村田諒太の世界戦は惜敗

5・20東京・有明コロシアム「ボクシングフェス2017 DAY1」
▼WBA世界ミドル級王座決定戦 12回戦
暫定王者・アッサン・エンダム(フランス) 2-1 同級2位・村田諒太(帝拳) 
※116-111、110-117、115-112

1週間以上間が空いてしまったのだが、注目していた村田の世界戦だったため簡単に記しておきたい。
過去記事はこちらから→「ロンドンオリンピックの楽しみ方」、「ロンドンオリンピック(3)」、「村田諒太はどうなるのか?

ロンドンオリンピックのミドル級で金メダルを獲得した規格外の日本人ボクサー村田諒太は、プロ転向後も「チーム村田」で世界チャンピオンになるために準備を続けてきた。そして13戦目にして世界戦の舞台に上がるチャンスを得た。ミドル級で世界戦のチャンスを得られるだけでも凄い事なのだが、その辺りは流石にオリンピックチャンピオンである。12戦全勝でほぼほぼ順調にこの舞台まで駆け上がってきた。

そして5月20日のエンダムとのWBAミドル級王座決定戦。竹原慎二氏以来の日本人ミドル級チャンピオンが誕生する可能性があるとのことで注目度の高い一戦となった。
この試合の個人的な印象としては、やはり村田は世界トップレベルの選手だと感じた。エンダムは足を使ったアウトボクシングが得意なボクサーなのだが、そのエンダム相手に1回~12回までプレッシャーを与え続けて得意とする右の強烈なパンチもたびたびヒットさせてみせた。そして4回には右ストレートでダウンも奪ってみせた。世界上位の力を持つエンダム相手にこういったボクシングが出来るということは、やはり村田がそれだけの実力を兼ね備えたボクサーだと言うことだ。ガードを固めて相手にプレッシャーを掛け、相手を追い詰めた中で得意のパンチを放つスタイルは非常にシンプルだが、強いボクサーにしか出来ないスタイルだと感じる。
しかし試合結果は、上記の通り判定負けとなってしまった。素晴らしいボクシングを披露したが、後一歩及ばなかった。正直この判定に関しては、世間が騒いでいるほどの「疑惑の判定」だとは思っていない。ボクシングというスポーツの性質上、世界戦であっても判定で揉めることは日常茶飯事である。私が子どもの頃は、世界戦のテレビ中継で解説者がラウンドごとのポイントを付ける事が多かったように記憶しているのだが、ほぼほぼ日本人ボクサーに優位なポイントを付けていた記憶がある。こういった土壌がボクシング界にあるのではないだろうか?そしてラウンドごとにどちらかにポイントを振り分ける方式「ラウンドマストシステム」が採用されているため、観ている者の印象と試合結果にギャップが出てしまう事もよくあることである。おそらくそんなことはボクシングファンなら誰でも分かっている事だと思うため、今回の騒動自体に疑問を感じている人も多いのではないだろうか?私もそんな人間である。
正直WBAのメンドサ会長が「私の採点は117-110で村田だった。再戦だ。」という主旨のコメントを残した事の方が問題だと思う。WBAという組織は一体どうなってしまっているのだろう?どうやらこのままエンダムと村田のダイレクトリマッチとなりそうな雰囲気になってきたのだが、こんな前例を作ってしまって良いのだろうか?これからメンドサ会長がおかしいと感じる判定があれば、その都度口を挟んでくるのだろうか?ボクシング観戦は大好きなのだが、こういったボクシング界の裏の部分、闇の部分はどうにも好きになれない。不信感が強まってしまう。

村田に関しては、今回の騒動について冷静なコメントを残しており、非常に好感が持てる。村田自身も倒せなかったことを反省している部分もあるのではないだろうか?それでも村田がミドル級の世界で世界上位の力を持っていることは証明してくれた。このまま現役を続行するのであれば是非世界チャンピオンの座を奪ってもらいたい。

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