2019キャンプ、オープン戦②

2月末からオープン戦が始まり、今週末は、東京ドームで巨人との2連戦があった。先日の記事でも書かせてもらったのだが、今年のキャンプ、オープン戦は期待の若手野手がしっかり結果を残してくれているため、非常にワクワク感の強いキャンプ、オープン戦となっている。特に今シーズン飛躍が期待される塩見、廣岡、村上がそれぞれ特徴を存分に活かしてくれている。

塩見に関しては、本能のままに我武者羅にアピールしてくれている。レギュラーを奪いにいかなければならない選手であるため、これぐらいガツガツ行くことは間違っていないと思う。パンチ力のある打撃、積極的な走塁、スピードを活かした守備と自分の長所はしっかりと出してくれている。特に打撃で結果を残し続けてくれていることは頼もしい限りである。しかしバレンティン、青木、雄平に坂口もいる外野のレギュラーを獲得する事は容易ではない。シーズンが始まればおそらく打席に立つ機会も限られてしまうはずである。それだけに塩見にとってはオープン戦の場が非常に重要な機会になってくる。1軍クラスの投手との対戦で経験値を少しでも上げておきたいところだろう。背番号が「9」だからと言うわけではないのだが、良くも悪くも飯原の若い頃と重なる部分がある。もう少し状況判断が出来る選手になってくれると首脳陣も使いやすいと感じるかもしれないが、今は若さを前面に出してプレーしてもらいたい。開幕時点での塩見の立ち位置はどういったものになっているだろうか?

廣岡も一番の長所だと感じる長打力を如何なく発揮してくれている。昨シーズンのオープン戦はショートのレギュラーとしてとにかく首脳陣に鍛えられたのだが、結局は結果を残し続ける事が出来ず、今シーズンは昨シーズンに比べて厳しい立場に追いやられてしまったのだが、そのことが逆に廣岡の持ち味を発揮する事に繋がっているように感じる。昨シーズンはあくまでも実戦で使えるようなプレー(バントやチームバッティング)を求められていたが、今は打席で廣岡らしくしっかりスイング出来ているように感じる。大きなフォロースルーから放たれる特大のホームランは廣岡の才能を物語っている。塩見同様レギュラーを奪取するにはまだまだ超えなければならない壁があるのだが、昨シーズンのオープン戦時よりも力を付けていると感じさせてくれる。与えられたポジションを守れなかった廣岡だが、本来ポジションは奪うものである。今シーズンは是非自分の力でポジションを確保してもらいたい。

村上も大器の片鱗を見せ付けてくれている。まだまだ確率は低いし、以前より言われているように1軍クラスの投手のファストボールに対応しきれていない部分はあるのだが、東京ドームでの2連戦で逆方向への長打を連発してみせた。これには驚いた。これまで筒香やT-岡田みたいだと評してきたのだが、昨日、今日のバッティングは阿部慎之助のようでもあった。一見当てただけのように感じる打球でもしっかり腰が残っており、ボールに力を加える事が出来ている。そのため想像以上に打球が伸びる印象である。これだけの才能のある選手は稀であるため、しっかり育てたいところである。今の所昨シーズンの廣岡のように優先的に試合に出場させてもらっている印象もあるのだが、一気のレギュラー奪取もあるのだろうか?

年齢的なバランスを考えると塩見には是非レギュラーを奪取してもらいたいし、打線のバランスと言う意味では廣岡か村上のどちらかがレギュラーを獲得すると得点力は増すと思う。しかしそんな才能のある3人でもレギュラーを確約されないほどにベテランも奮闘している。こういった競争の中で選手が育ち、チームの層も厚くなるのだと思う。今年のキャンプ、オープン戦のレギュラー争いは非常に面白い。

