ヤクルト3-3巨人
リーグ優勝目前で足踏みが続いていた巨人だが、今日は引き分けで2年連続でのリーグ優勝が決まった。ヤクルトとしては、何とか粘って1試合でも巨人の優勝を遅らせたかったのだが、最下位のチームでは引き分けが精一杯だった印象である。
まずは巨人のリーグ優勝について少しだけ触れてみたい。私は今シーズンに関しては、混戦になる可能性が高いと予想しており、その中でヤクルトにもチャンスが出てくるシーズンだと見立てていた。しかしふたを開けてみれば巨人が多球団と明らかな力の差を見せつけての優勝となった。昨シーズンも感じたことなのだが、坂本、丸、岡本という主軸がどっしりと座っていること、そして昨シーズンは調子が上がらなかった菅野が本来の投球を披露したこと、難攻不落のリリーバー中川の存在辺りが、大きかったのではないだろうか?そこに原監督の選手登用術が加わり、個人成績以上にチーム力の高さを感じる優勝となった。ソフトバンクという球界では頭一つ抜けた存在になっているチームの背中を追い掛けようとする姿を明確に見せてくれているのは今のセリーグの中では巨人だけなのかもしれない。ソフトバンクの良い所を手本にしながら、原監督という稀代の名将の力を使って、セリーグでは頭一つ抜けたチームを作った印象である。現段階では言い方は悪いのかもしれないが「リトルソフトバンク」という印象もあるのだが、日本シリーズでどんな戦いを見せてくれるのか注目してみたい。ここで日本一に返り咲くことが出来れば球界の盟主復活の第一歩となりそうである。
試合の振り返りも簡単に行いたい。
ヤクルト先発の歳内は、5回2/3を被安打6(被本塁打1)、与四死球4の3失点で降板となった。99球という球数を投じたのだが、最後は明らかに疲れが見えてしまった。これが現時点での歳内の限界ということになるだろう。それでもプレッシャーのかかるゲームでよく粘ってくれたと思う。シーズン当初は独立リーグでプレーしていた投手が、リーグチャンピオン相手にこれだけ試合を作ってくれたのだから歳内自身は今シーズンの投球を自信にしてもらい、来シーズン以降に繋げてもらいたい。しかしチーム全体で見ると独立リーグで投げていた投手が先発ローテを守れているという事実が課題として浮かび上がってくる。歳内自身は本当に良く投げてくれているが、それでも先発としてギリギリのラインの投手であることに違いはない。この歳内を明確に上回れる投手が出て来なかったという部分はチームにとっての大きな課題である。
リリーフ陣は緊迫したゲームでよく粘ってくれた。特に石山はすでに巨人のリーグ優勝が決定した後の10回裏を任されるという非常に難しいシチュエーションでの登板となったのだが、最後に意地を見せてくれた。チーム状態が上向かず、セーブシチュエーションでの登板機会は限られていたが、今シーズンの石山はある程度コンスタントに結果を残してみせた。クローザーとして及第点は与えられるのではないだろうか?
打線ではようやく廣岡と塩見の両者が活躍するシーンを見ることが出来た。個人的には期待値の高かった両選手だったのだが、廣岡は結果を残せず、塩見は怪我に泣いてしまった。これだけ結果を残せないシーズンが続いてしまうと来シーズン以降の期待値はどうしても下がってしまうのだが、それでも期待せざるを得ないチーム状況であることに違いはない。
廣岡の右方向に引っ張るような打球はロマンの塊だし、外野を守っている姿、塁上を走っている姿も非常に魅力的である。見ていて「格好イイ」と感じる選手である。後は数字である。塩見もタイムリー、盗塁を記録し、「らしさ」は見せてくれたのだが、その反面7回のチャンスでダブルプレーに倒れるなど悪い意味での「らしさ」も見えるゲームとなってしまった。来シーズンこそは主力に成長してもらいたい。
その他では高卒ルーキーの長岡にプロ初ヒットが飛び出した。同じルーキーの武岡はすでにプロ初ヒットを放っていただけに、長岡自身も早く一本放ちたい気持ちは持っていたはずである。今シーズン中に初ヒットが飛び出したことは良かったのではないだろうか?0アウト1,2塁という難しいシチュエーションでの送りバントも冷静に決めており、この辺りに野球センスを感じさせてくれる。今日はフル出場ということでいい経験になったのではないだろうか?
タイトル争いは、今日は岡本に2ランが飛び出し、村上は完璧に抑え込まれてしまった。若き4番同士のタイトル争いは非常に面白い。今日の岡本のホームランは、左手一本で払うようにボールを捉えたテクニカルなホームランだった。村上も負けじと明日以降に結果を残してもらいたい。
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コメント
廣岡のライトへのホームランは見事でした。時折ああいう打球を見せられるので期待を止めることができないんですよ。来季はもう一段成長してレフトスタンドへのホームランも打てる姿が見たいですね。
最終盤になって今野や寺島といった面々のおかげで、リリーフの整備が進んできましたかね。
巨人優勝については再三言及していますが、15勝した山口が流出した上での他チームを寄せ付けない独走優勝ですので、お見事と言うしかありませんな。私もシーズン前は、ヤクルトが加われるかは別として、混戦になると思っていました。結局大方の予想通りの巨人優勝で、応援チームであるヤクルト最下位に加えて胴上げを見せられるという、私にとっては悔さ一杯のシーズンになりました。この上FA流出という悲劇があるかもしれないとなると、ヤクルトファンとしては近年稀に見る衝撃的なシーズンとして記憶に残りそうです。
廣岡がホントに調子あげてきましたね
10月だけで3割2本塁打。何か掴めたのか。
対左は特に強いですね
高津監督が西浦を上位打線で使うのは過去対左のデータが良いからだからだと思うのですが、今年の西浦は別に左投手に強くないんですね
データを使うのも難しいです
歳内は期待以上ではありますがローテーションとしては物足りなさがありますね
フォークPだからか早めにスタミナ切れ起こしますし
とはいえ27歳という年齢は現代スポーツ科学では伸びしろがあるはずなので前向きに期待しています
31日は小川と菅野のマッチアップ
消化試合とはいえこの試合はかなり本気の試合になりそう
シーズン終盤に躍動し始めた塩見廣岡が一流に届くのか試金石になると思ってます
超匿名さんへ
そうなんですよね。廣岡はこれがあるので、簡単に切り捨てることは出来ないですよね。走攻守全てにおいて「映える」選手ですよね。あとは確率を高めることですよね。
2017年シーズンの衝撃もありましたが、今シーズンも厳しいですよね。
saboさんへ
廣岡も塩見も昨シーズンもこの時期はある程度結果を出したんですよね。潜在能力の高さは間違いないんですけどね…