8回9回のディフェンス!守り勝つ!

CSファイナルステージ第3戦
ヤクルト2-0巨人(3勝1敗)

試合途中から降り始めた雨が強くなった終盤にピンチが訪れたが、しっかり守り切ってみせた。昨日に続いてリーグチャンピオンらしい強さを見せてくれた。ナイスゲーム!

先発の館山は昨日の小川に続くような粘りの投球を披露してくれた。初回、4回とランナーを3塁まで進めてしまう苦しい投球となったが、昨日の小川同様そこから粘ってみせた。初回は2アウトから坂本、阿部の連打でピンチを背負ったものの長野をセンターフライに打ち取り、4回は1アウト3塁のピンチを招くものの亀井、村田をレフトフライに打ち取り、ピンチを凌いで見せた。
怪我での長期離脱から今シーズン復帰したばかりの館山なのだが、全盛期を彷彿とさせるような安定感のある投球を見せてくれている。「負けない投手」館山が帰ってきた。5回には2アウトから立岡に2ベースを浴びたものの片岡を三振に斬って取り、6回には坂本に四球を与えるものの長野をラッキーな形でのダブルプレーに仕留め、菅野より先に点を与えなかった。苦手の巨人を相手に6回を被安打4与四死球2の無失点で抑え込んでみせた。
昨日の小川を称賛する記事でも書いたのだが、このシチュエーションでこの投球が出来るということが素晴らしい。流石館山である。
味方が2点先制した後の7回からは秋吉ー久古ーオンドルセクーバーネットと繋いで完封リレーで逃げ切ってみせた。7回を三者凡退で抑え込んだ秋吉を8回のマウンドにも上げたのはどのような意図があったのかよく分からなかったのだが、その8回は雨が強くなる中で秋吉が先頭の井端に四球を与えてしまい嫌な雰囲気が漂った。それでも代わった久古が立岡をセカンドゴロに打ち取ると、ここでヤクルトベンチはオンドルセクをマウンドに送る。オンドルセクも雨が降り続く中でコントロールに苦しんでいたが、それでも代打アンダーソンを三振に仕留めるとスタートを切っていた立岡を中村が好送球で刺してみせた。このプレーは大きかった。正直8回の頭からオンドルセクを投入したほうが自然だったと思うのだが、あえて秋吉に続投させたということは何かしらの理由があったはずである。もしかすると雨と寒さにオンドルセクが弱いということなのだろうか?こればっかりは分からないのだが、ランナーがいる状態でもしっかりクイックが出来るところもオンドルセクの武器の1つである。だからこそこういった起用法が出来るのかもしれない。そして忘れてはいけないのが、捕手中村の好守である。2試合連続完封勝利をアシストしたのは間違いなく中村だし、8回の立岡の盗塁を刺した場面も今日のゲームのビッグプレーの1つだった。雨が降りボールが滑りやすい中で素早い送球を見せてくれた。強肩中村の本領発揮である。
そして9回はさらに雨が降り続けたため、マウンドコンディションは悪化していた。8回裏に登板した巨人の宮國が相当投げづらそうにしていたのだが、ヤクルト打線が追加点を奪うことが出来なかったため少し嫌な予感もしながら9回のバーネットの投球を見守っていたのだが、やはりかなり投げづらそうにしていた。先頭の坂本にヒットを許すと阿部には四球を与えてしまい0アウト1,2塁のピンチを招いてしまった。この時点ではかなり嫌な雰囲気を感じていたのだが、続く長野をショートゴロダブルプレーに仕留めたことで一気に楽になった。それにしてもここまで堅実に送りバントを選択してきた原監督がこの場面では強攻策に打って出たのはどういった理由があったのだろうか?8回の秋吉続投、9回の長野の強攻策は個人的には不可解な采配に映った。
最後はバーネットが代打高橋由を三振に仕留めて試合を締めくくってみせた。バーネットの粘りのピッチングも素晴らしかったのだが、長野をダブルプレーに取った時の中村の配球、大引、山田の守備も素晴らしかったと思う。決して難しい打球ではなかったのだが、大引、山田がノーミスで守らなければダブルプレーは取れなかった。雨が降る環境の中で地味ながら素晴らしい守備だったと思う。

