弱小チームのエースの佇まい PART2

ヤクルト8-0広島

以前、当時の小川に対して「弱小チームのエースの佇まい」という記事を書いていたのだが、その言葉をそのまま用いたいのが今シーズンのブキャナンである。小川のような闘志を内に秘めるタイプではなく、時には感情を表出させてチームを鼓舞するタイプのエースなのだが、戦力不足のチームにあって、今シーズンはコンスタントにエースらしい投球を披露してくれている。今日の完封劇も見事だった。

今日の先発はブキャナンージョンソンということで投手戦が予想されていた。しかしチーム力ということを考えるとやや広島に分があるのかな?という感じもあったのではないだろうか?しかしヤクルトは今日のブキャナンで落としてしまうと3タテされてしまう可能性も高まってしまうため、何としても勝ちたいゲームだった。
そういうゲームで結果を残してくれるのがエースである。初回は抜群の立ち上がりを見せ、2回から4回までは先頭打者にヒットを許してしまったもののダブルプレーで凌ぐなど、普段のゴロボールピッチャーらしい投球を披露してくれた。その後も広島打線に連打を許さず、9回で113球を投げ、被安打5無四球の完封勝利を収めてみせた。今日も自らタイムリーを放ち、投げても打ってもチームに貢献してみせた。投手陣が崩壊状態であり、リリーフ陣の酷使も気になっている中での完封劇はやはりありがたい。首位広島相手に一泡吹かせることが出来たのが、ヤクルトファンとしては爽快である。先程も書いた通り、今日落としてしまうとホーム神宮での3連敗もファンの頭をよぎることになったはずである。そんなプレッシャーのかかるゲームでいつも通りの投球を披露したブキャナンに最大限の賞賛の声を送りたいと思う。

打線は広島のウイークポイントの1つと考えられるファーストバティスタの守備難に付けこむ作戦を意図的に仕掛けていたように感じた。中村のセーフティスクイズや西浦のバントヒットはその作戦が見事にハマった瞬間だったのではないだろうか?そして8回には昨日サヨナラ打を放った荒木が今日は代打満塁ホームランを放ち、試合を決めてみせた。ブキャナンを援護する最高の満塁ホームランだったのだが、荒木は昨年、松山での中日戦で代打サヨナラ満塁ホームランを放っていたため、今日のホームランは、2年連続となる代打満塁ホームランとなった。昨日も書いたのだが、1打席の集中力は若い頃より確実に高まっている。職人のような雰囲気が漂い始めてきた。

接戦を勝ち抜く力がまだ備わっていないだけに勝つとしたら今日のようなスコアになることが多いのかもしれない。これはある意味では弱いチームの特徴になるのだが、それでも今日に関しては、どうしても勝ちたいゲームで勝てたことを喜びたいと思う。たかが1勝ではあるのだが、その1勝を噛みしめたいと思う。

P.S 今日はブキャナンの投球に「弱小チームのエースの佇まい」を感じたのですが、外国人投手でこういったチーム状況で奮闘していた投手としては、個人的には阪神のマット・キーオを思い出します。私が野球を見始めた頃の阪神の助っ人外国人投手なのですが、好投しても中々勝ち星が先行しなかった記憶のある投手です。おそらく投球スタイルはブキャナンとは違ったと思うのですが、キーオも変化球を上手く駆使する技巧派のイメージが残っています。そんな選手の事を思い出したので少し書き加えてみました。

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コメント

  1. sabo より:

    ほんとブキャナンの試合だけは勝ち計算できる(負けられない)感じですね
    投打に限らずベンチでの応援の仕方もまさにチームを引っ張るエースという佇まいです

    スクイズにバントヒットはまさに事前の作戦通りでしょうね
    坂口の盗塁もそうかもしれません
    ここら辺はやはり石井、河田コーチの効果でしょうか

    あとはやはりエラー無かったのが当たり前ですが良かったです
    プロなのでエラーしないのは当たり前ですけど、小さなファインプレーでランナー進塁を防いだり、ゲッツー完成させたりといったことが大切ですね
    廣岡のダイビングキャッチがありましたがああいったプレーが求められるのがショートだと思います
    イメージですけどパリーグの選手はチャレンジが多いですよね。特に外野はダイビングキャッチ失敗のリスクが大きいですけど順位を上げるにはそういったプレーが出来ないといけないかと思います

  2. k より:

