二年連続日本一への挑戦権を獲得!

CSファイナルステージ第3戦
ヤクルト6-3阪神(ヤクルト4勝、阪神0勝)ヤクルトの日本シリーズ進出が決定

CSファイナルステージ初戦後の記事に対するコメントで、JEF九郎さんより「個人的には矢野さんの采配を狂わせられた事が最大の収穫だったと感じます。」とのコメントを頂いていたのだが、終わってみれば、このJEF九郎さんのコメントが中々芯を喰ったコメントだったのではないかと感じている。初戦で塩見、山田、村上にヒットが出なくても7得点を奪って快勝したことで、矢野監督をはじめとする阪神首脳陣は、勝負を掛けざるを得ない状況となり、ロースコアで守り勝つ野球を徹底することが出来なくなった部分があったのではないだろうか?阪神サイドに起こった多少のブレをヤクルトサイドが見逃さなかったということも言えるのかもしれない。初戦を最高の形で勝利出来たことが2戦目以降、阪神ベンチの焦りを生んだのではないだろうか?
リーグチャンピオンとしてCSのアドバンテージも十分に活用しながら、ストレートでの日本シリーズ進出を決めてみせた。チームとしてブレずに戦えたことが日本シリーズ進出に繋がったのではないだろうか?

ヤクルト先発の高橋は、8月25日以来のマウンドということで、どこまで状態を戻しているか気になったのだが、心配された初回を危なげなく三者凡退に仕留める見事な立ち上がりを見せてくれた。2回は四球でランナーを溜めてしまう場面もあったのだが、このピンチを凌ぐと3回まで無失点投球を披露してくれた。4回に陽川に先制の犠牲フライを浴びると、5回には1アウト2,3塁のピンチを背負ってしまうと2アウト後大山に2点タイムリーを許し、リードを広げられてしまった。結局高橋は5回で93球を投げ、被安打7、与四死球4の3失点で降板となってしまったのだが、復帰戦がいきなりCSファイナルステージというプレッシャーの掛かるシチュエーションだったことを考えると思った以上にボールのキレは良かったと感じさせてくれた。四球でピンチを招いてしまったり、球数が多くなってしまったりと悪い意味での高橋らしさも顔を覗かせてしまったのだが、個人的には日本シリーズを見据えた中で使える先発投手が1枚増えたことを素直に喜びたいと感じるような高橋の投球内容だったように感じている。おそらく後1試合の登板になると思うのだが、最後にもう一度高橋らしい力でねじ伏せる投球を見せてもらいたいものである。

