ミスも重なり金星逃す。

ヤクルト１－４巨人

先発投手番付のようなものがあったとするならば、巨人先発の菅野は文句なしの横綱である。そしてヤクルト先発岩橋はおそらく幕内に上がれるかどうかの選手である。対戦前から不利が予想されたのだが、岩橋の好投により好勝負となった。しかしそれを台無しにしてしまったのは、守備のミスだった。金星のチャンスもあっただけに非常に残念な負け方である。

星のアクシデントにより、プロ入り初先発となった岩橋は、相手先発が菅野でも臆する事なく巨人打線に自分のボールを投げ込んでいった。気持ちも入っていたと思うのだが、入れ込み過ぎることもなく、低目を丁寧に付く岩橋らしい本来の投球を披露してくれた。ストレートにカットボール、スライダー、チェンジアップ、シュートと豊富な球種を巧みに操って見せた。巨人打線は阿部以外右打者を揃えてきたのだが、その右打者の内角を上手く使う事によって攻め手を広げる事に成功したのではないだろうか？巨人打線に的を絞らせず、4回まで1安打投球を披露してくれた。
しかし5回に奥村と山田のエラーでピンチを招くと現在セリーグ首位打者のマギーに先制2点タイムリー2ベースを浴びてしまった。好投していただけに奥村と山田のエラーが悔やまれるし、レフトバレンティンの緩慢な守備も残念だった。
奥村に関しては、多少のミスには目を瞑りたいと思っているのだが、今日のエラーに関しては、イージーなゴロだったためプロであれば難なく捌かなければならない打球だった。こういうプレーをきっちりこなせてこそ、プロの世界で輝けるタイプの選手だけにしっかり反省してもらいたい。山田に関しては、あの場面でのエラーはしてはいけないプレーである。しっかり捕球して5回の守備を終えなければならなかった。非常に痛いプレーだった。
そしてバレンティンに関しては、カットへ山なりの返球をしてしまい、1塁ランナーだった陽の生還を許してしまった。バレンティンにはよくあるプレーではあるのだが、まだまだ若手の投手が必死に頑張っていただけにあの場面でのあのプレーは「あり得ない」プレーである。首脳陣が激しく注意しなければならないほどのプレーだったと思う。
結局岩橋は、6回を被安打２与四死球３の2失点（自責点０）で負け投手となってしまった。あれだけ徹底して低めにボールを集める事が出来たのは収穫ではないだろうか？昨日のギルメットに関しては、個人的には「あくまでもリリーフタイプなのではないか？」と書かせてもらったが、逆にこの岩橋は元来先発である程度試合を作るタイプの投手のように感じる。今日は三振も7つ奪ったようにももしかすると出来過ぎくらいのないようだったかもしれないので、次回以降の登板で本来の実力を確認していきたいと思う。これだけの投球を披露したのだからもう1回先発でチャンスを与えてもらいたい。

打線については特に書く事がない。今日も菅野の前に圧倒されてしまった印象である。2回、8回、9回と1試合の中で3回のチャンスはあったのだが、結局9回に坂口のダブルプレーの間に1点を奪う事しか出来なかった。これで菅野は今シーズンのヤクルト戦33回を投げて自責点１、防御率は０．２７ということである。菅野は素晴らしい投手だと感じるが、これほどまでに余裕を持たれながら抑え込まれてしまう姿を見てしまうとファンとしても心が折れてしまう。いくらなんでもやられ過ぎである。しかし今のヤクルトには正攻法でぶつかる選択肢しかないため、菅野に取ってヤクルトはとても戦い易いチームなのではないだろうか？

惜しいゲームではあったのだが、5回の守備はプロとして恥ずかしいプレーだったのではないだろうか？


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