中々時間が作れず、触れることが出来ていなかったのだが、今年も他球団のドラフトについても簡単に振り返っておきたい。
過去記事はこちらから→「2021他球団のドラフト」、「2022年 ドラ1 12人は誰だ!」
ヤクルト
オリックス ドラフト1位 曽谷 龍平(白鷗大)左投左打 投手
・チーム事情を考えた中で非常にバランスの良い、隙の無いドラフトを展開したのではないだろうか?先発としてもリリーフとしても考えられそうな曽谷、将来の中軸候補内藤(日本航空石川高)、個人的に評価が高かった斎藤響(盛岡中央高)という上位3枚は、3人とも1位レベルの選手ということも言えるのではないだろうか?
4位杉澤(東北福祉大)の打撃、5位日高(富島)のスケールの大きさも非常に魅力的である。
DeNA ドラフト1位 松尾 汐恩(大阪桐蔭)右投右打 捕手
・DeNAは、自チームの補強ポイントに合わせた指名を行った印象である。爆発力を秘めた選手が少ないかな?という感じがしなくもないのだが、投手も野手もよくまとまった選手を獲得したな。という印象である。プロのスカウトはよくまとまった選手よりも一芸系の選手や伸びしろがありそうな選手を優先して指名することが多い印象があるのだが、今年のDeNAは、リスクを負って120点を目指すドラフトではなく、しっかり80点以上を狙いに行くドラフトを展開したのではないだろうか?怪我もあり評価を下げてしまった森下瑠(京都国際高)に注目してみたい。
ソフトバンク ドラフト1位 イヒネ・イツア(誉高)右投左打 内野手
・ソフトバンクのドラフトは今年もブレがなかった。モノになった時のリターンが大きい選手を次々に指名してく姿勢は、素晴らしいと感じる。ソフトバンクだからこそ出来る指名である。個人的には2位の大津(日本製鉄鹿島)、5位の松本(亜大)は気になっていた投手であるため、選手層の厚いソフトバンクでどの程度登板機会を得られるのか注目してみたい。
育成ドラフトでの大量指名もそれだけの選手を育成していく環境があるソフトバンクならではである。
阪神 ドラフト1位 森下 翔太(中大)右投右打 外野手
・過去の阪神には、ドラフト下手なイメージもあったのだが、2019年頃から攻めのドラフトに転じている印象がある。今年も1位入札した浅野(高松商)の獲得は逃してしまったのだが、それでいてマイナス面を感じさせない指名になったと感じる。森下は、大学で多少伸び悩んだ印象もあるのだが、走守が一定のレベルにある所はプラスポイントである。後はプロのボールにどの程度アジャストできるか?という部分が課題になるだろうか?2位門別(東海大札幌高)、4位茨木(提供長岡高)の左右2枚の高校生投手は、それぞれ将来のエース候補である。この2投手を獲得できたことは将来に繋がりそうである。
西武 ドラフト1位 蛭間 拓哉(早大)左投左打 外野手
・1位で即戦力の期待がかかる身体能力が高い蛭間を指名し、2位でもアスリート系の高校生外野手古川(佐伯鶴城高)を指名してきた。この1位、2位の指名が何とも西武っぽさを感じさせてくれる。上位2枚が外野手という指名は、おそらくそれ程ないことだと思うのだが、それでも果敢に指名してきたということは、西武のスカウト陣は、相当この2人に惚れ込んでいるのではないだろうか?古川はまだ時間がかかりそうなのだが、楽しみな選手である。
巨人 ドラフト1位 浅野 翔吾(高松商)右投両打 外野手
・希望通り浅野を1位で獲得できたことにより、その後の指名もスムーズに運べたのではないだろうか?2位は萩尾(慶大)ということで、西武同様1位、2位ともに外野手の指名となったのだが、その後即戦力が期待される投手、内野手を獲得することが出来ており、バランスの良い指名になった印象である。個人的には、5位の船迫(西濃運輸)に注目している。
巨人はドラフトと言うよりも育成環境をどのように整備するか?という部分に課題があるのだと思う。
楽天 ドラフト1位 荘司 康誠(立大)右投右打
