2020年シーズンにおける「体調不良」という言葉の重み

ヤクルト０－４中日

コロナ禍におけるシーズンの難しさを感じるゲームとなった。先発予定だった小川が試合前に発熱し、そのままPCR検査を受ける事態となり、それに伴い、山田哲、西浦、石山がベンチから外れた。小川が陰性だったため、明日以降は山田哲、西浦、石山は試合に出場する予定とのことだが、今日のゲームに関してはこういった対応を取る以外方法はなかったと思われる。今シーズンに関しては、「体調不良」という言葉の重みが例年とは違っている。小川は陰性となったのだが、先日は山田哲も体調不良との報道があったため、その辺りには少し引っ掛かりを感じている。何事もなければ良いのだが…

試合の方は、急遽先発となった久保が2回に中日打線に掴まってしまい、5安打を集中され4点を失ってしまった。4日の広島戦で2イニング31球を投げ、中1日での緊急先発となったのだが、個人的にはずっと先発で久保を見てみたいと思っていたため、意外とスイスイ4，5回くらいまで投げてくれるのでは（元々ショートスターターでの起用だったかもしれませんが…）？との淡い期待も持っていたのだが、そんな期待は2回で弾け飛んでしまった。中1日の緊急登板ということで非常に難しい部分はあったと思うのだが、これまでの短いイニングの投球とは多少違った投球スタイルを披露してくれた。基本的には左打者に対してはリリーフ時と同様にストレートとスライダーのキレで勝負し、右打者にはシュート系のボールやチェンジアップも使って打ち取ろうとする意図を感じることが出来た。しかしそのボールがことごとく通用しなかった印象である。私が久保に期待する投球スタイルは、まさしく今日のようなスタイルではあるのだが、「通用しなかった。」という事実が残ってしまった。個人的にはもう1回先発でチャンスを与えてもらいたいなという気持ちは持っているのだが、今日の結果からすると左打者中心にぶつけるショートリリーフでの起用が続く可能性が高いだろうか？本当は「石川二世」と呼ばれるような投手になってもらいたいのだが…
結局久保が2回に許した4失点が最後まで重くのしかかる展開となってしまった。リリーフ陣はその後、今野、寺島が2イニングずつ、長谷川、風張が1イニングずつ登板し、きっちり無失点で抑えてみせた。いずれの投手もアピールが必要な投手だけに、しっかりアピールできたことは良かったのではないだろうか？

打線は山田哲、西浦がベンチ外、先日のゲームで左足ふくらはぎに死球を受けた青木が先発を外れるというかなり苦しいオーダーでのゲームとなった。2軍のゲームに出ていてもまだまだ違和感のない濱田、中山、宮本、田代がスタメンに並ぶオーダーは、迫力に欠けてしまうし、実力的にも厳しいものがあった。勝野には昨シーズンからやられっ放しで何とかしなければならない相手の1人ではあるのだが、今日のメンバーでの攻略は難しかった。2回には2アウト1，3塁打者久保の場面でダブルスチールで1点を奪いに行ったのだが、あえなく失敗に終わってしまった。このプレーは8月の山中VS梅津の投げ合いでスコアレスドローに終わったゲームの中でも仕掛けた策なのだが、その際は1塁走者西田、3塁走者山崎がほぼノーミスでプレーを遂行した結果の失敗だったように感じた。しかし今日に関しては、多少3塁走者のエスコバーに判断ミスや迷いがあったように感じられた。8月の時点ではこういった仕掛けが、シーズン終盤に活きてくるのでは？といった主旨のことも書かせてもらったのだが、これだけ負けが込んでしまうとこういった奇策も相手に冷静に対応されてしまう可能性が高くなってしまう。
打線は最後まで勝野をはじめとする中日投手陣を捉えることが出来なかった。このメンバーでは苦しい。個人的にはこれだけ離脱者が出ても先発で起用されない廣岡に奮起を促したい。今日のゲームでは途中出場でレフトを守り2ベースも放ったのだが、何とか結果を残し続けて先発出場を勝ち取ってもらいたい。打つ姿も走る姿も守る姿（内野でのダイナミックな守備）も「映える」選手である。少しでも爪痕を残してもらいたい。


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