私はイノーアの見立てを間違えたのだろうか？

ヤクルト５－５中日（延長１０回）

試合としては２度のリードを奪われながらも、よく追いつき引き分けに持ち込んだとは思うのだが、個人的な期待値が高かったイノーアが開幕から全くと言っていい程結果が残せず、相手打者に打ち込まれてしまっているのが気になる。

イノーアは、開幕から５回４失点、３回４失点、３回５失点でマウンドを降りており、防御率は10.64となっている。オープン戦、練習試合の投球内容からするとにわかには信じられないような数字が並んでいる。確かに練習試合から多少被安打が多いかな？と感じることもあったのだが、打たせて取るイノーアのようなタイプの投手であれば多少ヒットを打たれても問題ないと思っていたし、大崩れはしないタイプの投手に映っていた。ブキャナンと同程度には活躍してくれると思ったし、ブキャナン以上に数字を残す可能性もある投手だと思っていた。
開幕後の投球はハイライト映像でしか見ていないのだが、そこまで調子が悪いようにも思えない。しかし序盤での失点が続いてしまい、ここ2試合は3回でマウンドを降りており、先発投手の役割を全くと言っていいほど果たすことが出来ていない。昨日、今日とイノーア以外の投手が中日打線をほぼほぼ抑え込んでいることを考えると、今日のイノーアの数字は心配になってしまうレベルである。多少ではあるのだが、イノーア自身が思ったようにボールがコントロール出来ていない部分があるのだろうか？私はこのまま先発ローテに残ってもらって構わないと思っているのだが、流石に次回も同じような投球に終始してしまったとしたら一旦登録を抹消することもあり得るのではないだろうか？ボールのキレ、コントロールともに練習試合の時とは落ちてしまっているのだろうか？この辺りは映像を見ただけでは判断できない部分である。
個人的に高く評価をしていながら中々結果を残せなかった投手と言うと初年度のハフを思い出す。ハフも期待値は高かったのだが、先発として中々結果を残せなかった。ハフはリリーフ起用でチームを支える存在となったのだが、このイノーアは今後どういった起用法になっていくのだろうか？

4回からは細かい継投となったのだが、広いナゴヤドーム、一発の危険性が低い中日相手という部分もあってかリリーフ陣は揃って攻めの投球が出来たのではないだろうか？中澤が2イニングを完璧に抑え、試合を落ち着かせると、その後は長谷川ー梅野ー清水ー寺島ー石山と1イニングずつ無失点で繋いでみせた。ビジターゲームということで寺島、石山には1点でも取られたら負けというプレッシャーがあったと思うのだが、昨日、今日とランナーを許しながらも役割を果たしてみせた。リリーフ陣がしっかり粘ったという意味では「価値ある引き分け」という言葉を使っても良いのかもしれない。

打線はイノーアが打ち込まれた次の回に反撃し、試合の流れを渡さなかった。そういった意味ではよく繋げてくれたと思う。2回は村上、西浦の連打からチャンスを作り、エスコバーのタイムリーで1点を返すと嶋が押し出し四球を選び、イノーアも犠牲フライで続いて、7，8，9番で同点に追いつき、4回はエスコバー、嶋でチャンスを作るとここの所パタリと辺りが止まっていた山田哲に2点タイムリーが飛び出し、同点に追いついてみせた。低めのストレートをライト前に運ぶ一打は、山田哲らしくない打球ではあったが、何とか結果を残したいという山田哲の気持ちが伝わってくるような右打ちだった。
この勢いのまま逆転し、試合の流れを掴みたかったのだが、ヤクルトリリーフ陣が粘ったのと同様に中日リリーフ陣も今日は崩れなかった。前半の打ち合いとは打って変わって5回以降はテンポの速い試合となった。

今日のゲームでは7番に入ったエスコバーが4安打と気を吐いた。全て軽打でセンター前に放ったヒットであり、エスコバーという選手の打撃面での特徴がよく表れた打席になったのではないだろうか？4安打は出来過ぎの感もあるのだが、今日のようなコンパクトなバッティングを続けていけば、少しずつ打率は上がってくるかもしれない。

2試合続けての延長戦となったのだが、昨日のゲームとセットで考えると中日の方にダメージが残る引き分けになったのではないだろうか？


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