホームランを放った川端慎吾、10年夏に履正社高で抜群の身体能力を見せつけた山田哲人、13年夏に日大山形をベスト4に導いた野球センス抜群の奥村展征、05春夏、06春夏に関西高で甲子園に出場し、斉藤佑樹擁する早実と引き分け再試合を経験した上田剛史辺りが印象に残っている。
そして忘れてはならないのが、01年春に東北高で甲子園に出場した雄平こと高井雄平である。高校№1サウスポーと呼ばれた高井も甲子園には1回しか出場できなかった。その1回の出場も野間口擁する関西創価高に初戦で敗れてしまったため甲子園で輝くことは出来なかった。それでも素材の良さは充分に見せつけてくれた。
振り返って見ると高校時代に甲子園を経験している選手も多いのだなと感じた。皆さんは、高校時代に印象に残っている選手はいるでしょうか?
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コメント
高校球児だった投手雄平が外野手になるなんて想像もつかなかったなあ
しかもここまでの選手になるなんて頑張ったなあ。守備もうまくなっているようだし雄平偉い!
ところでヤクルトの外野のベスト布陣は左)ミレッジ中)雄平右)バレンテインですかねえ…旧規格神宮球場ならではの異色の布陣ですね。打ち勝たないとですね。
由規はお客さんを呼べる選手ですね。今年は具合がいいようでぜひ復活してほしいです。しかし、速球派投手の故障は過去の例からしてシーズンを通して完全復活は厳しいものがあるように感じます。
こんばんは。ご無沙汰してます。
う〜ん、誰だろう?
やはり私は、82年の荒木大輔、06年の上田剛史でしょうか(笑い)
マニアックなところで金城長靖(八重山農林)
甲子園でのことごとく勝負強いバッティングが忘れられない
プロに行って欲しかった…
身体が大きくなかったからかなあ…
知ってますか?(^_^;)
> ネコ サカナさんへ
雄平は本当によく頑張りましたね。打撃センスの高さは誰もが認めるものでしたが、ここまで結果を残せるようになるとは思いもしませんでした。守備に関してもまだ伸びしろがありそうですよね。
外野陣は雄平以外はまだ何とも言えませんが、一応ネコ サカナさんに挙げて頂いた3人が収まるのがベストオーダーですかね?確かに打撃に特化した異色の3人ですが…
由規はやはり肩の故障ということでとても心配です。ファンとし大きな期待はかけられません。それでも復活を願っていますが…
> 野球好きさんへ
ご無沙汰してます。
荒木大輔氏の高校時代は全く知らないのですが、歴代のヤクルト選手の中でも「甲子園の星」という意味では№1選手ですかね?上田に関しては素材は間違いない選手ですよね。
> ネコ サカナさんへ
八重山商工の金城長靖ですよね。強烈な印象を残した選手ですよね。ここ10年でも屈指の選手ではないでしょうか?
スイッチヒッターで両打席で豪快なホームランを打てて、投げては140キロを超えるストレートで安定感ではエースの大嶺を上回っていましたよね。プロ志望届は出さず、沖縄電力に進んだ後はあまり情報が入ってきませんよね。小柄ながら身体能力抜群で見ていて非常に面白い選手でした。