ヤクルト2x-1中日(延長10回)
石山とバルデスの素晴らしい投げ合いとなったこの試合。7回に石山が先に失点してしまい、今日もこのまま終わってしまう雰囲気だったのだが、8回に代打森岡のタイムリーで追いつくと延長10回に田中浩がサヨナラタイムリーを放ち、接戦をものにしてみせた。ナイスゲーム!である。
先発の石山は先発として「開花目前」と見て良いのではないだろうか?新球シュートが思った以上に機能している。右バッターにも左バッターにも使えるのが素晴らしい。打者から見て厄介なボールが1つ増えたことによって投球の幅は間違いなく広がったのではないだろうか?今日も8回を被安打3与四死球1の1失点と素晴らしい内容の投球を見せてくれた。特に与四死球1で奪三振8という数字には凄みを感じる。ストレートの球速自体はリリーフ時より落ちているのだが、打者は石山のボールに差しこまれていた。元々の持ち球であるスライダー、カーブ、フォークもより活きてきているように感じる。今日も勝ち投手にはなれなかったが、今シーズンは「勝てる投手」に変身できる可能性があるのではないだろうか?真中監督が評価していた潜在能力の高さを見せつけるシーズンになるだろうか?
リリーフ陣は同点の9回からバーネットを投入し、10回はオンドルセクとつないで見せた。同点の9回にバーネットを投入した采配は個人的には好みの起用法である。同点の9回、中日の打順は1番大島からの好打順。ここをしっかり抑えるためには同点であってもバーネットを投入するのが得策だろう。バーネット自体は今日もボールは走っていた。しかし2アウトから平田、ルナに四球を与え、イライラが見えたが、5番高橋周を必殺のカットボールで打ち取って見せた。やはりボールの威力という部分ではヤクルトの投手陣で№1のボールを持っているのがこのバーネットだと思う。
そして10回にはオンドルセクをマウンドに上げた。今日は下位打線ということでそこまで厳しい場面ではなかったが、これで6試合登板してまだ無失点と結果は残してくれている。正直まだまだ信頼を得るまでには至っていないと思うのだが、来日初勝利が転がり込んだ。負担のかからない場面から徐々に調子を上げていってもらいたい。
打線に関しては今日も先発バルデスの前に苦戦したが、三嶋、大野に続いて今日のバルデスも投手を誉めるべき試合だった感じる。上半身主導の投球フォームながらコントロールが良く、ストレートの球速はそれほどでもないのだが、バッターが完全に振り遅れていた。国際試合で日本が苦しむタイプの変則サウスポーのイメージである。年齢は38歳ということでベテランだが、中4日、5日でこれだけ投げてくれたら中日にとってはとても大きな存在だろう。ヤクルトにはロマンがいるが、中日は中日でこのバルデスが先発の便利屋的な存在になりそうである。球数が球数だっただけに8回の打席で代打を送られるかと思ったのだが、中日は続投を選択した。結局はここが今日のゲームのポイントだったのかもしれない。ヤクルトの8回の攻撃も簡単に2アウトを奪われたのだが、今日1番に入った川端が2ベースヒットで出塁すると中日はここでバルデスを諦め、又吉をマウンドに送った。ヤクルトは大引に代打森岡を送り勝負に出るとこの采配が見事に当たり、森岡が同点タイムリーヒットを放つ。
ここからはヤクルトが押せ押せで試合を進めるのだが、8回、9回と勝ち越し、サヨナラのチャンスを活かせず、嫌な雰囲気が漂い始める。それでも10回2アウト満塁のチャンスで試合を決めたのは、昨シーズン山田にセカンドのレギュラーを奪われ、先日は頭部への死球を受け負傷退場した田中浩だった。正直使い勝手の悪い選手になってしまったのでは?と感じていたこともあったのだが、ミレッジ、バレンティンを欠く中でチームに欠かせない外野手として戻ってきてくれた。今日は9回の0アウト1,2塁での送りバント、そして10回のサヨナラヒットと田中浩らしい活躍を見せてくれた。こういう仕事をしてこその田中浩康である。今日の活躍ぶりは素直に嬉しく感じる。
さて最後に先発オーダーについて触れておきたい。今日は1番川端、2番大引、3番山田、4番雄平、5番畠山、6番田中浩、7番飯原、8番中村、9番石山と組んできた。個人的には「?」だった。2番川端、3番山田に関してはそれなりに機能していたと感じるし、真中監督も2番川端にはもっとこだわっていると感じていたのだが…今日の中日の先発がサウスポーのバルデスだったためもう1試合荒木を1番で起用するか、もしくは荒木の代わりに1番飯原で良いのではないかと感じたのだが…明日はどういったオーダーで臨むのだろうか?少し気になる所である。
P.S 気になると言えば明日の先発新垣も気になるのだが、バッテリーを組む中村の状態も気になる所である。9回のサヨナラのチャンスでの三振はあまりにも内容が悪かった。1アウト満塁の場面で低めのボール球になるスライダーを2球続けて空振りしたのはボールが見えていない証拠だと思う。とはいっても簡単にレギュラーから外すわけにもいかない選手だけに打撃の調子が上がって来るまでは8番で固定しても良いのかもしれない。
明日は色んな意味で不安な新垣だけに中村もリードを含めた守備面に力を注いでもらいたい。
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コメント
雄平が敬遠された時、畠山への勝負を避けたなら田中浩康がサヨナラ決めるだろうな、と思ったらその通りになりました。それくらいギリギリのプレッシャーがかかる場面で田中は期待出来たし、ヒットを打って右手を挙げたときには感動しました。
7回ルナの舐めたタッチアップだとか
8回ランナー置いての場面でバルデスを打席に立たせたり
クローザー福谷温存してタイムリー打たれた又吉を回またぎしたり
守備も雨にツルツル滑ってしまうありさまで
中日は集中力の欠けた野球をしていて、こいつらには絶対勝ってほしいと思ってました。
それに対して真中監督は代打ユウイチをそのまま守備に就かせた。
引き分け狙いでは無くリスクを背負っても延長12回を攻撃しきる覚悟があったように思えます。
あと山田の守備も良かった。ルナのタイムリーに位置とタイミングどんぴしゃでジャンピングキャッチをしていて、あと僅かに低ければ無失点でしたよ。
田中様は神様です!昨年で、ヤクルトには居場所のない選手になってしまったかと思いましたけれども、神様はやはり存在感を強烈にアピールなされます。中村捕手は、これだけチーム防御率がスゴイと外せないですね。打つほうにも期待したいですけれども、このまま投手陣が引っ張って行ってほしいです。その分、大引選手がせめて2割5分ぐらい打ってくれたらいいのですが…。さて、今日は新垣投手の先発。新垣投手は、ファームで絶好調でしたから楽しみです。でも、誰をファームに落とすのでしょうか?ロマンは中継ぎ転向でしょうか?今日は試合の前に、早く情報が知りたいです。
> saboさんへ
田中浩はよく打ってくれましたね。9回には一回チャンスを潰していただけに田中浩にもプレッシャーがかかったと思いますが、勝負強い所を見せてくれましたね。
中日は7連勝中だからこそできるゲームプランだったのかもしれませんね。ちょっと不可解に感じる部分もありましたが…
> 久保田さんへ
田中浩は勝負強さを発揮してくれましたね。素直に喜ぶことが出来ました。
中村、大引がもう少し打撃の調子を上げてくると得点力が上がりそうですね。
新垣がこのまま先発ローテに入るようならロマンを中継ぎに回すのでしょうね。