ヤクルト9-4広島
山田哲が2番セカンドでスタメンに復帰したゲームは打線が繋がり、16安打で9点を奪ってみせた。まだまだ山田哲のスイングに違和感は感じたのだが、やはり山田哲がいるといないとでは相手に与えるプレッシャーが違ってくると感じる。何とかコンディションを上げていってもらいたい。
そして先発の小川は序盤苦しみながらも何とか6回2失点と試合を作り、これで無傷の4連勝となった。昨シーズンとは打って変わって勝ち星が転がり込んできている。
小川に関しては、序盤から毎回のようにランナーを許す苦しいピッチングとなってしまったのだが、ピンチで何とか粘り、大量失点は許さずに試合を作ってくれた。ボールの威力、キレを感じさせてくれる内容ではなく、いつ広島打線に掴まってしまってもおかしくないような投球だったのだが、最終的には野手陣の援護もあり、6回で107球を投げ、被安打7、与四死球3の2失点で勝ち投手となった。一応QSは達成しているため、先発として最低限の仕事はしてくれたという評価は出来ると思う。チーム状況を考えると小川にも本来であればもう少し長いイニングを投げてもらいたいのだが、現状ではこれが精一杯だろうか?
今日は先発投手における「勝利投手」というスタッツに注目してみたいと思う。昨シーズンの小川は26試合に登板し、5勝12敗、防御率4.57という数字が残った。個人的には何故ここまで打たれてしまうのか?負けが込んでしまうのか?分からなかった部分がある。そして今シーズンも昨シーズンと似たような投球が続いているのだが、ここまで5試合に登板し、4勝0敗、防御率4.30という数字が残っている。投球内容も防御率も昨シーズンと比べてそれ程変わっていないと思うのだが、「4勝0敗」という数字によって見栄えが良くなっている印象である。
「野球というスポーツは数字のスポーツである。」とはよく言ったものである。野球というスポーツは私たちが考えている以上に奥深く、重要視されるスタッツによっても見え方が変わってくるスポーツだと思われる。「勝利投手」というスタッツは運も絡むし、オープナーのような戦略が一般的になるとさほど重要視されないスタッツになる可能性もある数字だと思われる。現在でも「勝利投手」というものは重要視すべき数字ではないとの意見も耳にすることがある。「確かにそうだな。」と思う部分もあるのだが、年号が昭和から平成に代わる前の1988年から野球を見続けてきた私にとっては、先発投手の勝ち星というものはどうしても重要視してしまう数字となっている。もちろん出来るだけ勝利数という数字にごまかされることなく、冷静に投球内容を見ていきたいという気持ちは持っているのだが、それでもチームが勝利して先発投手に勝ち星が付くということは気持ちいいものだし、勝ち星を上げた先発投手もチーム自体も乗っていけるものだと感じている。だからこそ石川の勝ち星というものも気になってしまうのだと思う。石川、イノーア、高橋はまだ勝ち星が付いていないのだが、小川はすでに4勝目を上げている。不思議ではあるのだが、やはり勝ち星が多くつくことに越したことはないのである。皆さんはここまでの小川の投入をどう評価するだろうか?
「勝利投手」というスタッツはもしかすると20年後、30年後には今とは全く違った価値の数字になっている可能性もあるのではないだろうか(もしくは勝利投手の条件自体が変わっている可能性もありますかね?)?野球の戦術の変化とともに新しい評価指標、新しいスタッツ、新しい概念が生まれてくると思われる。それでも現時点においては「勝てる先発投手」の存在は貴重である。小川には是非この流れに乗ってもらい、このまま勝ち星を積み上げていってもらいたい。
打線は2番に山田哲が戻り、久々に1番坂口、2番山田哲、3番青木、4番村上という開幕当初の上位打線に戻ったのだが、初回にいきなり、この4人による4連打で幸先良く先制点を奪ってみせた。続く西浦のショートランナーゲッツー、エスコバーのサードゴロで1点しか奪えなかったことで嫌な雰囲気も漂ったのだが、2回に小川自身のタイムリーで1点を追加し、投手としても小川が何とか粘る中で、同点の5回に再び満塁で打席が回った西浦に勝ち越しタイムリーが飛び出すと、続くエスコバーにも2点タイムリーが飛び出し、試合の流れを掴んでみせた。6回にも村上の2点タイムリー2ベースとエスコバーのタイムリーで3点を追加し、試合を決定づけてみせた。
山田哲に関しては、冒頭でも書いた通りまだまだスイングに違和感を感じたし、最後の打席の三振時の仕草も気になったのだが、左脇腹に関しては、これからも上手く付き合いながらプレーしていく他ないのだろう。無理が利くプレーヤーではあるのだが、あまり無理をせずにコンディションを整えてもらいたい。
村上は今日も2安打3打点としっかり4番の仕事をしてくれた。長らくホームランが飛び出していないのだが、そのことがそれ程気にならないくらいにチャンスで結果を残してくれている。頼りになる4番バッターである。
今日は6番で起用されたエスコバーはあれよあれよという間に打率が3割を超えてきた。打撃の形は日本人的な視点で見ると身体が突っ込みやすく、外の変化球を追いかけやすく、いいフォームには見えないのだが、それでも結果を出し始めている所に元メジャーリーガーの打撃センスを感じさせてくれる。
試合後に高津監督が昨シーズンの16連敗が頭をよぎったとのコメントを残したようだが、ファンの皆さんも同じようなことが頭をよぎったという人がいるのではないだろうか?一昨日、昨日のゲームでの負け方が弱いチームの負け方だっただけに私自身も不安を覚えたのだが、何とか2連敗で止めてくれた。先発の小川に勝ち星が付く理想的な勝ちゲームになったのではないだろうか?
