6年ぶりのセリーグ制覇は、141試合目で達成。

ヤクルト5-1DeNA

開幕前、開幕直後は「暗黒時代」が到来するのではないか?と危ぶんだのだが、不思議な反発力で阪神、巨人相手に喰らい付き、山場と見られていた、9月の10連戦を7勝3分け、10月の巨人、阪神との6連戦を5勝1敗で乗り切り、一気にセリーグの主役に躍り出てみせた。優勝を目の前に苦しみ、最後の最後までヤクルトにも阪神にもリーグ制覇の可能性が残る熾烈な優勝争いとなったのだが、ヤクルトの141試合目、阪神の143試合目で優勝チームが決まった。
以前の記事にも書かせてもらったのだが、今シーズンのリーグ優勝に関しては、高津監督のマネジメント能力あっての優勝だったと思っている。2年連続最下位に沈んでいたチームをよく立て直してくれた。6年ぶりのセリーグ制覇を大いに喜びたい。

6年前の優勝決定試合の記事はこちらから→「14年ぶりのセリーグ制覇!ヤクルトスワローズの皆さんありがとうございます!

DeNAの先発が今永だったため、今永の出来が良ければ簡単には得点出来ないと思っていたのだが、そんなゲームでヤクルト先発高梨は、初回に森、牧に2ベースを浴び、いきなり先制点を許してしまった。厳しい立ち上がりになったと感じたのだが、今永自体の出来も良くはなかったため、打線がすぐに失点をカバーしてみせた。
2回に村上のヒットとサンタナの2ベースでチャンスを作ると1アウト後にオスナのサードゴロの間に村上が生還して同点に追い付くと、3回には塩見、青木、村上のヒットで1アウト満塁のチャンスを作るとサンタナが右中間を深々と破る2点タイムリー2ベースを放ち、勝ち越しに成功すると続く中村にも後少しでホームランというレフトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースが飛び出し、5-1とリードを広げてみせた。オースティンを欠き、宮崎がスタメンを外れたとはいえ、DeNA打線は強力打線であることに変わりはないため、2回、3回で5点を奪えたことは大きかった。
その後はDeNAリリーフ陣の前に追加点を奪うことが出来なかったのだが、ヤクルトの投手陣も4点のアドバンテージを活かしながら、上手くDeNA打線を抑え込んでいった。高梨を4回でスパッと交代し、5回は石山を投入、2アウト1塁バッター森の場面で田口を投入、6回、7回を今日の先発候補にも名前が挙がっていた高橋に任せるという積極的な継投策は、優勝を目前にした明日なき戦いだからこその継投策なのだが、想像以上に思い切った継投策を用いたことに驚きを感じた。オーソドックスに考えるのであれば、5回までは先発の高梨に任せて良いと感じたし、4点のリードがあっただけに石山には1イニングを任せて良いとも感じた。残り2試合の広島戦のことを考えるのであれば、6回からの高橋投入も決してセオリー通りの起用法ではなかったと思う。しかし高津監督は今日の勝利のために準備していたであろう継投策で勝利と優勝を掴み取ってみせた。7回終了時点で4点のリードを保ち、試合を整えた中で8回清水、9回マクガフという勝ちパターンを起用する展開に持ち込むことに成功した。
開幕前、開幕直後にはとにかく投手が揃わないという印象があったのだが、シーズン終盤には投手陣が打線を助けるゲームも数多くあったし、先発陣もリリーフ陣もいつの間にか枚数が揃って来ていた。この辺りは高津監督の手腕を褒めるべきだと思っている。
8回、9回は清水、マクガフがランナーを許しながらもきっちり無失点で凌ぎ切り、M1として、阪神ー中日戦の経過を見守ることとなった。正直今日阪神が甲子園で中日に負ける可能性は低いと思っていたため、29日もしくは11月1日までもつれる可能性が高いと予想していた。しかし私の予想に反し、中日先発の小笠原が阪神打線を抑えると、終始中日ペースで試合が進み、4-0で中日が勝利し、その瞬間ヤクルトのリーグ優勝が決まった。

9月の10連戦からの戦いぶりは「上手く行き過ぎている。」という気持ちと「それだけ強くなったのかもしれない。」という両面の気持ちを持ちながら応援を続けてきた。このまま一気にリーグ優勝を決められるかもしれないという状況になったのだが、そこから阪神の巻き返し、ヤクルトの躓きもあり、残り3試合の時点でどちらに転んでもおかしくない展開となってしまった。優勝を逸してしまう可能性もそれなりに出てきたと感じていたのだが、こういったギリギリの状況で何とか勝利を重ねてきたのが今シーズンのヤクルトスワローズだった。今回も負ければ首位陥落となる24日の巨人戦、そして今日のDeNA戦とプレッシャーの掛かる中でもきっちり勝利を掴み取ってみせた。こういった崖っぷちでの強さを見せられると、やはりヤクルトは今シーズンの優勝チームに相応しいだけの力を持ったチームだと言えるのではないだろうか?