打線は巨人先発の菅野の前に中々先制点を奪うことが出来なかった。4回には川端、山田の連打などで1アウト2,3塁のチャンスを作ったのだが、雄平がサードファールフライ、バレンティン敬遠の後今浪がセカンドゴロに打ち取られてしまい、チャンスを逃してしまう。しかし館山が好投を続ける中で6回に再び大チャンスが訪れる。先頭の川端がヒットで出塁しチャンスメイクするとワイルドピッチで2塁に進む。山田四球の後、畠山がヒットで続き、0アウト満塁のチャンスを作る。ここで4回のチャンスで凡退してしまった雄平に打順が回るのだが、その雄平はショートゴロダブルプレーに倒れてしまう。それでもその間に貴重な先制点を上げることに成功した。当然雄平は満足していないと思うのだが、最低限中の最低限の仕事はしてくれたと思う。雄平を誉める訳にはいかないが、貴重な1点だったことには違いない。
しかし0アウト満塁でダブルプレーでの1点だけでは、逆に巨人に流れを持っていかれてしまう可能性もあった。ここでバレンティンが死球で繋ぐと、今浪がしぶとくレフト前に落とすタイムリーヒットを放ち、本当に貴重な追加点を奪ってみせた。ここで追加点が入るか入らないかでは大きな違いがあっただけに今浪がよく喰らいついてくれた。今浪らしい渋いバッティングだったと思う。
8回裏の1アウト満塁で追加点を奪えなかったのは頂けなかったが、それでも勝てればOKである。明日もポレダに喰らいついて行ってもらいたい。
川端が絶好調なだけに打順のめぐりによってはチャンスは作れるはずである。期待したい。

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コメント

  1. 久保田 より:

    館山投手、素晴らしいですね!秋吉投手、久古投手、オンドルセク投手、バーネット投手も、今さらながらスゴイなぁ〜と思いました。点を取られない投手陣なら、負ける理由がありません。さぁ、今日で決めたいですね!一気に勝ってしまいたいです。

  2. 真中監督! より:

    最後ヒヤヒヤしましたが、勝ちました!
    このまま3連勝で決めほしいですね!
    短期決戦は何が起こるかわからないので。

    8回の秋吉継投の場面ですが、まず7回を三者凡退に抑えたことで秋吉に球数的な余裕が生まれたこと。
    その上で、左の立岡の場面にはどうしても久古を使いたかったのではないでしょうか?
    8回は1人一殺で、秋吉→久古→オンドルセクと繋ぎ、3人で終わらせることが理想であったと思います!
    それから、9回の長野強行の場面ですが、ヤクルト側としては結果的にものすごく助かりましたね!
    原監督としては、バントがそれほど上手くない長野で、かつ雨が降っていたので長野にバントさせれば悪い結果になる可能性が高いと見て、強行策に打って出たと思います。
    あの状況下では9回同点に追い付いても雨が強くなり、そのまま中断。引き分けのままコールドで首位のヤクルトの王手!
    というのが頭をよぎったのかもしれませんし、長野は結果は出ていませんでしたが、それまでの内容は悪くありませんでしたし。
    ただ、スポーツは結果論なので、読売ファンは原監督を容赦なく叩いていることでしょうね!笑

  3. k より:

    前日の小川といい、この日の館山も無失点とは投手力で巨人に勝てたのは以外でした。
    残りの巨人の先発投手を考えても神宮でヤクルトが3連敗するとは思えないので、ほぼ決まりでしょう。
    コントロールが安定すれば館山はそうは打たれませんね。日本シリーズでもソフトバンク相手でも館山なら抑えてくれそうですね(内川以外は対戦もほぼないでしょうから)
    秋吉の回跨ぎはおそらく今シリーズ初登板で首脳陣は少しでも長く投げさせたかったと思いますが、こういう欲はよくないので頭からオンドルセクで余計な事はしなくていいと思いますね(短期決戦はこういうところから綻びが出るので)
    次は杉浦ですが課題は5回あたりでスタミナが切れてくるので、そこをどう凌ぐかですね(出来れば3回までに先制点が欲しいです)ここのところ上田がスタメンですがポレダなら比屋根を起用してほしいですね(後半戦は彼がいい活躍して貢献しましたから)
    あと巨人は、これだけ打てないと来週のドラフトは野手を1位指名しそうですね。
    巨人とヤクルトと阪神?で高山をクジ引きで競合になりそうですけど同リーグ相手には取られたくないですね(今年だけは高山を是が非でも獲得したいですね)

  4. パイン より:

    最終ステージの立場上、当然のことですが攻めの巨人に守るヤクルト。

    初戦こそ上手く攻められましたが、あとはよく守ってますね。
    ミスもありますが、決定的なものはなく成長と落ちつきを感じます。
    守備は今年、最も成長した面ではないでしょうか。

  5. FIYS より:

    > 久保田さんへ

    リリーフ陣は本当によく頑張ってくれていますよね。日本シリーズも楽しみですね。

  6. FIYS より:

    > 真中監督!さんへ

    立岡は本当に嫌なバッターになりましたよね。立岡に久古をぶつけたいという意図で秋吉を続投させたというのは確かにその通りかもしれませんね。納得が行きました。

    原監督は近年では落合監督に並ぶ名将だと感じていますが、辞意を表明したようですね。

  7. FIYS より:

    > kさんへ

    1番比屋根起用が見事にポレダ攻略に繋がりましたね。

    日本シリーズも楽しみになりましたね。

  8. FIYS より:

    > パインさんへ

    これだけ攻めにかかってくる巨人に対して守り勝っての3連勝は個人的には驚きでした。守備面の成長は凄いですね。大引の加入、山田の守備力向上が大きかったですかね。

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