村上が反撃の狼煙を上げ、青木が一振りで試合をひっくり返し、山田哲が満塁弾で試合を決める!

ヤクルト9-6巨人

最後まで冷や冷やするゲームだった。それ程までに巨人打線の圧が強い。今年の巨人も強そうである。そんな巨人相手にヤクルトの顔である村上、青木、山田哲の活躍で勝利を収めてみせた。ヤクルトのスーパースター3人による逆転劇である。昨日の悔しい逆転負けを振り払ってくれるような見事な仕事ぶりだった。

まずは村上である。逆転された直後に反撃の狼煙を上げる見事なホームランを放ってみせた。サウスポー高木のストレートを完璧に捉える凄まじいホームランだった。サウスポー相手でありながら右肩が開かないため、全く崩されずに自分のスイングが出来ている。まだ開幕した直後なのだが、昨シーズンより明らかにレベルアップしていることを感じさせてくれる。豪快なホームランもあれば、逆方向への軽打もあり、率も残せそうな雰囲気が出ている。稀代のヒットメーカー青木、ミスタートリプルスリー山田哲もヤクルトの顔なのだが、今現在相手バッテリーが最も投げ辛そうにしているのはこの村上ではないだろうか?昨シーズンは三振数が多く、打率も低かったのだが、それでも選球眼は悪くなく、打席で崩されてしまう場面も極端に多いとは感じなかったため、打率は上がるものだと思っていたが、ここまでの姿は想像以上である。凡打になる打席も紙一重という打席が多いように感じる。「とんでもないバッターが出てきた。」というのが私の感想である。
そしてサードの守備が成長している所も好感が持てる。サードを守りながらこれだけ打つのだから技術面だけでなく、精神面の充実も伺える。ホームラン量産態勢に突入しそうである。

ベテラン青木は、今日は休養日ということでスタメンを外れていたのだが、村上のホームランで1点差とし、尚も1アウト満塁という場面で代打で登場した。すると巨人宮国の初球をしっかり捉える逆転2点タイムリー2ベースを放ち、一振りで試合をひっくり返してしまった。昨シーズンも休養日の延長12回2アウトの場面で登場し、サヨナラホームランを放った試合があったのだが、今日の一振りも見事だった。コロナ禍による異例のシーズンであり、ベテラン選手であれコンディショニングの難しさはあると思うのだが、その中でもしっかりと仕事をする辺りは流石である。

そしてチャンスが広がり、1アウト満塁で打席に入った山田哲は、藤岡相手に簡単に追い込まれるもそこから粘り、最後は甘く入ったボールを捉え、滞空時間の長い満塁ホームランをレフトスタンドに運んでみせた。アスリート型の選手でありながら打撃技術も超一流であり、今日の滞空時間の長いホームランは、ホームランアーチストの打球弾道だった。いくつもの武器を兼ね備えているからこそ、複数回トリプルスリーを達成することが出来るのだろう。まだまだ打ち損じの打席も目立つのだが、今日のホームランを含む3安打はどれも見事なバッティングだった。
この試合では途中でベンチへ退いたため、コンディション面での不安はあると思うのだが、どの程度の状況なのだろうか?明日以降も試合に向けて上手く調整してもらいたい。

投手陣は小川が5回までは粘り強く巨人打線を抑え込んでいたのだが、6回に岡本に一発を浴るとその後崩れてしまい、パーラに逆転2ランを浴びると投手の田口にもタイムリー2ベースを浴びてしまい、ここで降板となってしまった。前回の登板時にも昨シーズンの記事にも何度も同じことを書いているのだが、映像で見る限りは、ボール自体がそこまで悪いとは思えないのである。しかしランナーを出すと途端に打ち込まれてしまう場面が目立ち、一歩間違えれば大量失点の危険性がある投球が続いている。今日の投球もそんな印象だった。小川は非常にクレバーな投手であり、ボールがある程度走っていれば試合をまとめられる投手だったはずなのだが、昨シーズンから突如としてビッグイニングを与えてしまう投球が目立っている。課題と改善点を小川本人、チームは掴んでいるのだろうか?その辺りが心配である。

その後は中澤ー清水ー長谷川と繋いで、何とか逃げ切ってみせた。中澤に2016年以来の白星が付き、清水は2イニングをしっかり0で抑え、巨人の圧力に屈さなかった。見事な投球だったと思う。長谷川は2点を返され、その後もピンチを招いたのだが、最後は自慢のストレートを軸に巨人打線を抑え込んでみせた。
中澤に左殺しという役割が出来たこと、清水が気迫の投球で巨人打線の勢いを削いだことが今日のリリーフ陣のトピックだろうか。

P.S 原巨人はやはり怖いですね。坂本、丸、岡本という幹がしっかりしており、枝葉の部分も多彩なメンバーが揃っている印象です。これだけの選手をチームとしてまとめ上げてしまう原監督はやはり名監督ということになるのでしょう。選手登用術、チーム内競争でのレベルアップという部分が同じ巨大戦力を率いていた長嶋巨人との大きな違いなのではないでしょうか?

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コメント

  1. 闘将 より:

    村上の一発は物凄い当たりでしびれましたね!風格が出てきて、毎打席期待がもてる雰囲気を出してるので楽しみです。松井秀喜を超える大物に育ってほしいですね!
    青木、山田も本当に頼りになります。坂口も調子良いので、あとは塩見に頑張ってもらいたいです。

  2. JEF九郎 より:

    村上、山田、青木のトリプルスターが揃い踏みでしたね。特に山田は一人で5打点。来年もし居なくなってしまったらと思うと、ゾッとしますね。

    さて、個人的には開幕からここまでの投手陣と守備陣について気になりました。勿論完璧とは言えないですが、今のところは昨年からの上積みが見られるような気がします。(先発が良いと中継が崩れ、先発が投げ負けると中継がまずまずというチグハグ感はありますが)

    特にエスコバー加入は大きいように思えます。先週の握り直し内野安打や、昨日も送球ミスがありましたが、それでも昨年迄と比べればだいぶ安定感が出てる気がします。

    まだ10試合消化しただけでなんとも言えないかもですが、引続き期待して観ていきたいと思います。

  3. FIYS より:

    闘将さんへ

    村上の打席は本当に楽しみです。打席での威圧感が凄いですよね。

    塩見は…登録抹消されてしまいましたね。

  4. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    エスコバーはチームの守備の安定のためにピンポイントで獲得した選手ですからね。送球ミスはありますが、流石メジャーでバリバリレギュラーとして働いていただけのことはありますよね。見ていて楽しい選手です。

  5. sabo より:

    中澤がこんなに出番ももらえるとは……
    久古はレスキュー古なんていわれたりして左キラーでここぞというときから困ったときまでの存在でしたが中澤はなんでしょうね?勝っててもビハインドでも大量ビハインドでも使える。
    正直テレビ越しにはバッピにしか見えないのですが……まぐれで抑えてるようにしか見えないんですが、まともに打たれたのは3連投だった日曜だけ。
    タイミングの取りづらいフォームなのか、球が小さく変化してる魔球なのか。不思議な投手です

  6. FIYS より:

    saboさんへ

    腕を下げてからリリーフとして生きていく覚悟が出来たと思うのですが、ここ数年かなり出番は減っていましたからね。このタイミングで出場機会を増やすとは思いませんでした。とにかく左打者のインコースへのシュートが生命線だと思います。

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