男子100メートル決勝(追い風0・6メートル)で、サニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=が自己新となる大会タイ記録の10秒05で優勝し、17年ロンドン世界陸上代表に内定した。
(スポーツ報知引用)
昨年のリオオリンピックを掛けた雨の100mも激戦となったのだが、今年の100mも激戦となった。過去記事にも書いてあるのだが、未だに日本人が足を踏み入れることが出来ていない9秒台を期待されているランナーが複数人現れており、更に昨年のリオオリンピックでの4×100mリレーで銀メダルを獲得し、日本短距離界が確実にレベルアップして来ている事が証明された中で今年のレースを迎えたのだが、ケンブリッジ、桐生、山縣という銀メダルメンバーの他に昨年は怪我で苦しんだ怪物サニブラウン、21歳の新鋭多田も世界選手権の標準記録を突破した中でのレースとなった。
予選、準決勝では18歳のサニブラウンが自己記録を更新し、好調さを伺わせていたのだが、私個人としては、昨年のオリンピックで実績を積んだケンブリッジが本命かな?と感じながらレースを観戦していた。今年も昨年に続いて雨のレースと言うことでタイムへの期待は萎んでいたのだが、それでも「勝負」という意味でも非常に面白いレースとなった。
スタートの良い多田と山縣がスタートでどの程度飛び出せるか?サニブラウン、ケンブリッジは大きく遅れる事なく立ち上がることが出来るか?桐生は総合力で勝負が出来るか?という部分に注目していたのだが、スタートで多田、山縣はそこまで飛び出す事が出来なかった。というよりもサニブラウンが理想的なスタートを切って、30m~40m付近で多田を捉え先頭に立つとそのまま後続を引き離し、10秒05という好タイムで優勝してみせた。
もちろんサニブラウンは素晴らしい才能を持っているランナーだと思っていたが、どちらかというと200mが得意なランナーという印象があり、100mではオリンピックメンバーにはまだ敵わないのかな?と思っていたのだが、この日本選手権でそれらのランナーを凌ぐ走りを披露してくれた。正直まだどこかギクシャクした力任せのフォームにも見えるのだが、ストライドが大きく前半のビハインドを最小限に抑える事が出来れば今日のような豪華メンバーでも負けることはないのではないか?と思わせるほどの強い勝ち方だった。潜在能力という意味では今日の決勝メンバーの中でも№1であることは疑いようがないのかもしれない。驚愕のレースだった。
今日のレースを見て、9秒台に最も近いのはサニブラウンになったのかな?と感じたのだが、こればっかりはタイミングの問題もあるため、誰が記録するかは分からない状況である。
2位になった多田もスタートから30m辺りまでのスピードは世界トップレベルだと感じるし、21歳という若さも伸びシロを感じさせる。
3位のケンブリッジも中盤以降の伸びは日本人選手の中ではトップレベルである。
4位の桐生は10秒0台のタイムを複数回記録しており、「自分の走りが出来れば」という条件は付くのだが、素晴らしい才能の持ち主である。
6位の山縣は復帰戦という事で万全ではなかったのだが、狙ったレースへの調整力はかなりのものがあるし、大きな舞台でも自分の走りが出来るメンタルの強さがある。
ここに200mを中心にレースに参戦しているリオオリンピックの銀メダルメンバー飯塚が絡んでくる可能性もある。
上記6人の内の誰かが9秒台を近い将来達成するはずである。昨年のリオオリンピック直後には、このブログでケンブリッジが最も9秒台に近いのでは?と書いたのだが、今日の段階ではやはりサニブラウンという事になるのだろうか?私の予想も日々変わってしまうのだが、世界選手権の100m代表から漏れた桐生辺りがポッと9秒台を出すような予感もある。皆さんは誰が最初に9秒台の世界に足を踏み入れると思いますか?
過去記事はこちらから→「陸上男子短距離が面白い」、「リオデジャネイロオリンピック」
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