センターラインに異状あり

開幕を前にヤクルトのセンターラインに問題が生じ始めている。昨年の日本シリーズでMVPを獲得し、今シーズンよりヤクルトの捕手にとって特別な背番号である「２７」を背負った中村が下半身の張りで開幕絶望、キャンプ、オープン戦とコンディションが良さそうだったセンター塩見がコロナウイルスに感染した山崎の濃厚接触者として、自主隔離、ショートは、西浦と長岡の競り合いが続いている。
中村に関しては、開幕直前に離脱となってしまった2020年シーズンの悪夢が脳裏をよぎってしまう。捕手というポジションは激務であるため、一旦離脱してしまうと復帰までに時間がかかる場合がある。故障した部位にもよると思うのだが、ごまかしが利かないポジションということも言えるかもしれない。どちらにしても開幕時点では、中村抜きで戦わなくてはならない。昨シーズン、CS、日本シリーズと解説陣から高評価を得ていた中村の離脱は間違いなくチームにって痛い出来事である。しかし開幕は待ってくれない。昨シーズンスタメンマスクを被る機会が多かった古賀、売り出し中の高卒2年目内山壮という若手捕手2人の内のどちらかが開幕戦のマスクを被ることになりそうである。
ロマンを感じるのは打てる捕手に育つ可能性がある内山壮なのだが、現実的に言えば古賀がスタメンマスクを被る可能性が高いだろうか？捕手としての能力という意味では高卒6年目当時の中村と比べても遜色ない実力を持っているのではないだろうか？打撃という部分で課題はあるのだが、バットコントロールは悪くないため、シチュエーションに応じた打撃に期待したい。捕手らしく頭を使って野球が出来るタイプの選手だけに、このチャンスで少しでも中村との差を詰めたい所である。
内山壮については、捕手としてはまだまだ経験不足である。しかし打撃という意味ではすでに高卒2年目の域を超えた結果を残してくれている。この打力は魅力的である。内山壮に関しては、今はとにかく打撃で結果を出してもらいたい。今の内山壮に求められていることは打つことである。

センターは塩見がどのくらいでコンディションを戻せるか？という部分がポイントになるのだが、こちらも開幕時点では出場できない可能性が高いのではないだろうか？山崎も離脱してしまったため、開幕時にセンターのポジションを担うのが誰になるのか現段階でも見え辛い状況にある。今日はルーキーの丸山和が起用されていたのだが、個人的には丸山和には、2軍でもっと多くの打席を経験して、打撃力のアップに努めてもらいたい気持ちが強い。身体能力の高さを活かした守備、走塁はある程度のレベルまで上げることが出来そうな雰囲気があるが、打撃はまだまだこれからという印象である。しかしレフト青木、ライトサンタナというスタメンが濃厚な中で、センターはある程度守れる選手が必要である。そうなると消去法で丸山和の名前が挙がってくる可能性もなくはなさそうである。
打撃職人の雰囲気がある濱田は、元々守備にも課題があり、肩、肘の故障によって送球には大きな問題を抱えている。センターで起用するのは高いリスクが付き纏う。そうなるとベテラン坂口で凌ぐという選択肢が最も現実的な選択となるだろうか？しかし坂口についても年齢的にセンターがどこまで務まるのか？という不安はある。早く塩見に戻ってきてもらわなければならない。

ショートは元山が出遅れる中で西浦の対抗馬として高卒3年目の長岡が台頭してきた。もしも阪神の開幕投手が青柳のままであったとしたらかなり高い確率で長岡が開幕ショートの座を掴んだ可能性が高いのではないだろうか？それくらいの実力は付けてきていると感じる。元々野球センスに優れている選手という印象があり、ある程度破綻することなくショートを守れるという強みがある。これは長岡の武器の1つである。捕手、センターに比べるとこの長岡の存在が心強いため、楽しみも大きいのだが、開幕戦のレギュラーを掴むことが出来るだろうか？阪神の開幕投手が藤浪であるのであれば、右打者の西浦よりも左打者の長岡が起用される可能性が高いだろうか？
西浦は西浦で不動のレギュラーという意味では相当物足りないのだが、若手との併用という立ち位置であれば、安心感を抱ける部分もある。ある程度守れて、意外性のある打撃もある。長岡と西浦でどこまでチームに貢献できるだろうか？

そしてセンターラインという意味合いでは、こういうチーム事情だからこそセカンド山田に期待したい。チームのピンチを救うような活躍を期待したい。


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