今シーズンはオリンピックもあり、変則日程となっており、CSのファイナルステージも11月10日~という異例の日程である。屋外球場で11月中旬にナイターでゲームを行うという過酷な環境になるのだが、そのための準備をしっかり行ってもらいたい。私はCSには反対の立場を取っているのだが、もし阪神とファイナルステージを戦うことが出来るのであれば、シチュエーション的には何も反対することはないと思っている。リーグ優勝を果たしたのはヤクルトではあるのだが、もしCSで阪神が勝利すれば、シーズンのゲーム差からいっても十分日本シリーズに進出するに値するチームということになる。私個人としては、出来れば阪神とのファイナルステージを見たいと思っている。

ヤクルトファンの皆様、6年ぶりのリーグ優勝おめでとうございます!そしてこのブログの読者の皆様、このような拙いブログを応援して下さりありがとうございます。CS、日本シーズに向けて益々応援のボルテージを上げていきましょう。今日はみんなでリーグ優勝の喜びに浸りましょう。本当におめでとうございます!

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コメント

  1. まるふく より:

    思えば、6年前の優勝の時にスワローズ関連のブログをいくつか見ていて、その際にたどり着いた先の1つがこちらのブログでした。

    明瞭でキレの良いスライダーのような文体に惹かれ、そのまま6年間ほぼ全ての記事を読み続けさせて頂いております。

    またFIYSさんの優勝記事にお目にかかることができてよかったです。

    おめでとうございます。

  2. 超匿名 より:

     まずは優勝おめでとうございます。今永は相手チームのエースでも、今季は抑えられてはいなかったので、勝利の可能性は高いと思っていました。そして選手はやってくれました。
     開幕前にファンとして優勝してほしいとは思いましたが、現実的には良くても三位くらいかと。はたしてどれだけの人が真剣に今年はヤクルトが優勝すると思っていましたかね。
     連続最下位からの優勝は直近10年で二度目!こんなことが起こるのもヤクルトならではですね。乱高下ぶりが激しい。これも90年代からの伝統なのか?
     野村門下生に限った話ではないけれど、監督には故人が達成できなかった連続日本一やリーグ三連覇以上できるチームを作ってもらいたい。
     球団にはリーグ内で相対的に人気がないことを考えるきっかけとしてもらいたい。ペナントを最後までを争った阪神より、優勝と日本一の回数共にヤクルトが上ですが人気は段違いで、ヤクルト出身ではないが身内の筈の解説者からもヤクルトとロッテのシリーズでは盛り上がらないといった発言が出たり、今回はコロナで元々論外ですが、パレードをしない(出来ない?)のもおかしいと思っています。
     

  3. カープ大好き より:

    ヤクルトがリーグ優勝して悪いです。セ・リーグは広島と巨人以外リーグ優勝してほしくなかったのに。阪神のリーグ優勝を阻止して道頓堀を守ることはよかったですが、ヤクルトのリーグ優勝は最悪です。日本シリーズに行ってほしいのは3位で終わった巨人でヤクルトは絶対に日本シリーズに進出しないでください。来シーズンリーグ優勝するのは広島でヤクルトは絶対に最下位で終わってください。ヤクルトファンには申し訳ありません。

  4. FIYS より:

    まるふくさんへ

    お褒めの言葉ありがとうございます。「スライダーのような文体。」初めて言われました。

    鋭いという意味ではまるふくさんの野球を見る目は本当に鋭いと思っています。今後ともよろしくお願いします。

    おめでとうございます。

  5. FIYS より:

    超匿名さんへ

    優勝おめでとうございます。

    ここ5年ほどでヤクルトも観客動員が一気に増えてきたと感じています(コロナ禍により昨年からは厳しくなっていますが…)。もう一段ファン獲得のための動きが出てくれば、人気球団の仲間入りを果たせる可能性もあるのではないでしょうか?

  6. FIYS より:

    カープ大好きさんへ

    お久しぶりですよね?

    今回のコメントも最後にわざわざ「ヤクルトファンには申し訳ありません。」という言葉を使って頂きありがとうございます。

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