ヤクルト3-1阪神
私は昨日のゲームで大敗を喫したことが気にかかっていた。単なる大敗では終わらないような嫌な雰囲気を感じていた。昨日中5日でイノーアを起用し、原は中7日での起用になったことも原がまだ本調子でないことを表しているようで引っ掛かりも残っていた。相手先発がガルシアということで、今日のゲームは分が悪いと感じていた。
しかしそんなゲームで20代の若手が奮闘し、勝利を手繰り寄せてみせた。雰囲気的にもチーム状況的にも厳しいシチュエーションでのゲームで勝利を手にした今日のゲームは、個人的には今シーズンの中ではベストゲームに近いゲームだったと感じている。
原は前回の登板に比べて腕が振れているように感じ、球威も増していた。しかし先頭の近本に2ベースを許すとこの回だけで3安打を集中されてしまい、先制点を奪われてしまった。かなり厳しいゲームの立ち上がりになったと感じたのだが、2回以降は開き直ったような投げっぷりで阪神打線を抑え込んでいった。5回で与四死球5という数字は、原にしては多く、まだまだ本調子ではないことを伺わせたのだが、ランナーを出してもある程度割り切ったように攻めていくスタイルは良い意味で原らしくなかった。攻めの投球を貫いたことで勝ち運が巡ってきたようにも感じる力投だった。プロでの4年間は勝ちに見放され続けた4年間でもあったのだが、今シーズンは不思議と勝ちが転がり込んできている。この流れを次の登板にも活かしてもらいたいものである。
そんな原の力投に応えたのは20歳の4番バッター村上だった。高いレベルでの話になるのだが、このところ多少状態が落ちているようにも感じていたのだが、今日は1点ビハインドの場面で貴重な逆転2ランホームランを放ってみせた。追い込まれた中でガルシアの150キロを超えるストレートをコンパクトなスイングで弾き返すと打球はそのまま左中間スタンドに飛び込んだ。スライダー、チェンジアップ、ツーシームなどを器用に投げ込んでくるガルシア相手に追い込まれながらもストレートのしっかりアジャストしたバッティングは技術的にも高く評価される一発になったのではないだろうか?バレンティンがチームを去り、山田哲も離脱する中でこの男の存在は非常に心強い。
2-1と1点リードの6回からヤクルトベンチは継投に入ったのだが、昨日のゲームで2イニングを投げた梅野が、四球とヒットなどで1アウト満塁のピンチを招いてしまい、ここでマウンドを長谷川に譲ることとなってしまった。昨日のゲーム後に恐れていたリリーフ陣の起用という部分の不安が現実になってしまったと感じた瞬間だった。相手打者が左の近本、糸井と続くとは言え、コントロールに不安がある長谷川をこの場面で使うのはあまりにもリスキーだし、昨日の坂本に3イニングを投げさせたり、中沢を1イニングで下ろさなければならなかった場面と同様にやむを得ない起用だと感じた。しかしそんな場面での投入でも自分の力を信じて目一杯腕を振る長谷川の姿がそこにはあった。
近本は追い込んでからのスライダーで浅いレフトフライに打ち取り、糸井には渾身のストレートで空振りの三振を奪ってみせた。21歳の本格派サウスポーの本領発揮に思わずテンションが高ぶってしまった。ヤクルトファンにカタルシスを感じさせるような最高のストレートだった。
長谷川の投球でヤクルトファンの興奮が最高潮に達した直後の7回に仕事をしてくれたのは2試合続けてスタメン出場を果たしていた塩見だった。昨日のホームランは大差が付いた中でのホームランであり、個人的には参考記録程度の扱いと書かせてもらったのだが、今日は最少得点差で迎えた6回に能見のストレートを完璧に捉えると打球はセンターバックスクリーンに消えていった。昨日のホームランの時もそうだったのだが、フォロースルーの瞬間に右足を滑らせてしまっているように感じたのだが、不格好なスイングでもとんでもない飛距離が出るところに塩見という選手の底知れない能力を感じることが出来る。まだまだ確率は低いのだが、日々自分のスタイルを固められるように精進してもらいたい。
そして8回の男として定着している清水は、先頭の梅野にストレートの四球を与えるなど以前に比べてボールが制御できていないと感じる場面もあったのだが、ピンチを背負っても強い気持ちで打者と対峙する姿勢は変わらなかった。近本を三振に斬って取った外角へのストレートは清水の真骨頂である。
その他でも1番で起用された山崎、セカンドで起用された廣岡など若手がチャンスを掴もうと必死でプレーする姿を見ることが出来た。こういうゲームは見ていて気持ちいいものである。
明日は高橋VS藤浪である。両投手とも投げるボールの質、キレは一級品である。安定感には欠けるのだが、どんな試合になるだろうか?
