国際ボクシング連盟(IBF)と世界ボクシング機構(WBO)のダブル世界戦12回戦は29日、東京・有明コロシアムで行われ、IBFライトフライ級8位の八重樫東(32=大橋)が王者ハビエル・メンドサ(24=メキシコ)を3―0の判定で下し、亀田興毅、井岡一翔に続く日本人3人目となる3階級制覇を果たした。
(スポニチアネックス引用)
プロボクシング・ダブル世界戦(29日・東京有明コロシアム)WBO世界Sフライ級王者の井上尚弥(22)=大橋=は、同級1位のワルリト・パレナス(32)=フィリピン=と対戦し、2ラウンドTKO勝ちで初防衛に成功した。
(サンケイスポーツ引用)
八重樫は八重樫らしい激闘を制し、井上は井上で怪物っぷりを存分に見せつけてくれた。ボクシングファンが期待していた通りの世界戦になったのではないだろうか?
八重樫に関しては、ローマン・ゴンサレス、ペドロ・ゲバラと世界戦で連敗を喫して後がない中での試合ということ、また昨年末のゲバラ戦の内容が悪かったこともあり、かなり苦しい試合になるのでは?と予想していた。チャンピオンのメンドサもサウスポーから繰り出されるパンチに破壊力がある若き王者ということで、八重樫が持ち前のスピードを使って上手く捌かなければチャンスはないかな?と感じていた。
しかし八重樫は今日も打ち合いに応じた。初回からハンドスピードで上回り、クリーンヒットの数もメンドサを上回っていたのは確かなのだが、メンドサの強烈なパンチを浴びる場面もあり、「激闘王」の名にふさわしい打ち合いとなった。最終的には大差判定勝ちとなったが、一歩間違えればKO負けもあり得るようなスリリングな試合展開だった。
7回にパンチを浴び、後ろに下がらされる場面もあり、この時点でもまだメンドサの方に分があるかな?と感じていたのだが、その7回のピンチを凌ぐと終盤はスタミナと手数ではっきりと上回り、11回、12回にはKOチャンスも作ってみせた。厳しい状況でも折れない心で戦い続ける八重樫のボクシングは見ているものに訴えかけてくるものがある。パンチのあるチャンピオン相手にこういったボクシングをしてしっかり勝利を手繰り寄せるところに八重樫の凄みを感じる。
そしてこちらも1年ぶりの世界戦となった井上も1年のブランクを全く感じさせない圧勝劇で初防衛に成功した。昨年末のナルバエス戦でも感じたのだが、Sフライ級にしては破格のパンチ力を持っているボクサーである。ここ10年ほどは素晴らしい日本人ボクサーが数多く誕生した時代だと思うのだが、ここまで圧倒的な強さを見せつける井上はまさに「怪物」である。
初めて井上のボクシングを見たのは、日本タイトルマッチの時だったのだが、その時はスピードと多彩な左のブローに才能を感じていた(試合中に右拳を痛めてしまい、ほぼ左一本で快勝した試合だったのだが…)。しかしナルバエス戦からはその凶暴なまでの右のパンチで相手を圧倒するという姿を見せてくれている。おそらくこちらが本来の井上の姿なのかもしれない。スピード、テクニック、パンチ力と全てにおいて高いレベルで安定しており、今のところ負ける姿が想像できないボクサーである。今後どんな記録を残していくのか楽しみで仕方ない選手である。
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