柳キラー村上

ヤクルト５－２中日

中日先発の柳は間違いなく好投手である。ボールのキレとコントロール、緩急で打者を抑え込んでいく完成度の高い投手である。今シーズンは調子も良く、相手打線を圧倒するようなピッチングも披露している。しかしそんな柳を全くと言っていいほど苦にしないバッターがヤクルトにはいる。不動の4番村上宗隆である。この日のゲームでも初回に先制の2ランホームランを放ち、柳の出鼻を挫いてみせた。柳にとって、この村上の威圧感は半端ないのではないだろうか？

初回に飛び出した村上の先制ホームランは、その後の試合展開を考えても大きな一発となった。中日の右のエース柳とベテラン石川のマッチアップということで、どうしても先制点が欲しい場面で4番がしっかり仕事を果たしてくれた。立ち上がりでまだ調子が上がり切っていない印象もあったのだが、追い込まれた後のカットボールを見事に捉えてみせた。村上はこれまでも柳からはホームランを放っているのだが、ワンパターンのホームランではなく、様々なコースの様々な球種を様々な方向へ打ち返すことが出来ている。もちろん全部の打席で結果を出せている訳ではないのだが、柳からすると「何を投げても打たれる。」と感じるくらいのインパクトを残しているのではないだろうか？「柳キラー」と呼んでも差し支えないような村上の存在は非常に大きい。おそらく村上の存在がなければ、この柳にはもっと苦戦していたのではないか？と見立てることが出来る。柳にとっては村上がいることでヤクルト打線全体が組し辛い相手になっているのではないだろうか？
この日のゲームでは村上の先制2ランの後は、中々追加点が奪えず、一旦は同点に追いつかれてしまったのだが、6回に青木にヒットが飛び出し、1アウト1塁で村上に打席が回ると村上は四球で歩き、続くオスナが試合を決める勝ち越し3ランホームランを放ってみせた。完璧な一撃であり、オスナを褒めたたえる場面ではあるのだが、その前の打者である村上に対して柳が苦心の投球をしていることが伺え、ピンチを広げてしまった動揺が多少なりとも影響した部分もあったように感じた。村上の存在は本当に心強い。

そして柳とのマッチアップでもしっかり自分の投球を披露し、6回2失点の好投で3勝目を上げた石川の投球も見事だった。3回にロッテから移籍して即先発出場となった加藤翔、4回に堂上と伏兵に一発を浴びてしまったのだが、そのホームラン2発以外は、ほぼ危なげない投球を披露してくれた。ヒッターズパークと呼ばれる神宮球場でこれだけ試合を作れるのだから見事である。緊迫した試合展開にも関わらず、6回を無四球でまとめる投球術は石川ならではである。相手の先発柳はいわゆる旬の投手であり、試合前は多少石川の方が見劣りしてしまうかな？などと言う気持ちもあったのだが、終わってみれば石川の経験値の高さが柳を上回ることとなった。

首位阪神が7連勝ということで止まらなくなってきた。正直今回の中日との3連戦はスイープを狙いたいところである。そうしないと阪神の背中が見えなくなってしまう危険性がある。石川に続いて、小川、奥川にも結果を求めたい。


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