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コメント
なにはともあれ、あと1勝で昨年の勝ち星に並ぶ4勝目。一応6回くらいまで投げてくれるので、5回でアップアップの先発陣が多い我々にとっては貴重な存在ですね。FIYSさんがおっしゃるとおり、ご本人の投球内容が然程昨年から劇的に変わってるようには素人目には映りませんが、元々が頭の良い投手ですので、昨年の失敗から気の持ち用とか、間の持ち方とか、投げるコースなど微妙に変えてるんですかね。
ただ明確に昨年迄と変わったのは、捕手含め野手陣の顔ぶれは代わってますね。特にセンター、ショートが代わり、レフトが青木になったことで、格段に安定感は増してます。
また、相棒の捕手が今時の在り方でコロコロ変わるのも、相手にとっては的が搾りづらくなり好転の要因のような気がします。
私もFIYSさんとは同世代なので、先発は130球ぐらい投げても7回迄は頑張り、捕手は固定が理想という中で育った世代ですが、高津監督のやり方を見ると、野村イズムと自身のキャリアで得たやり方を上手く融合させた采配が今時なような気がしてきました。野村イズムを自身のものに昇華させた、ハイブリッドID野球で野村さんを喜ばせてあげて欲しいですね。
監督って誰が投げて勝っても良いっていう考え方もあるのでね。
でも1つ勝つことで調子よくなる。運が回ってくるっていうのもあるわけで。
おいらがずっと唱えていた、カード2戦目(水曜、土曜)重視戦法。
これはウチのローテーション投手がマー君、ダルビッシュ、昨年であれば菅野、山口俊みたいな投手いないこと。防御率2点台以内っていう。
それレベルの投手いれば、先手必勝で勝つことで優位に持っていく王道パターン。今年はとくにCSないわけですしね。
ただ、
ウチにはそんな投手はいないのが現状。
となれば、相手チームの投手のレベルが落ちる、カード2戦目は狙い目。
5得点できるっていう発想で試合でき、ゲームメイクできることで、
先発は6回4失点でOKということで、イニング食うことさえ目指し、極力四球を避ける投球を心掛けると。
ということで、ウチの弱体先発投手陣でも、イニングをコンスタントに食える能力ある小川とイノーア、スアレス両外国人投手っていう配置はベターで結果出ていると思う。
げんに小川は昨年のエース対決強いられ調子崩した格好とは正反対の結果で、逆にカード初戦に当たって、結果出ないところから崩していった石川と明らかになっているのかと。
とまあ、暫くはこの水曜、土曜重視戦法は行ける。
問題は、
雨天中止でローテ変わるかもしれないが、変わらない想定で、
8月は厳しくなる。
ベイスターズが今永、タイガースが西が土曜。
とくにタイガース金曜が天敵青柳投げることで、ピンチになっていくかと。
ベイスターズ、タイガースが週末カードになり、
ここで小川の真価が問われるのかと。
そこらあたりで、1度小川を抹消し、水曜に持ってくるなんてことをするのかな?って思ったりしている。逆にイノーアかスアレスを土曜とかね。
今年の高津監督、斎藤隆投手コーチの運用には想像以上の効果発揮しているので期待したいところ。
ただ、8月はちょっと厳しい戦いになるかと。
いつもで言う連敗街道走る5月の時期なんでね。2015年も5月に9連敗、昨年は16連敗はこの時期でしたし。
連敗をいかに少なく食い止めるかがある意味楽しみであります。
シーズンの早い段階でマツダでの広島戦に勝ったことは、嫌なイメージを持たずに済んだでしょうし、今後を考える上でも意義の大きい勝利だったのではないでしょうか。
エスコバーが攻守に渡って活躍しました。タイムリーの場面はあんなボール球もヒットに出来る技術を持っていたのですね。ヤクルトは良い外国人野手を見つけることが多く彼もその系統に載りそうですね。
私も考え方が古いせいか、勝利投手の他に、2番に強打者を置くという現代野球にいまだに違和感があります。前回の優勝は川端が大成功でしたが、山田にはクリーンアップを打って欲しいという考えが捨てきれません。
JEF九郎さんへ
確かに野手陣の顔触れが変わったというのはチームとしての変化ですね。
「野村イズムと自身のキャリアで得たやり方を上手く融合させた采配」、そんな印象はありますね。
タラちゃんさんへ
タラちゃんさんが考えるカード頭のヤクルトの先発投手は誰を推していますか?高橋で相手エースとガチンコ勝負、若手チャレンジ枠、オープナーなどが考えられますか?
