井岡一翔VS田中恒成はどうなる？

大みそかに行われるWBOスーパーフライ級タイトルマッチ井岡一翔VS田中恒成は紛れもないビッグマッチである。複数階級で王者を獲得したもの同士の日本人タイトルマッチということで非常に楽しみな一戦である。
両者に関わる過去記事はこちらから→「井岡VS八重樫　一歩も引かない激闘」、「田中恒成VS田口良一」

井岡も田中も非常にバランスの良いボクサーであり、攻撃、防御共に高いレベルにある。両者ともにボクシングIQも高く、クレバーさも感じさせてくれる。井岡が31歳、田中が25歳ということで、円熟期に入った井岡が田中をあしらうのか？それとも田中が勢いそのままに井岡を倒してしまうのか？予想の付きづらい一戦である。

井岡に関しては、ここ10年程日本ボクシング界の軽量級を支えてきた第一人者であり、個人的な評価も非常に高い。ローマン・ゴンサレスとの対戦機会を逸してしまったことやプライベートでのゴタゴタもあり、多少世間の評価を落としてしまった印象もなくはないのだが、どんな相手にでも対応してしまうボクシングスキルは非常に高いものがある。一旦引退後、復帰した経緯があるのだが、復帰後の井岡のボクシングスタイルは以前よりも好戦的になっており、パンチを強く打ち込むようになっている。強豪相手でもひるまずに戦う姿は好印象である。

一方の田中もセンス抜群のボクサーである。スピード、パンチ力共に井岡と互角に戦うだけのものを持ったボクサーだと感じる。とにかく強い相手との試合を求める貪欲さも好印象である。試合ごとラウンドごとに多少波があると感じることがあるのだが、乗ってくると止まらなくなる強さを持っている。

この対戦における勝敗予想は非常に難しい。コロナ禍による調整の難しさもあるだろうし、１R目のゴングを聞くまでは展開を予想することすら難しいと感じる。おそらくボクシングファンに勝敗予想を訪ねたとしてもほぼ真っ二つに割れるのではないだろうか？それほどまでにハイレベルな日本人対決である。

2人ともにどの程度コンディションを整えることが出来たのか？、田中が階級を上げたことによる、井岡とのパワーの差はあるのか？、田中は初回からハイプレスで井岡を追いかけるのか？、井岡は田中のプレスに応じて打ち合うのか？それとも距離を取りながら捌くのか？
何となくまずは田中の出方がポイントになるのかな？という気がするのだがどうなるだろうか？ちなみに井岡VS八重樫の戦前記事では私は、井岡が９－１で有利ということを書かせてもらっている。これは井岡のボクサーとしての能力を高く買っているからこそ書かせてもらった記事である。結果的には八重樫との打ち合いに応じた井岡が僅差の判定で勝利するという激闘だったのだが、今回も同じような展開になるのだろうか？
タフな元世界王者田口良一に明確な判定で勝ち切った田中も本物の強さを兼ね備えている。田中が勝利して一気に世代交代が進む可能性もあり得ると感じる。しかし井岡の引き出しの多さと田中の階級アップによる影響を考えると私自身は６－４で井岡優位と予想しておきたいと思う。
コロナ禍での世界戦が無事実施されることを祈りたいと思う。


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