ヤクルト0-1中日
ラストプレーはどう転んでもダブルプレーという判定しか出来ないだろう。優勝争い真っ只中での出来事であり、引きずりたくもなるのだが、明日からもゲームが続いていくため、チーム全体としてしっかり切り替えて、明日からの試合に備えてもらいたい。ラストプレーをピックアップするべきゲームであるかどうか悩んだのだが、この場面についてはリアルタイムでテレビ中継を見ることも出来ていたため、最初に触れることとしてみたい。
9回1アウト1,2塁で代打川端の打ったゴロをセカンド堂上がキャッチし、一塁へ送球したのだが、一塁はセーフの判定。その後一塁走者だった西浦を中日は一旦は挟殺プレーでアウトにしにいったのだが、打者走者の川端がセーフだったため、京田はセカンドベースを踏んで、一塁走者の西浦をフォースアウトとしたはずだった。ここで2塁塁審がアウトのコールをしていれば、おそらく2アウト1,3塁バッター塩見(もしくは代打宮本があり得たか?)で試合は続いていたと思われる。しかし京田がセカンドベースを踏んでも2塁塁審のアウトコールがなかったため、京田をはじめとする中日野手陣は、そのまま挟殺プレーを続行した。その間に本塁へ突入した古賀はタッチアウトとなった。一見すると2アウト1,2塁で試合が始まるようにも感じたのだが、中日ベンチはリクエストを要求した。2塁塁審はアウトコールを行っていなかったのだが、京田はしっかりセカンドベースを踏んでいた。この時点で一塁走者の西浦は本来であればアウトになり、2アウトとなっていたのである。そして本塁を狙った古賀に中日の捕手木下がタッチして、3アウト試合終了ということになった。中日ベンチのリクエストの要求は当然である。そして審判としてもこのリクエストに関しては、一塁走者をアウトとするのは当然のことだと思う。
私はこのプレーを見た時に何故古賀がホームへ飛び出してしまったのか?福地コーチも何故古賀を止められなかったのか?とも感じたのだが、もしかすると2塁塁審がアウトのコールを行わなかったことで、「打者走者の川端がアウトになったのか?」と判断し、ギャンブル的に本塁へ突入せざるを得なかった可能性もあったのかな?と考えることも出来る。当事者しか分からないことなのだが、単純なボーンヘッドではなかったのかもしれない。
野球というゲームはルールが複雑であり、時折こういったプレーが見られるのだが、今回のプレーに関しては、そんなに難しい類のプレーではない。しかしちょっとした審判のミスでプロである選手達も一瞬混乱した様子が見られたし、私自身もテレビ中継を見ていてすぐに事態を飲み込むことが出来なかった。但し、冒頭にも書いたようにどう転んでもダブルプレーにしか出来ない状況だったことは確かだと思う。心情的には最後の球審の説明時に、「なぜ高津監督が抗議したのか?」という部分にしっかり触れてほしかったというのはあるのだが、この辺りは審判として触れるわけには行かなかったということなのだろうか?個人的には触れてもらって、それでも「ダブルプレー成立である。」ことを説明してもらった方がすっきりしたような気がする。
このプレーに対して高津監督は強く抗議をした。優勝争い真っ只中で残り試合数は40試合を切っている。1つの判定、1つの勝ち負けが優勝争いに大きく響いてくる。高津監督の15分近くに渡る抗議は、もちろんラストプレーへの抗議であるのだが、リーグ優勝というものの重みや1つのプレーの重みというものをチーム全体に改めて伝えるという意味でも意義のある抗議になったと思う。ヤクルトが最後にリーグ優勝を果たしたのは2015年であり、そのシーズンを戦った選手はまだ数多く在籍しているのだが、その前の優勝は2001年にまで遡る。今日の先発石川が入団する前年のことである。そんなチームがリーグ優勝への執着心をどこまで強く持てるのか?という部分はチームとしての課題でもあると思う。昨日、今日の連敗は間違いなく痛いのだが、もう一度チーム一丸となるチャンスが訪れたようにも感じている。気持ちだけで勝てる程プロの世界は甘くないことは分かっているつもりなのだが、それでも気持ちの部分が大切であるということも紛れもない事実である。明日以降の選手の奮起に期待したい。
