おぼろげながら「線」が見えてきた

ヤクルト４－５DeNA

今日のゲームの1番のトピックは石川に勝ちが付かなかったということになると思うのが、違った切り口で見てみたい。私がこのブログを書き始めて、ヤクルト打線に明らかな変化を感じたのは小川監督時代の２０１４年シーズンのことだった。それまでは野村監督時代の相手から嫌がられるような攻撃を軸に戦っていた印象だったのだが、このシーズンの途中から「個」の力で得点を奪う野球に変化していったと個人的には感じていた。打線が「線」として機能していないということもこのブログで何度も書かせてもらった記憶がある。今シーズンも山田哲、青木、村上を中心に「個」の力に期待するしかないのかな？と思っていたのだが、今日のゲームでは打線が「線」として機能していると感じる場面があった。正直今日のゲームは先日の日曜日の巨人戦のような完敗に終わる危険性もあったゲームだと思うのだが、粘り強い攻撃でDeNAのエース今永相手に４点を奪ってみせた。これは収穫である。

今シーズンの高津ヤクルトの売りの１つが１番坂口、２番山田哲、３番青木、４番村上という上位打線である。この並びについては、ある程度機能しており、ある意味では高津監督の思惑通りになっているということが言えると思う。しかし村上の後を打つ５番打者をはじめとする下位打線に怖さを感じないという弱点があった。４番までで得点を奪えないと期待感が薄れるというのがここまでの正直な印象だった。しかし前日のゲームで西浦が５番に座り、活躍したことによって少しずつ打線に繋がりが出てきたと感じ始めた。そして今日のゲームでも５番西浦、６番山崎という２人で全４打点を叩き出すなどいい形で打線が回るようになってきた。
個人的にはずっと西浦、山崎よりも廣岡、塩見を推しており、この２人の「ロマン砲」で、いわゆる「個」の力で得点力アップを図った方が良いのではないか？と考えてきたため、５番西浦、６番山崎という並びは全く想定していなかった。しかしこの２人はここまで好調をキープしており、しっかり結果を出すことで出場機会を増やしている。そして今日のゲームではチャンスで今永からしっかりタイムリーを放ってみせた。ここ数試合山田哲が小ブレーキとなっているのだが、それでもある程度得点が奪えているのはこの２人の存在が大きいのではないだろうか？西浦は打席での割り切りが出来るようになり、山崎はスイングに力強さが加わってきている。
今日の得点は、初回は２アウトランナーなしから青木が２ベースで出塁すると村上、西浦が四球を選び、続く山崎が放った２点タイムリーと２点ビハインドで迎えた３回に１アウトから青木、村上が四球で歩いた後に西浦、山崎の連打で奪った２点である。どちらも村上の四球が絡んでいるのだが、相手のミスで奪った得点という印象よりも今永にプレッシャーをかけてチャンスを作り、そのチャンスで脇役陣がしっかり結果を出した中で奪い取った得点のように感じた。西浦、山崎についてはまだ打席数も少なく、このまま結果を残し続けられるとは限らないのだが、今後も今日のような得点シーンは期待できるのでは？という気持ちにもなり始めている。久しぶりにおぼろげながら打線が「線」として機能する姿が見えてきた。

石川については、なんとか勝ちを付けてもらいたいのだが、今日は苦しい投球となってしまった。DeNA打線の迫力はセリーグ随一だと感じる。開幕戦に続いて雨の中のゲームということでコンディションの難しさもあったと思うのだが、それにしても石川がDeNA打線の迫力に押されていたように感じた。今後の石川対DeNA打線の対決も興味深く見守りたいと思う。


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