ヤクルト5x-4DeNA
「This is プロ野球!」、1988年伝説の「10.19」で実況を担当した安部アナウンサーの名言である。勝てば近鉄が優勝という試合で近鉄が勝ち越すか?という場面でロッテの三塁手水上がダイビングキャッチをしてそれを防いだときに安部アナウンサーから飛び出した言葉である。
今日のゲームでは1998年以来のリーグ優勝を目指すDeNAが9回に2点を勝ち越し、最下位ヤクルトから勝利する目前での逆転サヨナラ劇であった。阪神戦からの4連敗は内容も悪く、特に東京ドームでの巨人との3連戦でヤクルトは完全に戦う意義すら見失ってしまったように感じていた。おそらく今日のゲームに対するモチベーションという意味ではDeNAとは大きな差があったのではないだろうか?正直9回にマクガフが2点を失った時点で「勝負あり。」だと感じていた。DeNAの守護神山崎相手に今のヤクルトが得点を重ねる姿が想像出来なかった。巨人にもDeNAにもいいようにやられてしまうのだと思っていた。しかしその9回に先頭のバレンティンがホームランを放ち、1点差とすると雄平が内野安打で出塁し、続く村上が山崎が投じた初球のツーシームを上手く拾うと打球はセンターバックスクリーンに飛び込む逆転サヨナラホームランとなった。DeNAファンや広島ファン、アンチ巨人の方々には「ヤクルトは何をやっているんだ!」と言われてしまいそうだが、これがガチンコ勝負であるプロ野球の魅力である。筋書きのないドラマだからこそ面白いのである。
10.19はそのシチュエーション自体が伝説であり、そのゲームで用いられた実況の言葉を引用するのは無理があるのかもしれないが、今日のサヨナラ劇も「This is プロ野球!」そのものであると思う。
2-2で迎えた9回の攻防、ヤクルトは抑えのマクガフを起用し、何としてでも勝ち越しを阻止する構えだった。しかしDeNA打線に繋がれピンチを招くとフィルダースチョイスと筒香のタイムリーで2点を勝ち越されてしまった。試合展開的にもDeNAとヤクルトの現時点での立ち位置を考えた時にもどう考えても致命的な2失点であるように感じた。
しかし9回裏のマウンドに上がった山崎からたった7球で3点を奪い、サヨナラ勝ちとなってしまうのだから、野球というゲームは分からないものである。正直山崎は7球しか投げていないため、調子が良かったのかどうかも判断する事が出来なかった。先頭のバレンティンが山崎の初球を完璧に捉えるホームランで1点差に詰め寄ると、雄平は完全に打ち取られてしまったのだが、打球が高いバウンドとなり内野安打で塁に出ることに成功した。この一打で多少神宮球場の雰囲気が変わり始めたと感じた直後に村上にサヨナラホームランが飛び出し、あっと言う間の幕切れとなった。
それにしても村上の集中力は大したものである。打率は2割2分台なのだが、打点は78と依然打点王争いを演じている。これだけ打率が低いと自分の打撃を貫けなくなるものなのだが、村上は自分のスタンスを貫いている。三振が多くてもしっかり自分のスイングをする事が出来ているように感じる。三振の数は減らないが、甘いボールに手が出なくなる場面もあまり見かけないように感じる。やはり並の19歳ではない。今日のホームランに関しても一発が出ればサヨナラという場面であり、ファンも期待してしまうのだが、普通は打てないものである。ファンの期待を具現化してしまう19歳。素晴らしいの一言である。今日のホームランはシチュエーション的にも素晴らしい一打だったのだが、山崎のウイニングショットであるツーシームをものの見事に捉えたものであり、技術的にもかなりハイレベルなホームランだったのではないだろうか?画面越しには山崎のボールは決して失投とは思えなかった。そのボールをあれだけ綺麗に拾えてしまうのだから驚きである。末恐ろしい19歳である。おそらく山崎は今後村上が打席に立つたびに今日のホームランを思い出すことになるのではないだろうか?打率が低い割に相手バッテリーが勝負を避ける場面が目立つと感じるのは、やはりプロの目から見て村上に怖さを感じているからに他ならないと思う。今日のサヨナラホームランは高卒2年目の19歳の選手が打てるホームランではない。
最下位に沈み、私自身もモチベーションを失っている中で村上の凄さを改めて感じさせてもらった。今日はこれだけ書けば十分である。これだからプロ野球ファンは辞められないし、ヤクルトファンも辞められない。
にほんブログ村
コメント
村上の最後の一撃も勿論素晴らしかったですが、4回の廣岡のヘッスラ内野安打も気迫があってよかったですね。(2点目に繋がりましたし)ただ、ヘッスラは怪我しそうであまりして欲しくは無いですが…。
今日はまたまた神宮へ行って参ります。村上との相性が観に行くと15打数12三振と絶望的ですが、信じて応燕して参ります!