投手陣についても少し触れたいと思う。先発ローテについては、開幕投手は小川で行くという事が公表されたが、小川、原、ブキャナンの3枚はほぼ確定だろう。残りの3~4枠を今日登板した石川、スアレス、高梨に高橋、大下、清水、寺原辺りで競い合う事になるだろうか?この中で言えばボールの質と言う意味では高橋が№1かな?と感じるのだが、フィジカル面に課題が残る。実績と安定感では石川だが、年齢による衰え、スタミナの心配がある。スアレスはストライクゾーンの中で勝負するタイプの投手だと思うのだが、オープン戦ではその割にコントロールが安定しないのが気になる。高梨はおそらくストレート次第だろう。まだリリースポイントにバラつきがあり、ストレートがある程度走らないと「ごまかしのピッチング」が難しいタイプの投手に映る。大下、清水、寺原に関してはそれぞれ決め手に欠ける印象である。この3人の中では個人的には大下を推したいのだが、チーム事情によって役割が変わる可能性のある投手であるため、先発としてのチャンスがどの程度与えられるか分からない部分がある。
現実的には今日投げた石川、スアレス、高梨が有力候補であり、そこに高橋が割っては入れるか?といったところに落ち着くだろうか?

オープン戦を観ていて感じる事として、今シーズンはどのチームも得点力が上がっていると感じる。昨シーズンも同じような事を感じていたような気がするのだが、今シーズンはそれ以上である。昨シーズンはパリーグでは西武が圧倒的な打撃力を活かしてリーグ優勝を飾ったのだが、今シーズンはセリーグにも同じような波が来そうな気がしている。セーフティリードという言葉が通用しない打撃戦が数多く繰り広げられるのではないだろうか?
投手では本格派、野手では長距離砲が重宝されるシーズンになる予感がする。おそらくヤクルトも昨シーズンの開幕時のようなどんな形でも1点を奪い、それを守りきる野球ではなく、1点でも多く奪いに行く野球にシフトチェンジするはずである。そうなったときの選手起用含めたゲームマネジメントは難しいものとなりそうだし、その分首脳陣の負担も増すのではないだろうか?これから開幕に向けて徐々に首脳陣がどのようなチームを作ろうとしているか見えてくるはずである。今後のオープン戦も要注目である。

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コメント

  1. k より:

    やっぱり塩見・村上・廣岡の3人がキャンプオープン戦と目立ってますよね。
    塩見は控えの外野1番手で誰かがケガしたり不振や守備固め要員として必ず出てくるでしょうね。
    村上も逆方向に長打を打ててサードだったライバルの大引・川端より計算できると思うので守備で我慢できれば開幕スタメンは間違いないでしょうね。
    廣岡は1番伸びたかなと思いますがポジションがないのが痛いですが西浦がダメならショートして使えるかですかね(ショートで試合に出てないのが気になる)
    当面はファースト・サード・ショートのバックアップ要員1番手ですかね。
    野手は層も厚くなり期待もてるのですが課題は投手ですよね先発は小川・ブキャナン・原の順番でスアレス・高梨・若手の高橋奎二が4・5番手争いで6番目に石川で決まりそうそうですかね。
    残念なのは蔵本・寺島が二軍というのはヤクルト投手陣の底上げは昨年と比べて少し良くなったかなと印象しかないですかね(Aクラス争いが妥当かなと)
    個人的に気になるのはオープン戦見ても捕手で中村の打撃が相変わらず悪いということですかね、これでは昨年と同様に日替りになりそうですね(松本・井野との併用でしょうね)

  2. FIYS より:

    > kさんへ

    塩見、村上、廣岡は目立っていますね。廣岡はショートでも試合に出始めましたね。この3人が開幕時にどのようなポジションを任せられているか気になりますよね。
    捕手争いは面白いですね。中村は3割打てとは言いませんが、2割5分は打ってもらいたいですよね。

  3. ヤクルトオヤジ より:

    先発ワク候補には、星投手も捨てがたいですね!
    野村監督時代に、加藤博人投手が先発、宮本賢治投手が引き続き、二人で9回までという試合がありました。
    こういう試合、今年はありそうな気がします。例えば、石川投手と星投手、スアレス投手と高橋投手という感じで、それぞれ8回までとか。や先発を2人組ませて、中継ぎ陣を休ませる試合もありそうな気がしますね。
    昨年の今頃を思えば、こんなにも先発投手候補が多いのは嬉しい悲鳴ですね。

  4. FIYS より:

    > ヤクルトオヤジさんへ

    加藤4イニング、宮本5イニングみたいな感じでしたっけ?

    投手起用については負担軽減のために色々なアイディアを考える事は大切でしょうね。

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