高橋の出来は上記の通り、そこまで悪くなかったと感じたのだが、阪神先発青柳の出来も良かったため、5回までに3点を失ってしまったことは、今日のゲームにおいては大きな失点になってしまったと感じていた。しかし6回、7回と木澤、田口が無失点で阪神打線を抑え込むと、徐々に青柳ー梅野のバッテリーにプレッシャーを掛けることが出来ていたのかもしれない。
7回は、1アウトからサンタナが四球で出塁したのだが、長岡はセカンドゴロに打ち取られてしまい、2アウト1塁となってしまい、この時点では、得点を奪う雰囲気にはなっていなかった。しかしここから代打の青木が死球で出塁すると塩見も粘って四球をもぎ取り、2アウト満塁とチャンスが広がり、神宮球場の雰囲気もにわかに変わり始めていた。青柳の球数も100球を超え、多少意図しないボールも見られ始めていた。しかし結局山崎は追い込まれてからの変化球を引っかけ、ファーストゴロで万事休すかと思ったのだが、今日のゲームでファーストとして先発起用されていたマルテが悪送球をし、その間に2人のランナーが生還し、点差を1点に縮めるとともに青柳をマウンドから下ろすことに成功した。
ヤクルトは青柳対策として3番セカンドで宮本を起用していたのだが、ここで投手が浜地に代わったため、この打席で山田を代打に送る選択肢もあったと思うのだが、高津監督はそのまま宮本を打席に送った。この起用に応えたのが宮本だった。追い込まれながらもしっかりボールを見極め、厳しいボールはカットし、フルカウントまで持ち込むと最後もボール球となる変化球をしっかり見極め、四球をもぎ取ってみせた。四球後のガッツポーズに宮本自身大きな仕事を果たしたという自負が伝わってきた。2アウト満塁という最高の場面で村上に打席を回すことが出来、ここで神宮球場のボルテージは最高潮に達していた。もう村上が打ってくれるという空気感が神宮球場を支配していた。私自身も「逆転満塁ホームランもあり得る。」と思ってテレビ観戦をしていたのだが、結末は予想だにしなかった意外なものとなる。
浜地のストレートに差し込まれる場面が目立ち、カウント2-2と追い込まれ、その後に投じた外角のストレートに村上が反応したのだが、打球は一塁線付近に転がるボテボテのピッチャーゴロとなった。この打球を処理しに行った浜地は一塁へグラブトスでの送球を選択したのだが、そのグラブトスが大きく逸れ、その間に3塁ランナー塩見、2塁ランナー山崎、1塁ランナー宮本がホームに返り、この回、村上のボテボテの内野安打1本のみで5点を奪い試合をひっくり返してみせた。
村上の内野安打と浜地のエラーが絡んでの3得点は正直全く予想だにしていなかったプレーとなったのだが、村上の全力疾走とヘッドスライディング、ベンチの盛り上がりを見て、ヤクルトがチームとしてまとまっていることを再認識することが出来た。期待していたのは、村上の豪快なバッティングだったのだが、こういった得点で試合の展開を変えることが出来るのも今シーズンのヤクルトの強さの1つである。
8回には、前のイニングから守備固め的にセカンドで起用された山田がタイムリー2ベースを放ち、ダメ押し点を奪ってみせた。

逆転した後の8回、9回は、清水ーマクガフの盤石のリレーでがっちり勝利を手にしてみせた。

阪神が本来の野球を出来ないシチュエーションに持ち込むことが出来た辺りにヤクルトの目に見えない部分での強さを感じることが出来た。また今日の山田を外しての宮本起用にも象徴されるように、高津監督のブレない采配も印象に残った。過去記事はこちらから→「秋までに青柳対策を考える必要がありますね
今回のCSは、阪神が相手になった時点で一筋縄ではいかない展開になると予想していたのだが、終わってみればリーグチャンピオンとしての強さを感じさせてくれるCSとなった。ファンとして昨年に続いてヤクルトが日本シリーズの舞台に立てることに興奮を覚えている。またヒリヒリするような戦いを見ることが出来ることを楽しみにしている。

P.S 矢野監督は、今日のゲームがラストゲームとなりましたね。NPBの監督業は激務だと思うのですが、阪神の監督というものはまた一段とプレッシャーにさらされる仕事なのかな?と感じることがあります。阪神というチームは伝統的にファンの後押しとチーム状態が噛み合うととんでもない力を発揮するという印象があるのですが、チームとファンの間に多少なりとも溝が出来てしまうと負の空気が作られてしまう場面もあるように感じます。私は、今シーズンに関しては阪神が本命となると思っていたため、開幕直後にここまだ崩れるのか?と驚くほどチームが迷走したことに驚きを感じました。阪神ファン自体がチームの敵になるような雰囲気が出始めてしまうこともあり、この辺りのファンと一体となって戦うという空気感を作ることが阪神にとっての一番の課題なのかな?と個人的には感じています。今回のCSは初戦にヤクルトがいい形で勝利を手にすることが出来たため、阪神首脳陣はどっしり構えて、いつもの野球をするという判断にはならなかったと思うのだが、どっしり構えて戦われた方が怖かったかな?という印象を持っています。

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コメント

  1. アーム より:

    ヤクルトは去年から大一番の試合で魅せてくれますね!
    ヤクルトナインが大事な試合、大事な場面で皆が緊張する場面をヤクルトナイン全員が楽しみながらやっている感じがして観ているファンも楽しめます。
    ヤクルトのファンは幸せものですね!

