いつか通らなければならなかったゲーム。個人的には引き分けでも御の字だったが…

ヤクルト4-5x広島(延長12回)

今年のヤクルトはこういったゲームをいくつ拾えるか?というのが1つのポイントになってくると思う。私の言う「こういったゲーム」というのは、序盤でリードを奪ったゲームの事である。ここまでリリーフ陣は予想以上に頑張ってくれていると感じているのだが、他球団に比べて不安が大きい状況にあることに変わりはない。そうなると中盤から終盤にかけて逆転して勝利するパターンは中々考えづらい。今年のヤクルトの一番の勝ちパターンは先行逃げ切りのはずである。今日のゲームは5回終了地点で4-0とリードを奪い、先発ピッチャーはエースのブキャナンということで、理想的な展開に持ち込んでいた。しかし6回にエラーも絡む中で3点を返されると、その後近藤、石山と広島打線を抑えたものの9回2アウトからカラシティーが田中、菊池の2人に崩されて同点に追いつかれてしまった。9回表のチャンスを活かせなかった時点で嫌なものを感じていたヤクルトファンは多かったのではないだろうか?カラシティーはオープン戦から安定感に欠け、シーズンに入ってからもセーブシチュエーションでの失敗はないものの常にランナーを許す苦しいピッチングが続いていた。近い将来こういったゲームが訪れることは想定していた。それが今日だったということだろう。それでも何とか延長戦に持ち込み、劣勢の中粘って見せたのだが、最後の最後で風張が力尽きてしまった。個人的には追いつかれてもマツダでの広島相手にこの展開での引き分けであれば「御の字」かな?と思っていたのだが、それすら許してくれない広島はやはり「勝てるチーム」である。

先発のブキャナンは中5日ながらよく投げてくれた。開幕から好調を維持しているのだが、今日も見事な投球だったと思う。5回までは広島打線相手に隙のない投球を見せてくれた。しかしそれでも簡単に終わらせてくれないのが広島打線である。6回に先頭の田中にヒットを許すとエラーも絡んであっという間に3点を返されてしまう。それでも広島の波に飲み込まれずに3点で抑えきったブキャナンを責める気にはなれない。私は「ナイスピッチング」と声を掛けたいと思う。ただこの3点で一気に苦しい展開になったことを感じたのも確かである。
それでも近藤、石山が見事なピッチングで7回、8回を0に抑え、9回もカラシティーが2アウトランナーなしというところまでこぎつけたのだが、田中にヒット、盗塁を許すと菊池に同点タイムリー3ベースを浴びてしまった。冒頭に書いた通りこれまでのカラシティーの不安定な投球を見ているといつかこういったゲームが訪れることは想定していたのだが、2アウトランナーなしというところから追いつかれてしまったのはファンとしてはダメージが大きかった。それにしても田中、菊池の1,2番コンビは「見事」と言うしかない素晴らしいコンビである。2アウトランナーなしの初球からしっかりスイングを掛けヒットを放ち、その後盗塁まで決めた田中もその後のチャンスでしっかりタイムリーを放った菊池も相手チームからすると数字以上に嫌らしく感じる選手である。何とかもう1つアウトを取ってゲームを締めくくって欲しかったのだが、本当に簡単には終わらせてくれないのが今の広島である。
しかしカラシティーは徐々に球速も上がり始めているように感じるし、ランナーを許した後の投球を少し改善出来れば私が思っていたよりは使える投手になるかもしれない。クローザーとしては不安な部分もあるため、石山との配置転換はどこかで考えても良いのかな?と思うのだが、今日は悪い出来ではなかったと思う。
12回の風張に関しても2アウトランナーなしからのサヨナラ負けとなってしまったためやはりファンとしては堪えるものがあるのだが、これが今のヤクルトと広島の実力差なのだと思う。

打線に関しては、広島先発の岡田を上手く攻略してくれたと思う。しかし岡田降板以降は無得点に抑え込まれてしまった。それでも9回~3つの送りバントを決めるなどチャンスを作るという部分では上手く攻める事が出来ていたと思う。チャンスで打席に入った打者が仕事をすることは出来なかったのだが、こういうアプローチを続けていく事が大事だと思う。そして山田、バレンティン、青木、雄平らのバットに期待していくしかないだろう。
気になるのは川端の状態である。「らしくないプレーが」が続き、打席でも精彩を欠いている。本来であればスタメンに名前を連ねて欲しいのだが…おそらく腰の状態がそこまで良くないのではないだろうか?そして頭部死球の影響も心配である。

