次の選手について、本日10月1日(土)、戦力外通告いたしました。
田川賢吾投手、 寺田哲也投手、中元勇作投手、児山祐斗投手、木谷良平投手、新垣渚投手、田中雅彦選手、松井淳選手、川上竜平選手
(東京ヤクルトスワローズ公式サイト引用)
毎年のことなので仕方ないのだが、今年もこの記事を書く時期となってしまった。今年は9選手がヤクルトのユニフォームを脱ぐことになってしまった(育成契約があるかもしれませんが…)。妥当といえば妥当なメンバーなのかもしれないが、個人的には田川と児山に関してはもう1年チャンスを与えても良かったかな?という印象がある。1人ずつ簡単に触れていきたい。
田川 賢吾 投手
・2012年のドラフト3位で高知中央高校から入団した身体能力の高い選手である。投手経験が浅く、まだまだこれからの選手だったのだが、潜在能力の高さを買われ、ドラフト3位という高い順位での指名となった。しかしプロ入り後は怪我に苦しみ、まともな投球が出来ないまま、戦力外となってしまった。高卒選手が4年で戦力外通告を受けるというのは、チームにも責任があると思う。育てなければならない選手を育てられなかった責任があるはずだ。恵まれた体格に柔らかい身のこなしを持っていると言われた田川にはまだまだ野球にしがみついてもらいたい。
寺田 哲也 投手
・わずか2年間のNPBでのプレーとなってしまった。しかしルーキーイヤーが28歳という年齢だったことを考えるとこの2年で1軍で実績を残せなかったため、この戦力外通告は仕方のないことだろう。独立リーグで長年プレーした苦労人だっただけにその経験をNPBでも活かしてもらいたかったのだが、結果は付いてこなかった。
過去記事はこちらから→「野村ヤクルトっぽい勝ち方」
中元 勇作 投手
・プロ入り前年に故障してしまった影響があまりにも大きかったようだ。おそらく左打者対策や短いイニングを任せられれば。という意図で獲得した選手だと思うのだが、1軍で登板することは叶わなかった。怪我の状況は想像していた以上に深刻だったようだ。
過去記事はこちらから→「2014ヤクルトドラフト指名選手」
児山 祐斗 投手
・2015年シーズン前のキャンプ、オープン戦では真中監督をはじめとする首脳陣にも期待されており、1軍のオープン戦でも登板機会を貰っていたのだが、その後伸び悩んでしまったようだ。それにしても高卒3年目での戦力外通告はあまりにも早過ぎる。ただでさえ、高卒投手が育っていないのだが、2年目のシーズン前に期待されていた左腕が3年目のシーズン後に戦力外というのはよっぽどの理由があるはずである。田川同様育てなければならなかった投手だと感じる。
木谷 良平 投手
・13年、14年シーズンに先発で実績を残したのだが、14年シーズンの中盤から突然自分のピッチングを見失ってしまった印象である。14年シーズンの前半戦は先発として安定した投球を披露してくれていたのだが、突然そのピッチングが影を潜めてしまった。結果的に最後の輝きとなったゲームの記事を貼っておきたい→「打線が投手を育てる」
新垣 渚 投手
・山中とともに14年にソフトバンクから移籍して来た新垣も戦力外通告を受けてしまった。今回の戦力外選手の中で最も名のある選手である。プロ入りから4年目くらいまでは荒々しい投球スタイルながらもダイエー、ソフトバンクの先発陣を支える松坂世代を代表する投手の1人だったのだが、その後怪我もあってかそれまで以上にコントロールに苦しみ、「暴投王」として注目される投手となってしまった。ヤクルトに入団して以降はストレートのスピードを抑えながら、新たなピッチングスタイルを模索したが、しっかりとモノにすることは出来なかった。個人的にはリリーフで見てみたい気持ちもあるのだが、本人は先発に強いこだわりを持っているようだ。それも本人の生き方である。
過去記事はこちらから→「ヤクルト川島、日高⇔ソフトバンク新垣、山中」
田中 雅彦 捕手
・PL学園時代から好捕手として評価され、プロではその俊足を活かしてユーティリティープレーヤーとしても起用されていた選手である。ユーティリティープレーヤーではあるのだが、捕手としての視野の広さを持っており、本当によくまとまった捕手だと感じる。しかしプロで正捕手を奪うまでには至らなかった。今後はコーチ業などで力を発揮していくのだろうか?
