ヤクルト4-2DeNA
サイスニードのパワーピッチも西浦のチャンスでの3ランも高津監督の選手の疲労度を考慮しながらの采配も上手く行き過ぎている。私は、サイスニードも西浦も引き分けを挟んで6連勝中のヤクルト自体もまだ信用しきれていない部分がある。「運」の要素も含め、たまたま勝ちが転がり込んできているようにも感じる。しかし長いペナントレースを戦う上でこういった時期があることが重要であることもまた事実である。シーズン終盤の最初の山場と思われた10連戦だが、ここまで5勝2引き分けで凌ぐことが出来ている。
先発のサイスニードは初回から自慢のパワーピッチでDeNA打線を抑え込んでみせた。先発でこれだけ力勝負が出来る投手は希少価値が高いため、先発ローテに居てくれると相手の目先を変えることも出来、ありがたい存在である。しかし前半戦から安定感に欠け、ボールが走っていると感じる日でも中々長いイニングを投げることが出来なかった。しかし今日は、初回から高めのストレートに威力があり、4回までDeNA打線をノーヒットに抑え込んでみせた。7回にオースティン、牧に2ベースヒットを浴び、1点を失ったものの、7回を投げ切り、被安打4、与四死球2の1失点と先発としての役割を十分に果たしてくれた。オリンピックでの中断を挟んでいこう、先発として安定感が出てきている。1か月間の中断期間中に上手く調整が出来たということなのだろうか?高めのストレートを多投出来る時は調子が良い時であることは間違いなさそうである。
サイスニードが7回まで投げてくれたこともあり、リリーフ陣は8回田口、9回星と2人の起用のみで抑えることが出来た。おそらくマクガフの登板はないと思っていたため、9回は星に託す可能性はあると思っていたのだが、高津監督は8回も清水や今野ではなく、田口を起用して乗り切ってみせた。高津采配の冴えを感じるとともに田口、星も今野や清水に劣らない力は持っていることを示してくれたのではないだろうか?
田口に関しては、個人的には先発タイプだと感じているのだが、短いイニングで全力で腕を振る投球も様になっている。この辺りは流石に巨人で先発、リリーフ両面で起用されていた投手だけのことはあるな。と感じさせてくれる。配置転換直後からしっかりリリーフ仕様の投球に切り替えることが出来ている。数字以上に今シーズンのヤクルトの躍進に貢献してくれていると感じる。
田口にしろ星にしろ今後もリリーフとして役割が固定されない中での起用が続くと思われるのだが、今日のゲームを田口ー星のリレーで逃げ切れたという実績が今後に繋がってくるはずである。高津監督をはじめとする首脳陣もリリーフ起用の選択肢が増えたと認識しているのではないだろうか?
打線は、昨日のゲームで負傷交代したサンタナに代わって2番ライトで山崎を起用するとともに、青木も休ませ、8番レフトで坂口も起用してきた。サンタナのスタメン落ちはある程度予想されていたのだが、同時に青木も休ませる辺りが高津監督らしい。高津監督は1年目から選手のコンディショニングには非常に気を使っている様子がある。休みも与えながら出来るだけ良いコンディションでゲームに臨むことを重要視しているのだろう。
それにしてもサウスポーの石田が先発というシチュエーションで左の山崎、坂口を起用してきたことには驚いた。おそらくデータを活用した中で左打者の山崎、坂口を起用したと思うのだが、高津監督の選手の起用法は本当にブレないものを感じさせてくれる。おそらく主力の休養についてもそれに伴う選手の起用についてもしっかりとした意図、根拠があることを感じさせてくれる。その部分がチーム内でしっかり共有されているのではないだろうか?
そんな試合で大仕事をやってのけたのは、7番ショートで起用された西浦だった。4回に村上の2ベースとオスナの四球で作った2アウト1,2塁のチャンスでカウント2-0から石田がストライクを取りに来たストレートを完璧に捉える先制3ランホームランを放ってみせた。西浦のパンチ力はよく知られている所なのだが、安定的に数字を残せないという課題があり、未だにレギュラーに定着することが出来ていない。しかし今日の一発に関しては、完全に狙いすましての一発であり、相手バッテリーの配球を読み切ってのスイングだったように感じる。相手バッテリーとの駆け引きに勝利しての3ランホームランということで内容のある打席になったのではないだろうか?1点を返された後の8回には山田にもホームランが飛び出し、DeNAに傾きかけた流れを引き戻してみせた。
本物の強さがあるか?と聞かれればおそらく答えは「NO」となると思うのだが、優勝争いに身を置く中でチームの一体感が強くなってきていることは感じさせてくれる。おそらく今は上手く行き過ぎている部分もあると感じるのだが、こういう時だからこそ勢いを大切にして戦ってもらいたい。日々状況は変化し続けるはずである。勝てるゲームをしっかり勝ち切りたい。
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