あの頃の小川の姿じゃないか!

ヤクルト2-1巨人

正直勝ちはしたが、巨人との実力差を感じるゲームとなった。しかし今日のゲームをものに出来たのは間違いなく「あの頃の小川」が帰ってきたからである。最下位に沈むチームで孤軍奮闘していた1年目、2年目の小川の姿である。
過去記事はこちらから→「弱小チームのエースの佇まい

今シーズンは開幕から好調を維持している小川が、今日も「らしい」投球を披露してくれた。初回、5回、7回とピンチはあったのだが、その場面をいずれも三振で切り抜けて見せた。ランナーを許しても、坂本、阿部、マギーという強力な中軸に対してもインコースを強気に攻める姿は、ルーキーイヤーの小川ー中村のバッテリーを思い出させてくれた。ストレート、カットボールは威力があり、巨人打線も相当嫌がっていたのではないだろうか?
そしてチーム状態が悪く、味方の援護が期待できない中でも本来の投球を披露できる精神力の強さも本来の小川の持ち味である。前回の広島戦同様、先制点を与えずに、スコアボードに「0」を並べてみせた。8回は投げきる事が出来ず、阿部にタイムリーを浴びてしまったが、初回から飛ばし、球数も100球を超えていただけにすでに限界だったのかもしれない。おそらくチーム状況が悪くなければ8回の頭から石山を投入したと思うのだが、チームの流れが悪い中で首脳陣も小川に頼らざるを得なかったのではないだろうか?結果的には続投させた事が裏目に出てしまったのかもしれないが、続投させたということは首脳陣が小川に対して強い信頼を持ち始めている証拠なのではないだろうか?今日の投球は「弱小チームのエース」の姿だった。素晴らしい投球だった。

そしてもう1人の「投のヒーロー」は石山だろう。緊迫したゲーム展開の中で雄平が先制2ランホームランを放ち、一揆の勝利が近付いたのも束の間、8回に小川が1点を失ってしまい、なおも1アウト1,3塁、バッターマギーの場面で登板する事となった。球場全体が嫌な空気になり掛けている中での登板であり、非常に厳しいシチュエーションでの登板だったのだが、気迫のこもったストレートで押しまくり、最後は外角低めのストレートで見逃し三振に斬って取って見せた。最後の1球は最高のストレートだった。ストレートに強い印象があるマギーが全く反応出来ない渾身のストレートだった。
今日のお立ち台は小川と雄平だったのだが、普段お立ち台には上がりづらいリリーフ投手だけに個人的には今日は石山にもお立ち台に上がってもらいたかった。それほどまでに価値のある投球だったと思う。

そして最後は秋吉がきっちり締めくくり、2-1で逃げ切ってみせた。ハラハラするゲームではあったが、どうしても勝たなければならないゲームだっただけに小川ー石山ー秋吉の見事な仕事っぷりが印象に残った。

打線は未だにきっかけをつかめない状況にある。今日は相手先発の田口が制球に苦しみ、6回までに8つの四死球をもらったのだが、チャンスでことごとく凡退してしまい、中々得点を上げることが出来なかった。2試合連続完封負け中であり、ましてや巨人相手には開幕から無得点が続いているという重苦しい空気の中でゲームが進んでしまい、正直ゲーム中盤までは勝てる要素が見付けづらい展開だった。それでも7回に代わった篠原からバレンティンが四球を選ぶと続く雄平が篠原の高目のストレートに力負けせず、強引に振り切ると打球はライトスタンド最前列に飛び込む先制2ランホームランとなった。しぶりに雄平の日本人離れしたパワーを活かしたホームランを見る事ができたような気がする。チャンスで1本が出ないチーム状況の時にはこういった一発は非常にありがたい。山田、バレンティンが不発ならこの雄平にやってもらうしかないのである。ナイスバッティングだった。

しかし忘れてはならないのは、巨人の余裕を持った継投である。篠原は確かに力強いストレートを投げ込むのだが、制球にバラつきがあり、おそらく本来であれば0-0の終盤の場面で投げさせる投手ではないと思う。それでもあえて7回篠原、8回中川と繋いだのは、他の投手を休ませたかったのとヤクルト相手であれば抑えられると踏んだからではないのだろうか?正直今日のゲームを落としていたら相当ダメージが大きかったと思う。明日の先発がルーキーの星という事を考えれば、神宮での3連敗も覚悟しなければならなかったのではないだろうか?しかし何とか今日のゲームを獲ることが出来た。この勝利を明日のゲームにも活かしてもらいたい。

それにしても山田の調子が上がらない。昨日の幻の3ランホームランは山田にとってはあまりにも不運だった。一旦ホームランと判定されてしまった事から山田の中でメンタル的にも必要以上に堪えてしまっているのではないだろうか?しかし山田は、バットで結果を残せなくてもチームに貢献出来る選手である。とにかく数字には拘らず、チームの勝利に貢献してもらいたい。
あまり賛同していただけないかもしれませんが、思い切って3番バレンティン、4番山田、5番雄平としてみたほうが、打線が繋がりやすくなりませんかね?今の状態であればこの並びの方がランナーを溜めやすくなったり、機動力を使いやすくすることが出来そうなのですが…

P.S 杉浦の抹消は怪我ですかね?本当に肩、肘の不安が大きい投手ですよね。先発転向への準備であれば良いのですが…結局グリーンも長期離脱のようですね…厳しいですね。

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コメント

  1. k より:

