ヤクルト6-4巨人
私は、巨人にビビっている部分がある。幼少期、まだ巨人が特別なチームだった時代にヤクルトが中々勝てなかったのを見てきたということもあるだろうし、野村監督、若松監督時代に互角に渡り合いながらも、その後長年に渡って巨人を苦手にしていることが刷り込まれてしまっているということもあるだろう。
今日のゲームは4回で巨人のエース菅野がアクシデントでマウンドを下りることとなった。急遽マウンドに上がった野上を打ち崩すことが出来れば、まだチャンスはあるかな?と考えていたのだが、5回に塩見のタイムリーで1点返して以降は、6回、7回と無得点に抑え込まれてしまい、ここで勝負ありかな?と感じていた。しかし8回に打線が繋がり、見事に逆転勝ちを収めてみせた。東京ドームでの巨人戦でゲーム後半の逆転劇というのは、そうそう見られるものではない。相手のアクシデントも絡んだ中での逆転勝利だったのだが、こういう勝ちゲームを今後のゲームに繋げていってもらいたい。下降気味だったチーム状況が上向くきっかけとなるゲームにしたいところである。
野球というゲームの面白さや怖さ、難しさが詰まったゲームだったのではないだろうか?ゲームの流れが二転、三転したゲームをポイントごとに簡単に振り返ってみたい。
①スアレスの乱調
・前回の登板では巨人打線に掴まり、4回6失点で負け投手になってしまい、今日のゲームではリベンジをかけて強い気持ちでマウンドに上がったと思うのだが、初回に坂本、ウィーラーに連続ホームランを浴びて先制を許すと、その後もボールが荒れ気味で、結局2回2/3でマウンドを下りることとなってしまった。相手先発が菅野ということを考えると序盤での3失点KOは痛いと感じた。
②3回裏0アウト満塁、岡本和犠牲フライ時の坂本の走塁
・上記の通り、スアレスの乱調により、今日のゲームの流れは完全に巨人ペースとなっていた。2-0で巨人がリードしている3回裏0アウト満塁のピンチでスアレスは岡本和に犠牲フライを浴びたのだが、タッチアップで3塁への進塁を試みた坂本を刺し、1点は失ったもののアウトカウントを増やし、大量失点は防いでみせた。シチュエーションを考えると坂本の走塁ミスという見方も出来たのではないだろうか?ヤクルト側から見れば、助かったワンプレーとなった。
③菅野のアクシデント
・今日のゲームで最も大きな出来事は、菅野が4回でマウンドを下りたことである。4回の村上の打席、オスナの打席ではちょっといつもと投球フォームが違うような違和感を感じた。それまでの菅野の出来を考えると3点のビハインドはかなり厳しい印象もあったため、4回で降板となったことは、今日のゲームの大きなポイントの1つとなった。右肘の違和感ということのようだが、フォームに力感を感じなかったため、心配である。そんな状況でもアウトを積み上げた菅野の投手としてのスキルの高さも感じられたのだが、何となく軽傷ではない雰囲気が漂っていた。
④野上、金久保の好投
・先発投手が早い回でマウンドから下りるという展開で試合を落ち着かせたのは、野上と金久保だった。両投手とも4回~6回まで投げ切り、野上が3回を1失点、金久保が3回を無失点という見事な投球を披露してくれた。両投手が降板した時点では、個人的には、「野上を打ち崩せなかったのが痛かった。」という感想を抱いていたのだが、終わってみれば、金久保が4回~6回までの3イニングを無失点で切り抜けたことが勝利に繋がった。コロナ禍での日程変更などもあり、今日はリリーフでの起用となったのだが、こういう起用法でも結果を残したことで金久保の評価はまた一段上がったのではないだろうか?