P.S サードに西浦、セカンドに廣岡という起用には多少驚きました。確か開幕前の練習試合では西浦がセカンドの守備に就いていた印象が強かったため、てっきりセカンド西浦、サード廣岡という起用になると思い込んでいました。ハイライト映像しか見ていないのですが、廣岡のセカンドは如何だったでしょうか?
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コメント
これまで何度もファインプレーで救ってくれたエスコバーですけど、初回の大山のショートゴロを内野安打にしたことで百年の恋から目が覚めた感じですね。調子が悪いか疲労かもしれません、と擁護する気にもならないです。疲労ではなく年ですね。二遊間三遊間抜かれやすい事をエスコバー自身も気にして本人が自分の足運びに自信が無いから後ろで守ったり意識が後ろになるんです。サードが適職なんどと思います。
試合は原がなにより素晴らしかった。打たれたからというより極狭ストライクゾーンのせいでピッチングスタイルを切り替えたのが良かった。スイングアウトを狙って成功させることが出来るまで回復してたとは。ただ急ピッチでリハビリを切り上げたことを考えると調子が良くても5回までなのは当分かも。
長谷川のおかげで勝てた試合でしたね。清水石山(マクガフ)も今日の球審を考えるとパワーのあるピッチャーだから乗り越えられたと思います。お見事でした。
廣岡のセカンドは残念ながら良い機会が無くて……無難なゴロとフライをちゃんと処理してた、という印象。私としては廣岡にショートスタメンをもっと増やしてほしいですね
私も一昨日の敗戦に、地獄の蓋が開いてしまったかと大変危惧をしていた一人ですが、まさかの引き締まった試合での勝利に、驚きと喜びを隠せないでおります。
長谷川もようやく練習試合で時折見せていた才能の片鱗を見せてくれて嬉しいですが、脱帽は清水です。
昨年までは「なぜドラ1?!」みたいな言われ方をしていた彼ですが、今年はどうでしょうか。
今シーズンは今のところ「これがうちの18年ドラ1じゃい!!」っと我々が自信を持って胸を張れる存在にまで急成長を遂げてくれたのではないでしょうか。
私は技術的な事はわかりませんが、精神的なところでは、打者へ向かっていく姿勢というか投げっぷりが別人のように変わったと思います。完全にバッターが精神的な駆け引きで後手に回っている感が画面からも見て取れます。(見逃し三振や、当たっても飛びはしない、取り敢えず言い訳程度に手を出した感の空振り三振が多い気がします。)
我々は今年4人の新卒投手を獲得しましたが、こういった選手にはグラウンド内のみならず、プライベートでも是非後輩の面倒を見ていただき、彼や長谷川が切磋琢磨と協調をしながら、そう遠く無い未来の投手陣を引っ張ってくれる存在にまでの成長を期待したいと思いました。
saboさんへ
私はエスコバーの守備は好きですよ。この2試合はイージーミスが目立ちましたが、中南米系の選手ならではボディーアクションの守備など見ていて面白く感じます。ただ年齢的にも日本人遊撃手の登場が必要ですけどね…
JEF九郎さんへ
清水の気迫の投球は心揺さぶるものがありますよね。「これがうちの18年ドラ1じゃい!!」って感じですね。
原樹理にはもう1イニング投げてほしかったが、ケガ明けで無理させることできないって事かな?
中10日で暫く回しそうですね。次の登板8/9ベイスターズ戦で今のところ平良なんで厳しい展開想定されますが、何とか試合作ってほしいものです。
村上もナイスHRですし、今年は逆方向にも打てているから打率上がりますよね。
前の日はあんなボロボロの試合だったので心配でしたが、
よく勝てたなと。
エスコバーね。
おいらはずっと左右の動きが悪く心配だったが、UZR(-9.4)見て納得。
まあ西浦ケガガチで廣岡もショートでの守備は不安。
そうなれば、短期的にはエスコバーでって思ったが、肝心な守備が。守備範囲狭すぎるのがね。
ショートゴロと思ったのが、センター前飛ぶのが多い。
年齢的なものもありひざとかの状態良くないみたいね。
早打ちなのもあり、
個人的には「右(打者)の爆肩倉本」って呼んでいます。
正直、ショートね。ルーキーの長岡、武岡に期待だが、早い。昨年守備よかった奥村もけが。太田もまだ2軍ですし、どこか他のチームでもショートいないかな?って思ってしまいます。
エスコバー。良い意味でおいらの評価を裏切ってください。
3割2桁HRが最低条件かな?
タラちゃんさんへ
エスコバーはやはり二遊間を抜かれることが多いように感じますね。私は守備位置の問題かな?と思っていたのですが…でも日本人プレーヤーには見られない華麗なプレーも見れて私は好きですよ。