過去記事はこちらから→「ヤクルト川本⇔ロッテ田中」
松井 淳 外野手
・左の長距離砲として期待され、2012年シーズンには5本のホームランを放つなど、レギュラー獲得に向けてアピールした期間もあったのだが、その後は怪我に苦しんでしまった。結局この2012年のシーズンが松井にとって唯一輝きを放ったシーズンとなってしまった。希少価値の高い左の長距離砲だっただけに残念である。
川上 竜平 外野手
・2011年のドラフト1位なのだが、5年間のプロ野球生活で1軍の舞台でプレーすることは叶わなかった。ドラフト1位で指名されたこと自体がサプライズだったため、もし戦力になればスカウトが大いに称えられたと思うのだが、結局5年間鳴かず飛ばずのままヤクルトのユニフォームを脱ぐこととなってしまった。ただただ残念である。
過去記事はこちらから→「2011ヤクルトドラフト指名選手」、「川上竜平選手遊撃手コンバート」
個人的には冒頭にも書いたように田川、児山のこのタイミングでの戦力外通告は痛いと感じる。昨年のドラフトで獲得した高橋、ジュリアスはまだ分からないのだが、ここ5,6年全くと言って良いほど高卒の投手が育ってこない状況にある。そして田川、児山の戦力外と言うことで、これでは「ヤクルトは高卒の投手を育てられませんよ。」と言っているのと同じである。そんな状況で即戦力投手かき集めドラフトを行った2014年ドラフト組の2人の投手もわずか2年で戦力外ということでこれは、「非常事態」だと感じる。このようなドラフトと育成失敗を繰り返していてはチーム力は上がってこない。チーム作りを根本から考え直さなければならないのではないだろうか?
今回ヤクルトスワローズを戦力外となってしまった選手には「お疲れ様でした。」の声をかけたい。
・追記
ヤクルトは18日、古野正人投手(30)に戦力外を通告したと発表した。6月15日のソフトバンク戦(神宮)で、打球処理の際に右肩を負傷。リハビリ期間が長引いていた。
今季はわずか6試合登板。0勝2敗の成績だった。小川SDは「肩を負傷している。来年1年間で治るか、どうかという状態」と説明した。育成選手としての再契約を検討している。
(日刊スポーツ引用)
この時期に古野が戦力外になるとは思ってもみなかった。上記の日刊スポーツの記事の通り、肩の状態が思わしくないのだろう。ストレート、変化球ともに制球は安定しており、まとまった好投手という印象があるのだが、決め手を欠いているためか数字が付いて来ない印象である。
先発でもリリーフでもこなせる便利屋的なポジションを担ってもらいたいのだが、怪我での長期離脱となっては、今回の解雇からの育成契約検討という事態も致し方ないと感じる。それでもこの年齢でも育成契約を検討しているということはフロントや首脳陣が古野に期待している部分があるということなのだと思う。古野自身がどういった選択をするのかまだ分からないのだが、個人的には来シーズンは育成契約でリハビリに集中し、2018シーズンでの復帰を目指してもらいたいと感じている。
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コメント
特に投手はどうするつもりなのでしょうか。育てられない、スカウトの見る目がない。それと川上の遊撃手の心配が現実になりました。廣岡は何とかこなしていますが、ヤクルトの遊撃手マニアは本当に何とかならないかと思います。廣岡は一三塁で育てるべきだと今でも思います。
今年も二軍は最下位。全く希望が見えません。だからこそ当面優勝は諦めて、チーム体質の改善に取り組んで欲しいと思うのです。広島もDeNAも、我慢に我慢を重ねて、今になってようやく昇り調子のチームを作り上げることがてきました。ヤクルトは先細りしか見えませんので、そのようななかで優勝争いするつもりで臨むと、益々チーム状況は悪化していくと思います。
昨年優勝できたのですから、それを手土産にチームもファンも、我慢すべき時ではないでしょうか。「育てられないから即戦力」ではなくて、敢えてチームを若返らせて、育てられる環境を強制的にでも作り上げる努力をしないと、いつまで経ってもチーム状態が向上しないと思います。
チーム構成を改めて見てみましたが、川上は山崎と並んで外野手最年少。田川と児山は昨年の高卒左腕2人に次いで若いことになります。このようなことをやっていて平気な人は、まさか居ないでしょうね。それと田川に関しては野手転向の道もあったと思うのですが、本人にその気がなかったのでしょうか。
田川と児山は育成でありかなと思いましたけどね。責任を取る形で成本・芹沢コーチは解任なんでしょうけど、ここ数年で投手をドラフトした選手を育て上げたのが一人もいないと言ってもいいですよね。
このチームは一体どこに向かっているんでしょうね???