  2. パイン より:

    日本シリーズ進出おめでとうございます。
    昨年の雪辱を期すオリックスか、2015年に完敗したソフトバンクか。まだ対戦チームが決まりませんが、どちらでも相手に不足はありませんね。試合は村上の見事な一打で逆転して見せましたが、前日のサイスニードの試合を観ていても、昨年の苛烈なシリーズを経験したことがチームをタフにすることに繋がっていると実感しました。雨中で藤浪相手というだけで腰が引けそうになるところ堂々と渡り合い返り討ち。青柳を立てて、絶対に負けられない戦いの相手にも粘り強く食いついて、決定的なミスを引き出す。村上の一打はクリーンヒット以上に打撃を与えましたよね。ボールを取りにいったわきをあの激走されては焦るなという方が無理。出るべくして出た走者一掃というのが宮本のガッツポーズに表れてました。阪神のミスというより、ヤクルトの強さが見えたCS突破だったと思いましたね。

  3. 超匿名 より:

     一安打で五点をもぎ取った七回の攻めは、嶋の言うヤクルトの底力を見せてもらった感じがしました。次の回に山田のタイムリーも出たので、三戦通じてレギュラー野手は何らかの形で活躍し、投手も高橋が復帰出来たこともあったりで、全体を見て極端に調子が悪そうな選手も見当たらないように思えたので、殆ど憂いなくシリーズに臨める状況なんじゃないでしょうかね。

  4. FIYS より:

    アームさんへ

    昨年のCS最終戦での青木の逆転タイムリー、今CSの村上の激走&ヘッドスライディングの場面は球場の雰囲気、ベンチの雰囲気含めて最高でした。映画のワンシーンを見ているようでした。こういう雰囲気のヤクルトは大好きです。

  5. FIYS より:

    パインさんへ

    阪神が色々と仕掛けざるを得なかったシチュエーションを作ったこと自体にヤクルトの強さを感じることが出来ました。

    2年連続オリックスとの日本シリーズということで今シリーズは昨年以上に頂上決戦感がありますよね。楽しみです。

  6. FIYS より:

    超匿名さんへ

    CS前は不安要素の方が気になっていたのですが、いい形で日本シリーズに入っていける状況を作りましたよね。オリックスも強いですが、ヤクルトもチームの総合力で対抗してもらいたいですよね。

  7. JFF九郎 より:

    引用いただき誠にありがとうございます!
    また、二年連続の日本シリーズ進出、みなさま誠におめでとうございます!!

    金曜も20時半まで仕事しており、DAZN付けたらまさに山崎の打席でした。ただ、阪神のメンバー確認したら、マルテがスタメンでまだ守備についていてビックリ。
    、、、と思ったらのあの暴投でアララの展開でした。
    ただ、勿論村神さまがあの場面であの当たりを繰り出し、内野に転がしたの走者一掃させること迄は想像付きませんでしたが、、、。


    予感的中はさて置き、私もこの二年は阪神こそが最大のライバルだと思って居たので、その現場の長である矢野さんが、ああいう形で去ることは、ご自身が築いた"らしさ"ではあるものの、少し寂しさも感じました。

    振り返るとこのCS第2Roundは采配が全て裏目でしたね。
    この試合だけでも、マルテを替えない、佐藤バント指示、青柳交代のタイミング、更にはこれまでこ流れが起因ですが、西純矢が使えない(前日起用&ノックアウト)、原口の起用法やタイミング、湯浅温存まま等々…。

    但し、強力な投手陣(特に西純、浜地、湯浅)と、優秀なリードオフマン(中野、近本、島田)等を育てた手腕は見事でしたし、今の陣容と阪神の選手各位が得た経験は、次の政権で飛躍する礎を築かれたのではと感じます。

    矢野監督の四年間の労をねぎらいつつ、来年も阪神とは良い試合を沢山みせてくれることを期待したいと感じた一戦でした。

  8. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    阪神は投手陣が整備され、一時に比べ打線も迫力が出てきたので、戦い方によってはかなりの難敵になったことは間違いないと思います。そんな阪神相手に勝ち切れたことは素直に喜びたいと思っています。
    外から阪神を見ていた岡田監督が復帰することで、来シーズンはより一層難敵になると予想しています。

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