広島との3連戦では力の差を見せ付けられてしまった。そして土曜、日曜はDeNAとの2連戦である。好調DeNA相手に1つでも勝ち星を上げ、連敗を止める事が出来るだろうか?何とか連敗を止めてもらいたい。

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コメント

  1. JEF九郎 より:

    結果として、広島さんとの実力の差、今の我々の現在地を思い知らされた3日間だったような気がします。とはいえ、昨年とは異なり、まだ肩を並べて勝負を挑める程ではないにせよ、爪痕位は残せるぐらいに、たった半年でチーム力は上がったことを感じた3日間でもあったと思います。

    結果はあまり気にせず、純粋に出来なかった事を持ち帰り、明日からまた一歩づつ改善へ向けて歩んで欲しいです。進もうとしている方向性は間違って無いと思います。暫くは一進二退の歩みかもしれませんが、集中を切らさず歩み続ければ、結果も昨年以上のものは確実に達成できるような気がしますし、その先にはもっとより良い未来が拓けてくる気がします。

    明日、神宮へ今季初めて足を運んで来ます。敵はまたまた難敵の横浜ですが、私も精一杯応燕に努めたいと思います。

    ※ 明日は川端ユニ持っていきますが、正直今の彼には一軍のベンチにいるよりは、戸田で試合の中で2〜3打席立ち続け、調整に励んだ方が良いように感じます。

  2. JEF九郎 より:

    一進二退。
    後退してますね。
    ふわっと造語を入れましたが誤りです。
    失礼しました。

  3. k より:

    勝てる試合でしたね、個人的には采配ミスですかね(広岡の送球エラーなければブキャナンも崩れることなくそのまま勝てたと思いますが)。
    一つは調子のいい西浦を外したこと、二つ目は打率がチームトップの坂口にバントさせ失敗し途中で交代させたこと、三つ目は無死から山田が出て盗塁させなかったこと、四つ目は12回の下水流を歩かせて打撃の悪い野間との選択はなかったのか?(左の中尾にスイッチもあり)
    今年は執念というスローガンなら引分を取りに行く執念も必要だと思うのですがビジターでは相変わらず弱気の采配と勝負どころでの勘や踏ん張れない部分が出てますね。現場から3年離れてる小川監督と二連覇してる監督の勝負勘の差が出たと思ってます(宮本ヘッドもコーチ初年度なので経験のなさが出ましたかね)
    最初のポイントと思ったビジター9試合を2勝7敗は負けすぎですね、全てを大きく変えないと苦手意識はすぐには払拭できませんね。負けてる試合はバレンティン・青木に打点がないんですよね、彼らがポイントゲッターにならないと大量得点は難しいですので打順の組み替えは必要だと思いますね。
    最後に川端は二軍でフル出場できて引っ張れるようになってからですね(奥村で充分やれるので落とすべき)。

  4. sabo より:

    攻守どちらもあと一歩及ばず、というゲームですね
    若いチーム(?)なのでこれから勝てるように成長すれば良いですけど・・・チームとしての目下課題はとにかく先発の数ですね。この試合もブキャナンだから形になったという感じです
    29日に小川の復帰登板になりそうですが、抑えられればもちろん良いですが多少打たれてもそのまま中6日で投げながら感覚を取り戻してもらうことになりそうなくらい人材難

    ところでWebSportivaの土橋のインタビューでイップスについて語っていたのは面白かったです。リストが強すぎて送球難になるなんて

  5. FIYS より:

    > JEF九郎さんへ

    私も進もうとしている方向自体は間違っていないと思っています。

    神宮球場の雰囲気は良さそうでしたね。でも負けてしまったのは残念ですよね。

  6. FIYS より:

    > > kさんへ
    >
    > 12回の場面下水流を歩かせて野間勝負というのは考え方としては「あり」ですよね。
    >
    > ビジターは開幕2連勝、甲子園での2連勝以外は勝てていないのですね…

  7. FIYS より:

    > saboさんへ

    小川は2軍でもまだ結果を残しきれていないので、本来であればもう少し時間を掛けたいのではないでしょうか?(チーム事情がそれを許しませんかね…)

    土橋の記事読みました。プロに入るような選手でも送球難の原因を突き止めるのに時間が掛かるものなのですね。

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