今年も毎年恒例となっている夏の甲子園についての記事を書きたいと思う。昨年は清宮フィーバー、オコエフィーバー、東海大相模VS仙台育英の強豪校同士の決勝戦など話題の絶えない大会となった。ここ数年高校野球がバラエティ番組でも取り上げられるようになってきており、高校野球人気、甲子園人気が高まってきているように感じる。
今年も昨年に負けず劣らずの好選手、好チームが甲子園に駒を進めてきているため、非常に面白い大会になる予感がある。リオオリンピックと重なってしまうため報道といった面では昨年のように取り扱われることはないかもしれないが注目して損はない大会となりそうである。
それでは個人的な注目選手を挙げていきたい。
投手
寺島 成輝(履正社) 左投左打
高橋 昴也(花咲徳栄) 左投左打
藤平 尚真(横浜) 右投右打
鈴木 昭汰(常総学院) 左投左打
堀 瑞輝(広島新庄) 左投左打
早川 隆久(木更津総合) 左投左打
髙田 萌生(創志学園) 右投右打
アドゥワ 誠(松山聖陵) 右投右打
京山 将弥(近江) 右投右打
山口 裕次郎(履正社) 左投左打
野手
今井 順之助(中京) 右投左打 内野手
丸山 大(鶴岡東) 左投左打 外野手
峯村 貴希(木更津総合) 右投左打 内野手 2年
宮里 豊汰(常総学院) 右投右打 内野手 2年
増田 珠(横浜) 右投右打 外野手 2年
藤嶋 健人(東邦) 右投右打 投手、内野手
九鬼 隆平(秀岳館) 右投右打 捕手
安田 尚憲(履正社) 右投左打 内野手 2年
このブログを書き始めてからこれだけの選手の名前を挙げたのは初めてだと思う。それほどに魅力的な選手が多い大会ではないだろうか?
投手は世代№1サウスポー決定戦、野手はいわゆる清宮世代の出世争いがポイントとなるだろうか?それでは1人ずつ簡単にコメントを書いていきたい。(一応上から順に注目度の高い選手になっています。)
寺島(履正社)は入学直後から注目されていた完成度の高い本格派左腕である。ラストチャンスでようやく甲子園の舞台に立つこととなる。タイプとしては昨年の優勝投手小笠原(現中日)に近いと思うのだが、コントロールや変化球の精度など小笠原を上回っているようにも感じる。プロで即戦力になりうる投手だと感じる。
高橋(花咲徳栄)も寺島同様下級生時から注目されてきており、昨夏、今春と甲子園のマウンドを踏んでいる。昨年も質のいいストレートを投げ込み、全国の舞台で輝きを放っていたのだが、この春から夏に掛けて急成長を遂げていると言うことである。ストレートのMAXは150キロを超え、埼玉県大会で圧倒的な数字を残している。ここまで世代№1サウスポーは寺島という声が大きかったのだが、もしかするとこの高橋が寺島の評価を追い抜くかもしれない。注目である。
藤平(横浜)も寺島同様ようやく甲子園の舞台に駒を進めてきた。MAX150キロを超えるストレートに切れ味抜群の変化球を持っており、右腕ではプロ注目度№1の投手ではないだろうか?身体能力も高く将来性は抜群である。コントロールなどにまだ不安もあるようだが、それも伸びシロである。甲子園での投球に注目してみたい。
鈴木(常総学院)は、センバツ時にも名前を挙げたのだが、そのセンバツでは本来の投球が出来ず、鹿児島実業打線に掴まってしまった。それでも身体が出来上がってきており、力強さは増してきている。元々野球センス抜群の選手だけに夏の甲子園で春の借りを返せるかどうか注目してみたい。好きなタイプの投手である。
堀(広島新庄)は2年連続で名前を挙げてみた。一昔前に秋田県の明桜のエースだった二木投手を思わせる小型サウスポーである。二木よりもストレートに威力があり、空振りを奪えるボールとなっている。小柄な選手ではあるのだが、先輩の田口(現巨人)がプロでも輝きを放っているため、プロの注目度も高まってくるはずである。昨年よりも成長した姿を見せてほしい。
早川(木更津総合)は、コントロール抜群のサウスポーである。内外角を広く使った投球で自分のペースに持ち込む大人のピッチングは高校生レベルでは打ち崩すのが難しいと感じる。ストレートの球速も上がってきているということで非常に楽しみである。プロで即戦力というわけには行かないかもしれないが、大学や社会人といった上のカテゴリーでもすぐに戦力になるだけの物を持っていると感じる。
髙田(創志学園)も下級生時から注目されてきた投手である。センバツでもがっしりした下半身と鋭い腕の振りで好投して見せた。今夏は球速を154キロまで上げてきているということで楽しみである。髙田も決して体格には恵まれていないので即プロはどうかな?という気持ちもあるのだが、甲子園で一気に評価を上げることが出来るだろうか?
