摩訶不思議な男、西浦直亨

ヤクルト4-1阪神(延長10回)

西浦という選手は、摩訶不思議な選手である。西浦自身がどういった選手になろうと思ってプレーしているのか今一つ掴めない。ルーキーイヤーの開幕戦でスタメンの座を勝ち取り、初打席初ホームランというド派手なデビューを飾ったのだが、その後は中々定位置の確保が出来ず、苦しんだ。私のイメージだと安定感のある渋い内野手に成長するのかな?と思っていたのだが、今の西浦は、調子の良い時には長打を連発するが、調子を落とすと攻守ともに精彩を欠いてしまう、波が大きい、意外性のある選手になっている。イメージしていた西浦像とは違った選手になっており、個人的には戸惑いも感じることがあるのだが、今日の代打での決勝3ランは見事な仕事ぶりだった。

西浦も法大からヤクルトに入団し、7年目のシーズンとなり、年齢も29歳となった。本来であればショートのレギュラーポジションを掴んでもらいたい選手なのだが、攻守ともに波が大きく、レギュラー獲得のチャンスは何度となく訪れたのだが、そのチャンスを活かしきれていない印象である(規定打席到達は2018年シーズンのみ)。故障も多く、安定感に欠けるイメージが強い。打撃面ではよくフォームを変える印象があり、試行錯誤を繰り返している。その中で飛距離が出るようになってきており、今シーズンは前半戦に印象的なホームランを連発してみせた。今回こそは何かコツのようなものを掴んだのではないか?と期待したのだが、この前半戦の活躍も例年の西浦同様一時的なもので終わってしまった。エスコバーの衰え、廣岡の不調などもあり、チャンスは間違いなく増えているのだが、レギュラーとしての信頼を勝ち取るまでには至っていない。
今日のゲームもショートのポジションはエスコバー、サードのポジションは藤井、セカンドのポジションは宮本が起用され、西浦はベンチスタートとなっていた。出番がなく終わってもおかしくなかったゲーム展開だったのだが、延長10回の2アウト1,2塁という場面で藤井の代打として登場すると阪神岩貞の初球の甘く入った変化球を完璧に捉える3ランホームランで試合を決めてみせた。初球の甘く入ったボールにしっかりスイングを掛けることが出来ていたことから、打席に入るまでに西浦なりに準備と整理を行ってから打席に入っていることが伺えた。見事な一振りだった。これで今シーズンのホームランは10本となった。少ない打席の中でこれだけホームランが飛び出すのだから、そのパンチ力をもっと活かしてもらいたい。現在の西浦の立ち位置は、「実績に欠ける中堅プレーヤー」である。レギュラーを掴みにかかるには年齢的にも来シーズン辺りがラストチャンスになる可能性がある。チーム事情的にもショートのレギュラーは固定したい所である。もう一段ステップアップする姿が見てみたいものである。

投手陣に関しては、まずは先発の高梨が良く投げたという部分があるのだが、降板した6回は連続四球とヒットで0アウト満塁というピンチを作っての降板となってしまった。多少不運な部分もあったかもしれないが、今日も良くも悪くも高梨らしさが出てしまった。もう少し粘れるようになれば、数字も見栄えが良くなると思うのだが…そこが高梨の大きな課題である。

リリーフ陣に関しては、「最下位のチームにしては」という但し書きは必要だが、清水、石山を中心にまずまず頑張ってくれている。今日のゲームでは6回の0アウト満塁のピンチでマウンドに上がった星が1点も与えず、試合の流れを引き戻すと、そこから清水ーマクガフー梅野ー石山と無失点で繋ぎ、西浦の決勝3ランホームランを呼び込んでみせた。チームが最下位に沈み、中々スポットライトが当たることはないのだが、よく頑張ってくれていると思う。ここに来て村上もブレーキとなっており、打線に得点の雰囲気がない中でリリーフ陣が良く粘ってくれている。

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コメント

  1. sabo より:

    西浦は本当に読めない選手ですね
    とにかく安定感がなぁ……
    打撃もチームに4人しかいない二桁本塁打を打ってますがOPS.684かぁ。うーん。せめて丈夫なら計算しやすいですがどうしてもシーズン中に離脱する体調不良がありますね

    高津監督も褒めてましたが星がナイスでしたね
    これが続けばよいのですが…
    星は成績はちょっと悪めですが今年はすでに44イニング投げてある程度信頼は得た小飛躍の年ですね
    制球は前よりちょっとは良くなったかな。意外と三振は多くないのが気になるというか勿体ないというか

  2. 超匿名 より:

     この日の勝利を呼び寄せたのは星の投球と言っても過言じゃないでしょうね。見事な火消しでしたよ。このまま勝てずにシーズンを終えそうなチーム状態でしたからね。
     廣岡は対左で結果を残していますね。防御率一点台のリリーフからなので価値があります。
     西浦は一昨年についで二桁ホームラン二回目ですね。ただフリースインガーという感じなので、中軸に入ると凡退シーンが目についてイライラしますが、昔いたミューレンみたいに下位にいて、打ってくれたら儲けものといった形なら、苛立ちも少なく見れるのかなと思っています。
     村上は去年も最終盤は当たりが止まって数字を積み重ねることができなかった気がしました。四番としてフルシーズン戦ってきた疲労が来ていますかね。
     もっと気になるのは目に見えて出場機会の減っている山田です。高齢の青木よりも出番が少ないので、そうとう体の状態が悪そうですね。

  3. パイン より:

    昔、巨人の原は打席では守備のことを考え、守備では打席のことを考えていると言われていたことがあります。西浦も似た印象ですが、いつも自信がなく迷っているように見えます。野村さんは試行錯誤を重ねて土橋を3番5番に起用し名采配と言われましたが、西浦の5番は無策と手詰まり感に見えてしまいます。適性がないので結果が出なくても仕方がないのですが、本人がガッカリして調子まで落とすようなら、高津の迷采配といいたくなります。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    西浦はまだまだ迷いながらのプレーなんでしょうね。安定感に欠けますよね。

    このゲームの勝利の立役者の一人は、間違いなく星ですよね。

  5. FIYS より:

    超匿名さんへ

    星の投球は見事でしたね。

    西浦は他の選手よりも守れれば、この数字でも十分なんですが、今の守備であれば打撃も求めたい遊撃手だと感じています。

  6. FIYS より:

    パインさんへ

    私は「5番西浦」が結果を出した時、このままハマるのかな?などと思ったのですが、そう上手くは行きませんでしたね。

  7. タラちゃん より:

    西浦がほぼケガせずに上手く運用できるシーズン。
    2018もそうだったが、
    .250前後10HRくらいに落ち着くんですよ。守備も無難にこなす。と。

    ただ、2018は5番雄平までは完璧で6.7番打てばよかったのだが、
    今年は5番打つしかない状況と。

    来年ですが、外国人大砲を1塁守る選手にして、
    西浦とルーキー元山が6.7番を打てるような打順でショート運用できるようにしてほしいです。

    良い意味悪い意味でも、
    典型的B型の西浦っぽいムラっ気ある打撃が良い意味でハマりましたね。
    藤川からサヨナラHR打った感じの。

  8. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    そうですね。藤川から放ったサヨナラホームランを思い出しました。

    怪我せずに働いてくれればある程度の数字に落ち着く選手ですかね?

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