石川通算150勝達成！

ヤクルト５－２阪神

通算150勝に王手をかけてから足踏み状態が続いていた石川だが、今日は甲子園で見事なピッチングを披露してくれた。9回2アウトからピンチを招いてしまい、完投勝利こそ逃してしまったが、秋吉が後続を断ち、150勝を達成してみせた。決して大勝ちできるタイプの投手ではないのだが、15年間で150勝というのは「お見事」の一言である。しっかり先発ローテーションを守ってこれたからこその数字である。

今シーズンの石川は中々ビジターゲームで勝てなかったのだが、今日は石川らしい素晴らしいピッチングを披露してくれた。3回に北条にタイムリーを浴び、1点差に詰め寄られてしまったのだが、その後のピンチをしっかり凌ぐと、その後は内外角を広く使った石川らしい投球で阪神打線を翻弄してみせた。味方が追加点を奪った直後の6回には北条、高山、福留を三者連続三振に斬って取ってみせた。高山と福留はストレートでの三振ということで石川の投球術が冴え渡っていたことを感じることが出来た。右バッターに対しても左バッターに対してもインコースに食い込むボールとアウトコースに逃げて行くボールを投げ分けられるのが石川の武器である。今日はその武器を最大限に使って阪神打線を抑え込んでみせた。
石川はプロの世界では極端に小さい投手なのだが、それでもその身体のハンデを感じさせることなく15年間コンスタントに白星を重ねてみせた。ダルビッシュ有や田中将大、大谷翔平のような圧倒的な存在ではないのだが、石川は石川で野球少年に夢を与えられる投手だと思う。今日の投球内容は全く衰えを感じさせないものだった。当然のように200勝を目指してもらいたい。試合後との波は大きくなっているかもしれないが、良いときの投球内容はタイトルを獲得したシーズンと比べても遜色ないように感じる。

3点差の9回2アウトランナー1，2塁バッターゴメスというプレッシャーの掛かる場面での登板となった秋吉は、そのゴメスを三振で仕留めてゲームを締めくくってみせた。毎度苦しい場面での登板が続いているのが、これがクローザーの仕事である。僅差の試合を締めくくる仕事というのは試合ごとのプレッシャーも半端ないと思うのだが、秋吉は配置転換された後も自分の投球を続けることが出来ている。心身ともにタフな投手である。

打線は阪神のルーキー青柳に苦しんだのだが、効率的に得点し、常に優位に試合を進めて見せた。初回は先頭の坂口が四球で歩くと今日2番で起用された三輪は簡単には送らずエンドランを成功させ、チャンスを広げると山田の内野ゴロでまず1点、続くバレンティンの内野ゴロでもう1点追加してみせた。得点自体は綺麗な形ではなかったが、1，2番で掻き回して相手のミスも絡んだ中での2得点は相手にダメージが残る得点だったと思う。
昨日、今日とエンドランが上手く成功している。2番に三輪を起用した真中監督のオーダーと作戦面がピタリとハマッた。真中監督、三輪に拍手である。
逆に6回は先頭の坂口がヒットで出ると三輪がしっかり送ってチャンスメイクすると、山田が死球で歩いて1アウト1，2塁とチャンスを広げるとバレンティンが左中間スタンドに飛び込む3ランホームランを放ってみせた。バレンティンは時々打席内で高い集中力を発揮することがあるのだが、今日のこの打席が正にその打席だったように感じる。死球で戦線離脱していた山田が再び厳しいインコース攻めで死球をぶつけられてしまったことへの怒りのようなものも感じさせる一打となった。おそらく相手の青柳はバレンティンが苦手とするタイプの投手だと思うのだが、今日はフルカウントまで粘ってから甘めのボールをしっかり捉えてみせた。チームを盛り上げる一発になったのではないだろうか？

DeNAも勝利しているためCSラインとなる3位とのゲーム差は変わらないのだが、甲子園で阪神相手に連勝できたことでまだまだCS争いに生き残れる可能性が出てきた。とにかく勝ち越したかったため今日の勝利は非常に大きく感じる。明日は阪神に比べて気持ち的に優位に立てるのではないだろうか？現在のエースと呼んでもかまわないような投球を続けている山中で3タテを狙って欲しい。


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