次期コーチには元西武とヤクルトの小野寺氏の報道もありましたが人材もいないんでしょうね。
大量解雇しましたが他に目星はいるんですかね?他チームの戦力外では楽天の長谷部とか西武の中崎とかロッテの川満・木村・青松・大松などは獲得はありかなと思ってしまいますけどね。
それにしてもドラフト高卒の投手はヤクルトでは育ちませんね。
> trefoglinefanさんへ
ドラフトの失敗がチームの層を薄くしていますよね。川上、田川、児山の戦力外は痛いですよね。
ファンも我慢の時期が続くかもしれませんね。
> kさんへ
高卒投手の育成は本当に上手くいきませんね。ドラフトを中心に投手陣を整備して行かなければチームの強化は難しいですよね。
今年度の更新お疲れ様でした!!全試合分は感服です!!(私は猛反省せねば汗)
ドラフトから来年度と一緒に応援よろしくお願いします!!
さて戦力外の発表ですが結構若手も挙がっていて変革を感じますね
これに加えてデイビース、ペレスも契約更新しないでしょう
とにかく投手ですよね。2軍監督に高津が配置され2軍投手コーチも変わるようですね。実質的には高津2軍監督兼投手コーチということでしょうか
田川選手は育成で再契約との噂ですが確かにまだ即戦力には遠いか、、、。なんとか生き残った土肥投手は一皮むければ一軍レベルになれると思うので頑張ってほしいところ。どちらも来年が正念場でしょう
でも実は2軍のチーム防御率は悪くなかったのでそこまで悲観はしてないんですよね
> saboさんへ
これからも一緒に応援して行きましょう。
田川は育成でも残れるといいですね。
田中よりも役に立って居ない野手が居るような気がいたしますが、これは本人のことを考えてでしょうか。田中でしたら他にもっと条件良く使ってくれそうなところがあるかも知れません。山田が居なければ今もレギュラーで居られた選手だと思います。逆にトレードを模索できなかったのでしょうか。これで退団野手は5人。どう補充いたしましょう。
田中以上に一軍にほど遠い野手は、いったいどう扱うつもりなのでしょうか。二軍の頭数に置いておく必要があり、戦力外にできないのが現実なのでしょうけれど。
> trefoglinefanさんへ
こうなると森岡にはもう1年は頑張ってもらいたかった気持ちが出てきてしまいますね。
想像以上に怪我の状態が悪いってことでしょうね、ヤクルトフロントとしても想定外というか最後まで迷っての決断だからこの時期になったんでしょう
育成再契約にしろとにかく来年1年はほぼ投げられないと見ないといけません
ファームの投手は足りるのか心配ですね
夢と希望を抱き、周囲の期待も背負ってプロ入り。それなのに、わずか数年でクビ…。キビシイ世界ですから仕方のないことなのだとは思いますけれども…。育成契約も無理なら、せめてヤクルト球団かヤクルト本社で雇ってあげてほしいです。これからの人生のほうがはるかに長いのですから。
古野投手は、早くケガを治して平井投手のように復活してほしいです。
私が選手構成というものに目が向くようになったのは、2015年初頭に巨人から人的補償で奥村を獲得した時です。かなりのサプライズ選出でしたから、どうしてヤクルトが奥村を選んだのか分からなくて、初めて選手名簿というものを作ってみたのです。
・http://trefoglinefan.jugem.jp/?eid=1675
するとこれを見て大いに驚きました。私は「どうやったらここまで馬鹿げたチームができるのか」と酷評したのですが、この時のショックは本当に忘れられません。
これを2015年のドラフトで少しはマシになったのですが、田川、児山、川上の退団により今のリストもかなり酷いものになりました。
・http://trefoglinefan.jugem.jp/?eid=1825
投手と捕手と外野手は年齢がほぼ全員2つ上がっただけ、内野手だけが辛うじて希望の持てる状態と言えるでしょう。「無残」という言葉しか浮かばないです。
球団側はこうした現実をどう受け止めておられるのでしょうか。
> saboさんへ
そうでしょうね。本来であれば今年戦力外になる選手ではないですからね。
> 久保田さんへ
古野の戦力外は驚きました。それだけ肩の状態が良くないのでしょうね。
> trefoglinefanさんへ
チームバランスはかなり歪ですよね。今後のドラフトなどでチームのバランスを整えていってもらいたいですよね。