    広島は移動ゲームだったせいか動きが悪かったですね、あと丸がいないのはヤクルトにとっては大きいですね(打線に繋がりが欠けるように感じますね)
    この試合を見ても点を取るには盗塁や犠打が絡んでるので、やはり作戦面で動くことの重要性を再認識ですね。ただ動ける選手を起用しないと今日みたいな攻撃は出来ないのでサードは西浦固定でいいと思いますね(これで川端が走塁・守備・攻撃と全ての面で足を引っ張てるのが分かりましたよね)、ブキャナンはゴロピッチャーなので守備が良くないと今日みたいな投球は出来ないので。
    それと荒木が二日続けてヒーローでしたが今年は苦手な右投手からも結果を出してますし、長打も出てるのでスタメンで起用したいですが彼も守備がダメなのでファースト以外は止めた方がいいですね(出すなら雄平を下げて坂口ライトにしてファーストに荒木ですね。)
    あと、この試合もチャンスを作るのに追加点が取れないんですよね、青木のところに回ってくる事が多いのでチームの浮上は彼がポイントになりそうですね(青木が3割打てればチームも浮上するかなと)
    それと勝てたのは守備でミスがなかったからですけど、守備率がリーグワーストなんですよね(UZRも良くない)バレンティンや慣れないファーストの坂口などいますが特に三遊間が広岡と川端では勝てるものも勝てないですね(広岡は育成もあるので仕方ないですが絶対に川端のサードは止めた方がいいですね)今のヤクルトには守備職人がいないのが大きいですね(藤井や大引あたりが守備固めで貢献して欲しいですが)
    残りは梅野と石川が投げますが抑えることは出来ないので打たないと勝てないのは厳しい戦いになりそうですね(ライアン小川もそろそろ戻ってきそうですし、山田大もブルペン入ってるみたいなので、もう少し我慢すれば投手陣も楽になりますかね)

  3. 井野ファン より:

    ジョンソンもヤクルトにとっては難敵の一人なので、ジョンソンに勝てたのは大きいです。
    個人的にはこういう外国人投手同士の投げ合いは大好きです。

  4. iraca より:

     ブキャナンには頭が上がりませんね。
    状態の酷い先発投手陣において、唯一の希望です。
    9回を0点で抑えて、タイムリー2塁打を打つ。基本は全力疾走。
    若い投手陣は石川よりブキャナンを手本にした方がいいのかもしれません。

     戦力的なビハインドはあるかもしれませんが、一つ一つのプレーを経験だと思って戦ってほしいですね。

  5. JEF九郎 より:

    昨日のヒーローとなった二人は、黙々と準備に励み、各々の仕事を全うしようという姿勢が似てますね。ブキャナンは昨年も勝ち星に恵まれなかったものの、内容は悪く無かったですし、荒木も昨年くらいから勝負強さが光りました。
    今日時点で41打席30打数10安打2本塁打9打点。
    非常に立派な数字だと思います。

    スタメンタイプの選手ではないですが、荒木のような職人系の選手は貴重な戦力です。今後も粛々と自身の仕事に精を出して欲しいです。

    そして今日は石川、、、と思ったら梅野らしいですね。どこまで通用するかはわからないですが、失敗を恐れず思いっきり腕を振って頑張って欲しいです。

  6. FIYS より:

    > saboさんへ

    ブキャナンは投げるだけでなく、熱い気持ちも持ち合わせているのが良いですよね。

    廣岡のダイビングキャッチは非常に見栄えの良いプレーでしたね。大型ショートであの動きは非常に魅力的ですよね。

  7. FIYS より:

    > kさんへ

    今後ヤクルトが少しでも勝ち星を積み重ねるためには青木、川端の復調は必須でしょうね。

    小川はもう少し時間がかかりそうですかね。山田大もブルペンに入ったのですね?楽しみなニュースですね。

  8. FIYS より:

    > 井野ファンさんへ

    ジョンソンには相当やられてきましたからね。ようやく勝てましたね。

    井野ファンさんは、外国人選手への愛情も深いですね。

  9. FIYS より:

    > iracaさんへ

    ブキャナンの試合での姿を見ていると野球をしている学生にも見本にしてもらいたいと感じる部分があります。素晴らしい選手ですよね。

  10. FIYS より:

    > JEF九郎さんへ

    ブキャナンも荒木も自分の仕事をきっちりこなしてくれましたね。本当にいい仕事をしてくれました。

    梅野は厳しい登板になってしまいましたね。

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