ホームランだけのロマンある勝利でしたね。
今年のヤクルトは打線が繋がるというよりランナーいてホームランで勝っていくというスタイルでやっていくしかないのかもしれませんね(残り試合はホームランある広岡はずっとスタメンですね、あと太田も固定させてあげていいと思いますね)
試合展開的には東を下げてくれて同点になったのは助かりましたよね(同点の場面は宮崎ならサードゴロですし上手いライトなら山田のはアウトでしたね)あと主力を欠くDeNAの打撃力が落ちてるのが影響ありましたかね。
それとマクガフは三試合連続失点で変化球が全く落ちないし高いしキレないしで、疲れがピークで1回抹消か7回や楽な場面での配置転換で変わりにハフにクローザー変更させて欲しいですね(石山がいれば……)
この日の山崎もツーシームの落ちが緩く真っ直ぐも球威なかっですね、どこのチームもクローザーがへばってきていて後ろが安定してるチームが勝っていくのでしょうね。(この辺りの見極めが投手コーチの手腕なのですが…何もしないんでしょうね)
あと西田が初スタメンでしたが、たまにキャッチャー変える事で目先を変えられるのでこういう起用は必要ですね(次もスタメン西田でしょうけど最終回の失点場面は西田の経験不足でしたかね、終盤のリードは中村が上なのでリードしたらリリーフキャッチャーという起用してもらいたいですね)
次は高梨が西田とのコンビでどうなるかですねダメなら中継ぎに回ってもらいたい(DeNAは宮崎・ロペスいなく打線落ちるので高梨は逃げずに向かって欲しいですね)
打つ方は新人の上茶谷にカモにされてるので、そろそろ打ち崩さないといけないのですがチームとして小技や繋ぐとかで攻略する感じはないのでランナーためてホームラン打てるかですね(それが出来なければ負けるでしょうね)
終わってみれば結果オーライというのが相応しいでしょうね。村上は防御率が1点を下回りそうな抑えから打ったサヨナラということで、また1段上に登った感じでしょう。どこまでいくか本当に楽しみですよ。新人王に向けて大きなインパクトを与えたことと思います。
本文にもありますが、ヤクルトファンとしてはサヨナラ勝ちを大いに喜びたい一方で、筋金入りのアンチ巨人としては、かのチームのアシストになっている面もあるので、複雑な気持ちが多少あるのが正直な心境です。
まさしくその通りで、わからんね。
気になったのは、山﨑、嶺井の亜大バッテリーだと嶺井の構えで球種わかるんですよ。治っていない。
コースに構えたら真っ直ぐ。真ん中にアバウトに構えたら(亜大)ツーシームって。
昨年AbemaTVで谷繁が言っていたそのまま。
プロなんですから、クセなのかわからないけど、利用するなり、治すなりしないと。
球種わかって打つのと、ヤマを張るのとでは打者の気持ち違うしね。
ゲームの変わり目と思うのは、デーブと一緒で、
6回東を変えたところね。
そのまま東で行かれていたら、厳しいなと思ったので助かった感じある。
ただ、
東は故障明けなんで球数80を超えていたのもあり、球数制限していたのかな?
助かりましたね。
> kさんへ
守備の上手い選手であれば同点にならなかった可能性はありましたよね。
マクガフとハフは配置換えしてきましたね。
> JEF九郎さんへ
勝ちましたね!
それにしても15打数12三振ですか?それだけ村上の三振率が高いと言うことでしょうね。今日も2三振ですし…
> 超匿名さんへ
超匿名さんはアンチ巨人でもあるのですね。私はあくまでもヤクルトファンであるため、ヤクルトの勝利が最優先です。
村上はインパクトのある一打が多いですよね。
> タラちゃんさんへ
東は登録抹消ということでおそらく球数制限をしていたのでしょうね。この辺りはラミレス監督らしい采配ですかね。メリット、デメリット両面ありますが…
いつも投稿楽しみにしています。
この日、現地観戦してました!本当にプロ野球は最高だと思える素晴らしい試合でした。
> マグさんへ
村上の逆転サヨナラホームラン!現地の盛り上がりは凄かったでしょうね!