アドゥワ(松山聖陵)は190センチを超える長身右腕である。まだまだこれからの選手だと感じるのだが、長身の割りにバランスの良い選手であり、試合を作れるだけの物を持っている。身体が出来上がってくれば一気に開花しそうな雰囲気がある。やはりダルビッシュ登場以降バランスの良い大型投手が増えてきているように感じる。是非見てみたい投手である。
京山(近江)は、ここ数年好投手を輩出している近江の本格派右腕である。キレの良いストレートは140キロ中盤を記録し、カーブも面白いボールである。先輩の小熊(現中日)の背中を追う存在になるだろうか?
山口(履正社)は、寺島の陰に隠れているものの安定感のあるサウスポーである。どれくらい登板の機会があるか分からないのだが、見たことがないので是非見て見たいと感じている。サイズもありアドゥワ同様筋肉量が増えてくれば一気に開花する可能性があるのではないだろうか?
続いて野手である。
今井(中京)は注目の左のスラッガーである。走守に見所がないため、とにかくバッティングに注目である。セリーグ球団からは敬遠されそうな雰囲気もあるのだが、やはり長距離砲は希少価値がある。甲子園の大舞台でどのようなバッティングを見せるか注目してみたい。
丸山(鶴岡東)も今井同様左の長距離砲である。サイズもあり、しっかりスイングする事も出来る選手のためこちらも非常に楽しみな選手である。走守はどの程度のレベルにあるのか分からないのだが、注目しているNPB球団もあるのではないだろうか?荒削りでもキラリと光る物を持っている。
峯村(木更津総合)はセンバツで見て大型の割りにしなやかに動ける遊撃手ということで印象に残った。バッティングも柔らかさを持っており、将来性は抜群ではないだろうか?甲子園で更に名前を上げることが出来るだろうか?
宮里(常総学院)は、サイズはないが、強い打球を打てる選手である。左の清宮、右の宮里と呼ばれてもおかしくないだけの物を持っているのではないだろうか?是非長距離砲として育ってもらいたい。
増田(横浜)は、アスリートタイプの外野手である。サイズもあり、走攻守に見所のある個人的に好きなタイプの選手である。神奈川大会の決勝戦では2本のホームランも放っており、スター性も抜群である。将来像は陽(現日本ハム)のような選手だろうか?
藤嶋(東邦)はセンバツに続いて野手枠で名前を挙げさせてもらった。投手としての完成度も超高校級なのだが、将来性を考えれば長打力もあってバットコントロールも持ち合わせているバッティングの方が魅力的に感じる。以前も同じような事を書いたと思うのだが、村田(現巨人)のような将来像が描ける選手のように感じる。
九鬼(秀岳館)は、個性派揃いのチームをまとめる実戦派捕手である。センバツでは長打力のある打撃でもアピールする事に成功したのではないだろうか?捕手としては高校入学前からエリート街道を歩んできている選手である。こういった捕手は貴重な存在である。この甲子園でどれほどアピールできるだろうか?
安田(履正社)は、2年生の大型スラッガーである。やはり清宮と切磋琢磨していく選手であると感じる。まだ見たことがないので分からない部分もあるのだが、飛ばす力のある選手のようである。センバツでは同じ2年生の左打者岡田(龍谷大平安)が目に止まったのだが、今夏は安田に注目である。
今回は注目の選手を挙げてみたのだが、チームとしてもセンバツを制した智弁学園、早稲田実業を破るなどして西東京大会を制した八王子、近年甲子園で好成績を残している作新学院、甲子園での実績十分な明徳義塾、混戦の沖縄大会を制した嘉手納など注目したいチームがいくつも存在している。明日が組み合わせ抽選会なのだが、初戦から好カードが続出する可能性がある。楽しみな大会である。
そして今年もおそらくヤクルトのドラフトに掛かる選手がいるのではないかと感じる。今日挙げた選手はどの選手も魅力的に感じる。皆さんもヤクルトのドラフト目線で注目選手がいれば是非コメントいただければと思います。
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コメント
こんにちわ。いつもスワローズの記事を(負けても)楽しく拝見させて頂いております。
今回は高校野球の記事ということでお伺いしたいのですが、昨今メディアで盛んに取り上げられている部活動問題について主様はどうお考えになっておられますか?