高津監督の抗議に優勝への執念を感じたのだが、もう一人優勝への執念を見せてくれた選手がいた。それが先発の石川である。プロ20年の大ベテランだが、これまでリーグ優勝は1度しか経験していない。その2015年の優勝時には大事なゲームで大仕事をしてくれたのが、石川だった。それからすでに6年の月日が経過し、ベテランだった石川は、今や大ベテランとなった。体力的な衰えを感じさせる場面もあるのだが、投球術と打者との駆け引きは更に円熟味を帯びてきている。今日は初回に先頭の京田に3ベースを許すと大島にタイムリーを浴び先制点を奪われてしまった。しかしその後は、大怪我を避けながらもきっちりアウトを取る投球で、中日打線を無失点で抑え込んでみせた。ランナーを出すこと、カウントを悪くすることも厭わない投球術は石川ならではである。6回で被安打7という数字は決して褒められる数字ではないのだが、石川の場合は、状況に応じた投球が出来ているため、被安打7という数字を単純に「打たれている」と捉えることは出来ない。6回1失点という数字にこそ意味があるし、石川の良さを表しているのだと思う。今日の好投も勝ち星にはつながらず、逆に敗戦投手となってしまったのだが、チームのために奮起する大ベテランの石川にリーグ優勝の味をもう一度味わってもらいたい。そのために他の選手は奮起しなければならない。
今日はどうしてもラストプレーの部分に多く触れてしまったのだが、このプレーに気を取られて、本質を見失う訳にはいかない。昨日は原樹理の投球に「失望した。」ということを書いたのだが、今日のゲームでは中日先発の小笠原を崩せるところで崩せなかったことが全てである。初回、2回、5回、7回と得点圏までランナーを進める場面はあったのだが、どの場面でも一本を出すことが出来なかった。9回は西浦のバント失敗も響いてしまい、最後まで得点を奪うことが出来なかった。西浦や渡邊が盗塁を決めるなど仕掛けてチャンスを作る場面もあったのだが、それと同じくらいミスも目立ってしまい、最後まで中日投手陣を捉えきれなかった。明日からは神宮での阪神2連戦である。何とか打線が投手陣を助けてもらいたい。
甲子園で阪神に勝ち越し、一旦は優勝争いに踏みとどまったのだが、4位の中日に連敗を喫したことでまたしても崖っぷちに追い込まれてしまった。とにかく勝利が欲しい所である。
P.S マクガフの登板間隔が空いていることが気になりますね。この登板間隔がマクガフにとって吉と出るか凶と出るか気になる所です。
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コメント
(どっちの贔屓でも無いのですが)
あのプレー結末はヤクルトが悲しすぎます。
解説藤川が言ってたように監督高津からの講義中の主に中日側ですが「終わった終わった」
の雰囲気を作らせない配慮が出来ないものか。
結論はどうあれフェアでは無いです。ニュートラルな状態にする審判説明を入れるとか。
他チームファンがお邪魔しました。
昨日の石川には勝ちを付けて欲しかったですね。防御率二点台は素晴らし過ぎます。
ラストシーンについては、ヤクルトファン目線からすると負け投手審判と言いたくなりました。
ロッテ墓さんへ
初めまして。コメントありがとうございます。
藤川氏の解説は非常に聞きやすいですよね。大混乱となったラストプレーも視聴者に分かりやすく説明してくれていたと感じます。一二塁間で挟殺プレーが続いている最中に「これは、3塁ランナーは非常に難しいですよ。」というような発言をしていたと思うのですが、私はその時点では何が難しいのか理解出来ていませんでした。何故古賀がホームを狙わなければならなかったのか?という部分をプレーが続いている中で理解していたことに藤川氏の凄さを感じました。
超匿名さんへ
今シーズンの石川は役割をしっかり果たしてくれていますよね。それでも勝ち星が積み重なってこないところがファンとしてはもどかしいですよね。