⑤ジョーカー塩見
・先日練習中に自らの不注意から怪我をするなど、中々スタメンに定着できない塩見が、今日は代打でタイムリーヒットを放ち、8回には中川から1点差に迫るソロホームランを放ってみせた。信じられないようなポカもあるプレーヤーではあるのだが、身体能力が高く、スピードとパワーを兼ね備えていることは間違いない。今日のタイムリーとホームランはどちらも試合の流れを変えるような一打となった。こういうプレーが出来るのも塩見である。
⑥村上、オスナのタイムリーとダブルスチール
・塩見のホームランで1点差に詰め寄った8回ではあるのだが、ビジター東京ドームでのゲームということを考えると同点、勝ち越しが必要な場面だった。2アウト1塁という場面で山田がヒットで繋ぐと、決して快心の一打という当たりではなかったのだが、村上、オスナに連続タイムリーが飛び出し、逆転に成功してみせた。どちらのタイムリーも大きな一本となったのだが、ここで終わらず、続く青木の打席で村上、オスナがダブルスチールを決めると、青木のボテボテの当たりがタイムリー内野安打となり、1点を追加してみせた。積極的な仕掛けがチームに追加点と勝利をもたらせた。おそらくはベンチからのサインではなく、村上が行けると判断し、三盗を企図したのではないだろうか?大江ー炭谷のバッテリーが打者青木に集中していることを見逃さなかった見事な走塁となった。
⑦サンタナのホームラン
・青木のタイムリー内野安打が飛び出すまでの流れは良かったのだが、直後に代走並木が牽制で刺されてしまい、続く8回裏にマクガフが坂本にホームランを浴び、1点差まで詰め寄られていた中でのサンタナのホームランは大きかった。今シーズンも東京ドームの僅差のゲームで逃げ切れなかったゲームがあっただけに、1点差で9回を迎えるのと2点差で9回を迎えるのとでは、心理的なプレッシャーが全く違ったと思われる。オスナ、サンタナが加入したことにより、こういった一発が飛び出す確率も高まったと思われる。いい場面でホームランを放ってくれた。
本当に1試合の中でも多くのポイントがあったと感じるゲームとなった。おそらく大きなポイントを上げるとすると菅野のアクシデントでの降板という部分を挙げる人が大多数だと思うのだが、それ以外で1つポイントを上げるとすると皆さんはどの場面を上げますか?
P.S 8回は代打で登場した内山壮も四球を選んで、逆転劇の起点になりましたね。高卒ルーキーとは思えぬ打席での落ち着きでした。
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コメント
個人的には金久保と梅野でしょうか。
振り返ると、マクガフが坂本に被弾するまで、7回を3失点で来てるんですよね。
この二人の好投があっての打線の援護だったかと。
勝ち投手にもなりましたが、特に金久保は角度ある強力ストレートで巨人打線の勢いを削ぎ、流れを持ってきたと思います。
あと、高津監督も冴えてたかと。
5回のチャンスで私は展開的に早仕かけで川端でも良いかなと思っていたのですが、塩見を送って1点を返し、その後の山崎の打席を見て、裏の守備は山崎残しではなく、塩見をそのまま残しましたよね。結果8回の本塁打。
個人的には塩見は非常に高いレベルで汎用性が高いので、今回のようなスーパーサブ的な役割が自軍も助けますし、相手にも脅威だと思っていたので、監督の采配も良かったと思います。
※ 昨日は山崎が交代対象でしたが、塩見ならサンタナや青木相手でも戦力ダウンにならないので、ベンチに置いておいて、調子悪い人と5回くらいでスパッと替えてしまうのが良いと思ってます。
おっしゃる7点すべて同意です
見どころの多いゲームでもありました
ポイントを加えさせてもらうとすれば両チームの守備が光った試合でした
②の坂本の走塁死ですがライトフライだったのでサンタナを侮ってくれたから頂いたアウトかなと思ってまして、
ヤクルトも塩見のレフト側へのタイムリーでウィーラーを侮ったか西浦が三塁でアウトになってるんですよね
私自身は前のめりに積極的な野球が好きだし、坂本も西浦も悪いプレーではないと思うのですがこの試合では流れを切る怖いプレーでした
ただ逆に言えばこれは守備側が地味に良いプレーが出来たといえれるのではないか
カメラが映していないので分からないところですがサンタナと山田との中継プレーが上手く機能したファインプレーだった可能性あるし、ウィーラーが思ったより強いボールを投げれていたかな
他にも一塁増田、打者松原を併殺に切った山田西浦のコンビネーションは見事でした
特に西浦は坂本のような華やかさはないものの、深いゴロも難しいバウンドの前進ランニングスローもこなしてました(ファースト村上のキャッチも良かった)
最近はここまで守備の光る試合は珍しかったと思うので「守備の光る試合」だと思います
JEF九郎さんへ
確かに梅野がしっかり無失点で切り抜け、試合をいったん落ち着かせた部分もポイントの1つでしたね。
金久保はいいボールを投げていますね。
saboさんへ
西浦の走塁死に関しては、紙一重の走塁だったかと思いますが、坂本の走塁死は明らかに判断ミスがあったかと思います。普通にタッチアップしてれば3塁でアウトになることはないと思いました(中村の素早い判断は良かったと思いますが…)。
松原のダブルプレーはエンドランでセカンドベースに入ろうとしている山田の真正面にゴロが飛ぶというラッキーがあったかと思います。もちろんきっちり2つのアウトを奪った山田、西浦の守備も見事でしたが。