野球をはじめとするスポーツの記事を盛んに発信されているお立場での見解を伺いたくなりました。ご不快に感じられましたら無視して頂きますようお願い申し上げます。
小川SDが春の選抜などで注目した選手としては、明徳の古賀(捕)と八戸光星の益田(内)が挙げられると思います。ヤクルトが高卒として特に必要なのは一三塁と外野ですから、益田と中京の2人(藤嶋と今井)には特に注目したいと思います。
今年は左投手がとんでもなく豊作ですね。ヤクルトは成瀬と村中を中継ぎにしなくてはいけないくらいに、全体的に左投手がまるきり足りません。児山、高橋、ジュリアスと若手は左の方が多いものの、今年のような年に駒を揃えることが、将来の為になると思いますので、良い素材を逃さないようにしたいと思います。
ここのところ高校生のレヴェルが上がってきていて、4年前の選手と比べるとその差は歴然としていますから、高卒をとっていかに育てるか、それができるチームでないとやっていけない時代となるのではないでしょうか。
ヤクルトのドラフト目線からになってしまいますがダントツで履正社の寺島ですかね。角度あるのに球が速いのはそれだけで武器ですね、山田の後輩なので指名して欲しいですね。藤平は予選で見ましたがスライダーはいいですけどコントロールが課題で今のヤクルトのコーチ陣では育てられないでしょう。
> まるふくさんへ
コメントありがとうございます。中々コメントしづらい話題ですね。個人的には中学、高校と野球部に在籍していたので、部活そのものを否定する気持ちは全くありません。いわゆる「ブラック部活」という問題についても立場によって様々な意見があるだろうな。と推測できます。
甲子園を目指すような野球の強豪校の中には世間一般から見ると「やり過ぎなのでは?」と感じるしきたりや文化、練習量があるかもしれないのですが、それが生徒を人として成長させるという側面もあるように感じます。
但し部活はあくまで学校生活の一部であって、人生においてはごくわずかな時間であるという考え方も忘れてはならないと思います。先日横浜隼人高校の野球部の特集が放送されており、水谷監督が「それぞれのポジションで自分の役割を果たしていくことが社会に出た時に役に立ってくる。」というようなことをおっしゃっていましたが、レギュラーをつかめなくてもベンチに入れなくても社会の一員としてやっていけるだけの基礎となる部分を部活動で身に付けることが出来れば理想的なのかな?と感じます。
甲子園は輝かしい場所であり、選手にもスポットライトが当たるのですが、部活動や学校に上手く馴染めなかった生徒も引け目を感じることのないようなフォローを考える事も重要になってきますかね?
すみません。私にはこの問題を上手くコメントできるだけの人生経験がありません。
> trefoglinefanさんへ
同感です。高卒選手の育成には力を入れて欲しいと思います。大学や社会人のチームよりも育成力のあるチームでなければ生き残っていけない時代が来るような気がします。ソフトバンクは2軍、3軍がしっかり機能しているため、育成入団となった選手にも拒否される可能性が低いように感じます。日本ハムもチームとして高卒選手を育てようとしている姿勢が伝わってきますよね。
ヤクルトも育成力のあるチームになってもらいたいと感じます。
> kさんへ
角度があって球が速いとなると高橋(花咲徳栄)も注目ですよ。ヤクルトのドラフト目線で甲子園を見るのも楽しいですよね。
日本中から注目される甲子園で輝き、その舞台を目指すためにとてつもない努力をして成長する高校生がいることを否定するつもりは私も全くありません。
ただ、それはあくまで当人が望んでいればの話です。
放課後夜7時までの猛練習(土日祝は朝から)に、「辞めたら推薦入試に響く」とか「野球推薦で入学したけれど、他にもっとやりたいことが見つかって、しかし退部したら退学となってしまう」といった子は犠牲者です。
そしてそれ以上に犠牲者なのが、野球なんて全くわからないし興味も無いのにそれに付き合わされている先生です。
土日も関係なく、朝から晩までグラウンドに縛り付けられ、授業準備や学級経営は全くできず、しかもそれが無給労働で100連勤以上の強制であったりします。もちろんその野球部顧問が疎かにせずをえなかった授業や学級の一般生徒らも犠牲者です。
主様は小さなお子様がいらっしゃって、それでブログ更新が滞るかもしれないということを前におっしゃっていましたね。その家庭環境で、野球部の顧問を両立できるかどうかご想像なさってみて下さい。「部活離婚」「部活孤児」これらは甲子園と野球部をとりまく裏のキーワードです。
長々と失礼いたしましたが、「甲子園は素晴らしいもの」として観戦を楽しむ一方で、少しでも「それによって人生を犠牲にされている人がいる」ということも頭の片隅にでも置いて頂ければと思います。
最後に、どうして引退した元プロ野球選手が高校生の指導をするのはダメで、野球なんか見たこともないただの数学教師が指導をするのはOKなんでしょうね。
> まるふくさんへ
まるふくさんの視点は絶対に必要な視点だと思います。私が高校球児だったのはもう15年も前の話ですが、野球部長に若い女性教師が押し付けられている?ケースがあったと記憶しています。まあどちらかと言うと美談的に扱われていたように感じますが…高校野球はスポットライトが当たりやすいですが、やはり学校生活の一部である事に変わりはありませんからね。