いつの間にか石川のペース

ヤクルト７－１中日

昨日の小川での完投勝利の良い流れを石川がしっかり引き継いでくれた。リリーフ陣は今日もバタついてしまったが、打線の援護もあり、引き分けを挟んで3連勝となった。

前回の登板で巨人打線に打ち込まれた石川は、今日も初回から4回まで毎回ヒットを許すピッチングとなってしまったのだが、初回は0アウト2塁で荒木のファーストライナーに大島が飛び出しダブルプレー、2回は藤井をショートゴロダブルプレー、3回は山井を三振ゲッツーと３つのダブルプレーなどで無失点で切り抜けると、その後は打線の援護も受けていつの間にか石川ペースの中で中日打線を翻弄して見せた。
4回裏に3点の援護を貰ってからは、中日打線が完全に石川のペースに飲み込まれているように感じた。特に右バッターのインコースにカットボールやスライダーを投げ込み、アウトコースボール気味のゾーンにシンカーを投げ込んで打ち取っていく姿はベテランサウスポー石川の真骨頂と呼べるようなものだった。7回を被安打５（被本塁打１）与四死球１の1失点という内容で先発投手の役割を果たしてみせた。
7回のビシエドのホームランに関しては、投げミスではなかっただけにインパクトのあるホームランとなったのだが、5点差が付いた7回2アウトからのソロホームランということで打たれるのであればこういった場面で良かったと感じるホームランでもあった。

リリーフ陣に関しては、8回に久古がワンポイントで登板しながら高橋にヒットを浴びてランナーを許してしまうと、代わった杉浦もヒットと四球で0アウト満塁というピンチを背負ってしまう。かなり嫌な雰囲気となったのだが、杉浦が続く大島をライトライナーに打ち取ると代わったルーキは荒木をショートゴロ併殺打に打ち取り何とか無失点でピンチを切り抜けてみせた。大島の打球も荒木の打球も完璧に捉えられた打球だっただけに紙一重のプレーとなった。4点差でもこれだけバタついてしまうところに今のヤクルトリリーフ陣の苦しさが見て取れた。
それでも9回に登板したオンドルセクが昨シーズンと変わらない威力あるボールを投げ込んでいたため、9回についてはオンドルセクで固定していけそうなところはプラスポイントである。

打線は中日打線にお付き合いするように山井の前に3回までは毎回ヒットを放ちながら無得点の状態だったのだが、4回に畠山、雄平がヒットでチャンスメイクすると今日6番ショートでスタメン出場となった今浪が、右中間を深々と破る2点タイムリー3ベースで先制点を奪うと、続く上田もきっちり犠牲フライを放ち、この回一挙3得点を奪うことに成功した。
0アウト１，２塁打者今浪の場面に関しては、セオリーからすると送らせて1アウト２，３塁で上田、中村のバットに期待するところだと思うのだが、真中監督は今浪にそのまま打たせた。その期待に応えた今浪はもちろん素晴らしいのだが、それにしてもあの場面で強攻策に打って出たヤクルトベンチの采配にも拍手を送りたい。ベンチワークの冴えを感じさせる場面となった。
6回には代わった岡田から連続四球と今浪のヒットで0アウト満塁のチャンスを作ると上田が内野フライに倒れた後で、中村が2点タイムリー2ベースを放ってみせた。次の打者が投手の石川だっただけに中村に掛かるプレッシャーは大きかったと思うのだが、そんな状況で見事なバッティングを見せてくれた。この回追加点が奪えなければ試合の流れが中日にいってしまう可能性もあっただけにこの中村のタイムリー大きかった。
8回にも荒木のタイムリー3ベースと坂口のタイムリーで点差を広げ、最終的には７－１というスコアとなった。

今日は試合をテレビ観戦できたのだが、今浪の猛打賞、川端の猛打賞は素晴らしかった。今浪は少ないチャンスの中でしっかり結果を出し、川端はいとも簡単にヒットを打ち続けている。今日はこの2人の活躍が本当に大きかった。明日からはバレンティン復帰という報道もあるため、打線は一層強力になるかもしれない。苦手ネイラーにどう対峙するか注目してみたいと思う。

P．S　6回裏５－０とリードし、なおも1アウト２，３塁で打者石川の場面、石川は空振り三振に倒れ、3塁ランナーの今浪が飛び出して三本間に挟まれてアウトになった場面に少し注目してみたいと思う。２球目に石川が空振りしたときにも今浪が大きく飛び出してしまい、アウトになりかける場面があった。結果だけ見ると今浪のミスなのだが、ベンチも３塁走者の今浪も石川の打撃を信頼していることが伺えた。おそらくバットに当たった瞬間スタートを切るいわゆる「ギャンブルスタート」の指示が出ていたと思うのだが、その中で石川がゴロを打ってくれると信じきった中でのフライング気味のスタートだったのではないだろうか？
石川はミートが上手い選手であり、外野の頭を越すようなバッティングは出来ないが、ゴロを打ったり、内野の頭を越す打球を打ったり、ファールで粘ることが出来る打撃の上手い投手である。今日は完全にギャンブルスタートの指示が出ている中でゴロ狙いのスイングをしていたのだが、今後も０アウトもしくは１アウトでランナーが３塁にいる場面で石川に打順が回ってきた際には注目してみたいと思う。
どうしても１点が獲りたい場面であれば今日のようなギャンブルスタートを切らせて石川がゴロを打つというパターンの他にスクイズ、セーフティスクイズのパターン、もしくはそのまま石川に打たせて内野の間もしくは頭を超えるヒットを期待するパターンなどがあると思う。コリジョンルールで内野が以前にも増して前進守備になっている中で石川のバッティングは武器になるかもしれない。相手守備陣も守りづらさを感じるのではないだろうか？石川が自らのバットで自分自身を援護する場面が増える可能性も大いにあるように感じる。


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