    この日は下で寺島が投げて抑えた方がニュースでしたかね(順調なら交流戦の最後か明けくらいてデビューですかね)
    試合は小川と雄平の個人の活躍でしたのでチームとしては全く機能してない試合でしたね(内容はなく巨人が優しかったから勝てただけの他力本願ですね)
    四死球10の安打7で二点しか取れないのはベンチが何もしてない証拠ですね(特に雄平のホームランの後に鵜久森ヒットで上田を代走に出したのにエンドランしない盗塁もしないは結果は併殺とは呆れます、ここの監督は追加点を取ればゲームが決まるのに何もしないとは冷静さを失ってますね)
    山田は相変わらず体の開きが早く状態が前に突っ込んで速い真っ直ぐに差し込まれて変化球にはついてこれないパターンですね、今の山田なら変化球とかの半速球だけを待ってストレートはファウルで逃げる対応でいいと思いますがね(何でも打とうとしてますよね)。
    杉浦の抹消はケガでしょうね、こちらのブログでも新人の頃から指摘されてきましたがフィジカルとスタミナは改善されてないようですね(彼もガケっぷちな立場なんですけどね)
    それと下でオーレンドルフが打たれてましたがメンタル弱すぎなのかもしれませんね、これでは日本でもやっていけませんね。
    明日は新人の星ですが初物に弱い巨人なので期待してますが、状態がよくない相手の内海を打てないと最下位独走が見えてきますね(打順と采配次第だと思います)

  2. sabo より:

    ライアン小川が帰ってきましたね!中村のリードも良かった!
    貧打がバッテリーを育てたな、と感じます
    最少失点ではなくゼロに抑える。そういう戦い方をしてくれました
    本当にカッコいい!!痺れる投球でした!!
    ただ言わせてもらえば阿部も抑えろと言いたい!イレギュラーの後でも121球投げてようと気迫でも運でも何でもいいからゼロに抑える、そこまで要求していいレベルの投手になってると思います。改めてライバルは「菅野」です!

    石山は今日で完全に信頼を得ましたね!試合を託せられるセットアッパーと確信できました!彼も接戦が続く中で成長しているのではないでしょうか
    後は怪我しないでくれって気持ちです笑

    雄平は真中監督直々の打撃指導に答えましたね!今年はフルスイングがミートせず追い込まれての巧打になってばかりでしたが、諦めずに追い込まれるまでフルスイングした甲斐があったと思います。今年は追い込まれる前に走り打ちに切り替えてしまったり、待球一辺倒になったりと苦しい中でチームに貢献しようとしてましたが、あくまでフルスイングさせた真中監督は素晴らしい指導者です

    それにしても今年の巨人は主軸がしっかりしてて投手のバランスも良く強いですね
    しかし長野の態度だけはいけません。いくら球審の判定に納得がいかなくてもあんなに何度も首を傾げてばかりでは審判の心象を悪くするだけですよ。せめて見逃し三振の時だけに抑えないと自分に不利になるだけです
    古田が語ったレジェンド落合の態度を参考にすべきです。落合は際どい球をストライク取られると審判に「良く見えてるな」と褒めたそうです。審判も人間ですからそうやって信頼関係を築いていくと落合さんほどの打者が見逃すのだからボールと判定するようになるそうです。野球は審判を含めた三つ巴の心理戦です

  3. 久保田 より:

    5対1ぐらいで勝っていてほしい試合でした。
    初回、バレンティン選手が犠牲フライも打てないようでは、やはり4番はまだ無理だと感じました。
    あと、ノッテル選手は、投手の左右に関わらず外さないほうがいいでしょう。武内選手がスタメンにいなかったのは、良い采配とは思えないです。
    小川投手、石山投手、秋吉投手には、拍手しかありません!

    今日は、星投手。5回2失点以内なら合格でしょう。ある意味、今の燕には最後の先発候補とも言えますから、内海に投げ勝ってほしいです。そして、なんとか打線が繋がり星投手を勝たせてほしいです。

    ※山田選手の4番はアリだと思います。今は、敢えて4番か、あるいは8番かだと思います。
    なお、中田も筒香もバレンティン選手も良くないですね。WBCは、開催の時期が悪すぎるのかもしれないです…。

  4. トムモリー より:

    昨日は現地観戦して来ました(^^)

    小雨が降り強風の寒い中、試合展開もどんよりしていましたが、ライトスタンドは常に熱い応援を送っていました!

    そんな声援に応えたかの様な雄平選手のホームランは、本当に胸がスカッとする様な気持ちで観ていました。

    何より小川の好投が報われ、勝つことが出来て嬉しかったです。

    今日も勝てる様、しっかり応援して来ますm(_ _)m

  5. FIYS より:

    > kさんへ

    確かにチームとしては、機能しているとは言い難い状況ですね。投手がどこまで好調を維持できますかね?

  6. FIYS より:

    > saboさんへ

    私は今年の巨人はそこまで怖さは感じないのですが、やはり投手では菅野、野手では坂本、阿部と主力がしっかりしているのは大きいですよね。

    小川はやはり菅野と肩を並べられるような投球を期待したいですよね。

  7. FIYS より:

    > 久保田さんへ

    小川、石山、秋吉に拍手ですね。

    山田の不振はWBCのものというより昨シーズンの死球の影響が大きいのではないでしょうか?坂本などはしっかり結果を残していますからね。

  8. FIYS より:

    > トムモリーさんへ

    テレビで見る限り神宮の雰囲気はとても良いように感じました。

    トムモリーさん観戦試合は2連勝ですね。

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