石川雅規は戦力です!

ヤクルト1-0ソフトバンク

41歳石川雅規には、200勝という大きな目標がある。昨シーズンは開幕投手を務めながら、2勝止まりに終わり、今シーズンはオープン戦で結果を残せなかったことにより、中々登板機会に恵まれず、この日の登板は今シーズン初めて中6日でマウンドに上がるゲームとなった。そんなシチュエーションのゲームで離脱者が多く本調子とは言えないとはいえ、王者ソフトバンク打線を6回無失点で抑え、今シーズン2勝目、通算175勝目となる白星を上げてみせた。200勝という目標があることは確かなのだが、個人記録のために石川の登板機会を無理やり作ってもらえるわけではない。しっかり先発ローテ争いを勝ち抜いた中でチームに貢献してみせた。今のヤクルトにとって石川は大きな戦力である。

この日の石川は、6回を被安打6、無四球でソフトバンク打線を無失点で抑え込んでみせた。ストレート、スライダー、シンカー、シュートを内外角に配し、ストライクゾーンを広く使うとともに時折投げる緩いカーブも有効に活用し、各打者を翻弄してみせた。投球内容は「THE石川雅規」と言いたくなるような見事なものであった。またこの日の投球ではベテランらしい落ち着き、メンタルの強さも発揮してくれたように感じる。
相手先発の石川柊太が初回いきなり二者連続三振を含む三者凡退という完璧な立ち上がりを見せ、この日のゲームで勝利するためにはロースコアのゲームで競り勝つ以外あり得ないような雰囲気が漂った。石川柊太がいきなりマウンドからヤクルトバッテリーへプレッシャーを与えるような見事な立ち上がりであった。そんなプレッシャーに押しつぶされることなく、石川雅規は、初回に2安打を浴びながらもダブルプレーなどで凌ぎ、最後は柳田をセカンドゴロに抑え、石川柊太同様無失点で立ち上がってみせた。
2回以降も石川らしさは健在であり、2回は2アウトから真砂にヒットを浴びるも牽制で刺し、3回は2アウトから連打でピンチを招くも栗原を抑え、リズムに乗ると4回、5回も無失点で抑え、ヤクルトベンチの思惑通り1-0というロースコアの接戦に持ち込むことに成功した。
そんなゲーム展開が動きかけたのが6回表だった。先頭の塩見が四球で歩くと1アウト後山田がヒット、村上が死球で歩き、1アウト満塁というビッグチャンスを作ることに成功した。ここで1点でも追加出来れば、試合を優位に進められるという場面で打席に立ったオスナだったのだが、初球のパワーカーブにタイミングを崩され、ファーストゴロダブルプレーという最悪の結果に終わってしまった。この瞬間、試合の流れが変わりそうな予感がしたのだが、その裏のマウンドに上がった石川雅規がその嫌な流れを完全に断ち切ってみせた。2番今宮は、インコースの厳しいストレートで空振り三振、3番栗原は、外角のシンカーで空振り三振、4番柳田も低めのシンカーで空振り三振とソフトバンクの上位打線を三者連続三振に仕留めてみせたのである。絶対に打たれてはいけないイニングでの快投がチームを勝利に導いたと言っても過言ではない。6回無失点で抑えたのだから全体的に見て見事な投球だったのだが、特に初回の石川柊太の投球を見た後での冷静な投球、6回表のビッグチャンスを逃した後のソフトバンク上位打線への投球に石川雅規の凄さを感じることが出来た。

リリーフ陣も1-0という最少得点差の中でよく粘ってくれた。7回から大西ー梅野ー清水ーマクガフというリレーになったのだが、7回は大西が2つの四球でピンチを招き、梅野にスイッチする形となったのだが、梅野が甲斐、代打長谷川を打ち取り事なきを得ると、8回は清水が2アウト満塁のピンチを作りながらも最後は代打明石を気迫のこもったストレートで三振を奪い、何とか1-0のままマクガフまで繋ぎ、最後はマクガフが三者凡退でしっかり締めくくってみせた。
石川が勝ち投手の権利を持ったまま降板したゲームでは、後ろの投手のプレッシャーもいつも以上に大きくなると思うのだが、そんな中でもよく抑えきってみせた。

打線は今日も村上に一発が飛び出した。前日の佐々木朗もこの日の石川柊太もチームが抑え込まれる中で村上はホームランを放ち、しっかり4番の仕事を果たしてくれた。他の打者が苦戦する投手からホームランを放つ姿は本当に頼もしく映る。150キロを超えるストレートを持つ佐々木朗、石川柊太の力のあるボールにしっかりアジャストしたホームランは、また一段階村上がレベルアップしたと感じさせるようなホームランとなった。

ベテラン石川の快投、リリーフ陣の粘り、4番村上の値千金の一発での勝利は、阪神が勝利した中で何とか踏みとどまる貴重な1勝となった。今度こそこの貴重な1勝を活かして、チームが波に乗って行けることを願いたい。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     昨日は広島の大道やオリの山本も快投を見せた様ですが、石川も負けていませんでしたね。六回の投球には痺れました。これで今年の交流戦は2戦2勝ですね。ペナントではゲーム差や首位チームとの対戦成績から優勝は厳しそうですが、なんとか優勝すれば、シリーズで石川が2勝、今の好調を維持すれば小川で2勝して日本一もなんて夢想もしてしまう夜となりました。

  2. sabo より:

    大量得点は可能性が低い、勝つならロースコアと思ってましたが1-0で勝ちきれるとは。石川は野球を知り尽くしてるようなピッチングでしたね。それと石川はスタミナを不安視されていたと思いますが全然中6日6回100球いけるじゃんですね。これなら来週も投げそうですね

    バレンティンはちょっと太った気がするな

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    石川の快投もプロ野球ファンにとっては気になるニュースになったでしょうね。ナイスピッチングでした。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    野球を知り尽くしている姿を見ることが出来ましたね。ナイスピッチングでした。

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