超匿名さんへ
私も1番は盗塁が出来る選手、2番は小技も出来る左打者という考えが未だにこびりついていますよ(笑)。
エスコバーは何だかんだでヒットが出始めましたね。
髙橋などカード頭でパワーで打順2周りをフルスロットルで行かせたいですね。
打者のタイミング狂わせる意味でも。
カード初戦でただデータ取りたいっていうのもあるわけで、
右のコントロール良い投手で見たいのもあったりしますね。
今だと、吉田大喜、高橋、原樹理、山田大樹なんかがカード初戦が良いかな?と。
石川は復帰したら翌日試合ない日曜で中6日80球限定で頑張ってほしいものです。
あとは高梨は昨年も開幕当初良かったので、
疲れ来る前に1度リフレッシュ休暇与えないと昨年の二の舞になりそうで心配です。
あくまで私の憶測ですが投手の勝利数はリーグ優勝への貢献度を一瞬で分かるようにした指標だと思います
基本的に勝ち数の一番多いチームが優勝なので、チームの総勝ち数のうち一人の先発がどれだけ積んでくれたかわかりますからね
最多勝とおなじくタイトルになる勝率ですがこれも同じように考えます
チーム勝率が一番高いチームが優勝と考えた場合(これが現在のルールだが)は、やはりチーム勝率と一人の先発投手の勝率を見比べたときにチーム勝率より高ければ有益な先発であり、低ければ足を引っ張っていると分かります(実際は足を引っ張っているなんてことは無いんですけど、あくまで勝率を競うゲームと捉えた場合です)
このようにリーグ戦を意識した指標が勝利投手と勝率だと思います。防御率という指標は投手の優秀さ示しますが1試合にどれだけ失点するかが分かってもリーグ戦にどれだけ影響があるのかが分かりにくい弱点があります。
結局指標ってのは視点の違いだと思うんです。森を見て木を見ないのが勝利投手と勝率。木を見て森を見ないのが防御率。
通算成績のような大森林を見るときは勝利投手の方が凄さが分かり易いですしね
ちなみにwhipは枝を見てるイメージで、babipは風を見てるイメージです(笑)
小川についてですが、イニングは試合の流れや打順の関係もあるので別に気にならないですね。僕としてはランナー出して交代してリリーフに尻ぬぐいしてもらう方が嫌なので。4勝0敗という数字は小川らしいと思いますね。もともと勝ちやすい投手でしたし不思議と負けを打線が消してくれる投手ですからね。うーんどう評価するかは難しい。細かい指標だけ見るなら去年より悪化してたりすんですけど残塁数を示すRSAAというものが大きく改善しているみたいです。実際に試合中継を見ててもランナー出てから結構粘ったりできてますものね。あとは8月ごろがいつも調子よいのでそこも期待です
タラちゃんさんへ
返信ありがとうございます。高橋のパワーで押し切るか、技巧派の投手でデータを集めるか、というところですね。今回は原を使ってきましたね。
saboさんへ
詳細なコメントありがとうございます。
指標、数字をどう見るか?というだけで選手の評価も変わってきますからね。それも野球の面白さですよね。
WHIPは個人的に好きな指標で、評価の参考にしています。後はQSとイニング数ですかね。