ホームランとエラーと四球

ヤクルト1-1中日

ホームランとエラーと四球というものは、試合を決める大きな要素になり得るプレーである。とくに現在のバンテリンドームでの中日戦は、1つのホームラン、1つのエラー、1つの四球が他球場、他球団とのゲーム以上に命取りとなってしまう可能性が高いと感じている。
この日のゲームでもヤクルトの1点はサンタナのホームランでの得点だったし、中日の1点は「エラー」は記録されなかったが、村上のミスが絡んだ中での得点だった。やはりバンテリンドームでのゲームは1つのホームラン、1つのミス、1点の価値が普段以上に重くなる印象である。

ヤクルト先発の原はここ数試合良い意味で「原らしい」投球を継続してくれている。9月12日には同じバンテリンドームでの投球を酷評したことがあったのだが、この日はバンテリンドームの広さ、中日打線の現状も頭に入れた中でいつも以上に大胆な投球が出来ていたのではないだろうか?シュート、スライダーを用いて内外角を広く使う原らしい投球が出来ていたのだが、いつも以上にフライアウトが多かったのは、慎重になり過ぎて苦しい投球になるよりはしっかりストライクゾーンの中で攻めようとした結果だったのではないだろうか?試合は1-0という緊迫した状況で進んでいたのだが、6回まではほぼ危なげない投球を披露してくれた。
それだけに7回は、野手陣にしっかり守ってもらいたかった。この回は先頭のビシエドを打ち取った後に高橋にヒットを浴びてしまい、1アウト1塁というシチュエーションで代打A.マルティネスを迎えたのだが、そのA.マルティネスを原はインコースのシュートで注文通りのサードゴロに打ち取った。ダブルプレーでこのイニングを終えられるというシーンだったのだが、ここでサード村上がボールを弾いてしまい、アウトを1つしか奪うことが出来ず、2アウト2塁というピンチを残ってしまった。続く桂の右中間への打球は前進守備を敷いていた山崎がグラブに当てるものの捕球しきれず、同点タイムリー3ベースとなってしまった。守り切らなければならない場面で守り切れなかったことによって勝ち切ることも出来なかった。1つのミスが勝敗を決することになることを痛感するゲームになった。
先程も書いたようにバンテリンドームでの中日戦は特に1点の重みが大きくなる。その中でミスで相手に付け入る隙を与えてしまうと結果として響いてしまう可能性も高くなる。
その後は、清水ースアレスのリレーで無失点で抑えたのだが、この日のゲームに関しては、私個人としては、勝てるゲームを引き分けてしまったという印象の方が強いゲームとなった。

打線は勝野相手に苦しむことはある程度は想定内だった。それだけに2回に飛び出したサンタナのホームランは大きなプレーとなった。アウトコース高めのストレートを力強く振り抜いた打球はライトスタンドに飛び込む先制ソロホームランとなった。サンタナは右方向への長打に特徴がある、助っ人外国人選手である。こういった打撃スタイルの日本人選手はほぼ皆無であるため、打線を「線」として考えた時に違ったタイプの長距離砲が1枚加わっていることは大きなことだと感じる。長いリーチでアウトコースのボールにも対応できるため、NPBでは常識とされてきた「困ったときはアウトロー」、「投球の原点はアウトロー」という言葉が通用しないタイプの打者である。この日のホームランはアウトハイのボールを捉えたものだったのだが、あのコースをライトスタンドに運べる打者も多くはないはずである。数字以上に相手チームに嫌がられる打者なのではないだろうか?

バンテリンドームでのゲームは今シーズン最後となったのだが、この球場は神宮球場とは正反対の特性を持った球場である。バンテリンドームではバンテリンドームなりの戦い方があり、神宮球場では神宮球場なりの戦い方がある。こういった球場による違いも野球の面白さの1つである。

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コメント

  1. sabo より:

    考えてみるとヤクルトの投手陣投球イニングTOP5の2人(田口スアレス)をリリーフに回したのって慧眼です

    サイスニード、高橋、高梨、原樹理の目途が立ったとはいえよく決断したなぁと。
    そして4人もその期待に応えて安定したピッチングを見せてくれますね
    まあ原樹理はこんなもんじゃないという気もしますけどね。なんか運が無いんだよな

    スアレスに関してはオープン戦だったかで1イニングで160キロ出てたのでリリーフ適正あるのではと思ってました
    火消しから勝ちパターンbのクローザーまで色んな起用がされますがちゃんとこなしてますね
    恐いのはスぺだけど、3連投させてないから大丈夫かな

  2. 超匿名 より:

     原の好投は中日が一軍半みたいなメンバーだったので、少し割り引いて考える必要がありそうですね。それでもこの頃の投球を見ると来季はキャリアハイを残すことも期待したくなります。
     清水は去年に続いてタイトルが確定しました。一発を食らうことが多いですが、良く投げてくれていると思います。

  3. パイン より:

    原は勝ち運があまり無さそうなのが、つらいところですね。大事な場面での登板は心配になります。意外性の魅力もあるんですがね。サンタナは自分の特長をよく生かしてますね。打順もこの辺りが、いい流れに流れに繋がっているように思います。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    スアレス、田口をシーズン中にリリーフに配置転換するということはかなりの英断ですよね。

    私達ファンには分からないことではありますが、外国人選手に関しては契約上の縛りもあると聞きますしね。

  5. FIYS より:

    超匿名さんへ

    そうですね。バンテリンドームでの1.5軍の中日戦ということで割り引いて考える必要はあるでしょうね。それでも一時よりは間違いなく状態は上向いていますよね。

    清水も本当に良く投げてくれています。

  6. FIYS より:

    パインさんへ

    サンタナが7番に居ることの心強さ(相手からすると不気味さ)はありますよね。

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