アイルランドを倒す。必然の奇跡。

日本１９－１２アイルランド

ラグビーW杯　▽1次リーグA組　日本19―12アイルランド（28日・静岡エコパスタジアム）
1次リーグA組で世界ランク9位の日本が、同2位のアイルランドから大金星を挙げた。後半18分に福岡堅樹（パナソニック）が逆転トライを決め、19―12で勝利した。
（スポーツ報知引用）

今日のゲームは仕事もあり観戦出来なかったため短めにまとめたいが、前回のワールドカップで南アフリカに勝利した時と同様に今日のゲームも大金星ではある。しかし今日の勝利は「奇跡」という言葉で括られるものではないことは確かだろう。今回のラグビーワールドカップ日本大会に向けて長年に渡って強化して来た事が結果として結び付いてきたという部分が大きい。プロセスがあってこその勝利である。「必然の奇跡」、「根拠のある勝利」という言葉が相応しいだろうか？

私が最初にこのブログにラグビーの記事を書いたのは約6年前のことである。→「オールブラックスに大敗」
その試合でも日本代表の確かな成長を感じる事が出来たのだが、この6年間でエディー・ジョーンズ、ジェイミー・ジョセフという2人のHCのもとで日本代表は更なる進化を遂げていった。私は特に代表選手にフィジカル面の強化を徹底した事が大きかったのではないかと感じてる。
ラグビーに限った話しではないのだが、これまで日本が中々世界と渡り合えない競技において「体格の差」、「身体能力の差」というものが大きな要因とされる事が多かった。私もそんな話しはスポーツ観戦をする中で数十年に渡って言われ続けていたため漠然と「そういうものなのだろうな。」と思い込んでいたのだが、その思い込みを覆してくれたのがエディー・ジョーンズHCだった。前回の南アフリカ戦→「歴史的大金星！」での勝利は私は奇跡だと大興奮したのだが、これも今思えばしっかりとしたプロセスを踏んだ中での勝利だと感じている。この勝利は日本ラグビー界だけでなく、日本スポーツ界に大きな影響を与えたのではないだろうか？「体格の差」、「身体能力の差」という言葉はもしかしたら勝てないもどかしさからくる言い訳だったのかもしれないということにアスリートも指導者も気付いたのではないだろうか（もちろん私のようなスポーツファンも…）？しっかり鍛えて、能力を数値化することによって選手達は視覚的に客観的に自分の体力面を確認する事が出来、成長していること世界と戦える事を実感する事が出来たのではないだろうか？

そして今日のアイルランド戦での勝利である。前回大会での躍進の前までは考えられなかったことなのだが、とにかくFW戦で強豪国とも互角に渡り合えている事が素晴らしい。もちろん外国籍の選手の存在も大きいと思うのだが、スクラムでもラインアウトでもラック、モールでも全く力負けしていないのである。稲垣、堀江、具の第1列、トンプソン・ルーク、ジェームス・ムーアの第2列、そして姫野、ラブスカフニ、マフィの第3列と屈強なアイルランドFWに全く見劣りしていなかった。マフィが負傷退場してもそこにリーチ・マイケルが入り、カバーする辺りに日本ラグビー界の層が厚くなったことも感じる事が出来た。

子どもの頃は、スピード豊かなBK陣やボールに触れる機会が多いSH、SOの動きに見惚れていたのだが、大人になるとFW陣の存在の重要性を感じられるようになった。私自身ラグビーを見る目が変わってきたことでより深くラグビー観戦を楽しめるようになった気がする。今日の勝利も格別である。ここまで来たら、何としてでも決勝トーナメントに進出してもらいたい。

P．S　福岡はまだ本調子ではありませんね。この選手は筑波大時代に見て衝撃を受けたウイングなのですが、前回のワールドカップでは輝けなかったんですよね。今日のゲームも本来であれば怪我の影響もあり、ベンチ外の予定だったのですが、急遽回ってきた出番で結果を残したのは、これまでの経験から来るものでしょうかね？スコットランド戦までにはある程度の所までは戻してきてもらいたいですね。


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