・楽天はおそらく、今年のドラフトで最も賛否の分かれる指名になったのではないだろうか?本ドラフトで獲得した投手5名はいずれも大学社会人の投手という指名を敢行してきた。個人的には3位渡辺(九州産業大)、4位伊藤(東農大北海道)の2人は特徴のある面白い投手だと感じていたため、1年目から注目してみたい。個々の選手に関しては、私好みの選手が多く、1年目から注目してみたい選手ばかりである。5位の平良もフルスイングに魅力があり、プロでどの程度数字を残せるか注目である。
おそらく今回の楽天のドラフトに否定的な感想を持つ方々は、指名が大学社会人に偏ったこと、特に投手に偏ったことを不安視しているのではないだろうか?このドラフトが数年後にどのように評価されているか気になる所である。
広島 ドラフト1位 斎藤 優汰(苫小牧中央高)右投左打 投手
・スケールの大きな高卒選手を1位、2位で獲得するのはいつ以来だろうか(2017年の中村奨、山口以来かな。)?斎藤に関しては、今年大きく評価を高めた投手であり、サイズもあってボールの威力もある将来のエース候補である。4,5年後どんな投手になっているだろうか?2位の内田(利根商)は思っていたより評価が高かった。それだけ打撃センスの高さが評価されたのではないだろうか?1位2位でポテンシャルの高い高校生を獲得しながら、3位以降で益田(東京ガス)、河野(大阪ガス)、長谷部(トヨタ自動車)という即戦力が期待できる投手もしっかり抑えているところが素晴らしい。現在5位の河野が入団拒否の可能性があるとの報道があるため、その部分だけが心配である。個人的には、河野はドラフト1位もあり得るような素晴らしい投手だと感じている。是非プロで投げる姿を見せてもらいたい。
ロッテ ドラフト1位 菊地 吏玖(専大)右投左打 投手
・1位入札した荘司こそ獲得できなかったのだが、外れ1位で獲得した菊地も好投手であり、試合を作る能力という意味では現時点では荘司以上の力を持っているかもしれない。いい投手を獲得できたのではないだろうか?2位以降の選手も粒揃いである。スピード型遊撃手の2位友杉(天理大)と攻守に柔らかさを感じさせる遊撃手の金田(浦和学院)との出世争いは楽しみである。
4位の高野(日本通運)は、角度のある投球フォームが特徴的である。コントロールがある程度まとまればリリーフとして面白そうである。また育成ドラフト1位の吉川(浦和黎明)も肘の使い方が柔らかく今後が楽しみだと感じる。
中日 ドラフト1位 仲地 礼亜(沖縄大)右投右打 投手
・1位仲地については、注目してみたい。威力のあるストレートとキレ抜群のスライダーという軸になるボールがあるため、そこから枝葉の部分を加えていけば、先発ローテーション入りも見えてくると思う。
2位以下の指名については、チーム状態が上向いていないこともあり、獲りたい選手が多過ぎて、少し行き当たりばったり感のある指名になってしまった部分もあるだろうか?個人的には3位森山(阿南光)の将来性と6位田中幹(亜大)の内野守備に注目している。
日本ハム ドラフト1位 矢澤 宏太(日体大)左投左打 投手・外野手
・今年から新庄監督が指揮を執り、来シーズンからは新球場へと移行になり、チームの変革期にあることは間違いないだろう。そんな中で1位矢澤、2位金村(富士大)を確保できたことは大きいのではないだろうか?矢澤は、どういった起用法になるか分からないのだが、パンチ力がある打撃とスピード感あふれる守備、走塁は見ているだけで面白い。楽しみな選手である。そして金村に関しては、個人的には今年のドラフトの即戦力投手の中で№1の評価をしている投手である。球威不足が指摘されることもあるが、どの程度プロで通用するだろうか?
3位以降は3位で加藤(メッツ)を指名するなど、独自色の強いドラフトとなった。加藤のような経歴の日本人選手のドラフト指名は、これまでほとんどなかったため、どの程度数字を残してくれるか注目してみたい。
ドラフト前から「不作」などと言う言葉が飛び交う今年のドラフトとなったのだが、実際に本ドラフトで早めに指名を切り上げるチームが多かった印象が残っている。
そんなドラフト会議の中でもオリックスの隙の無い指名が個人的には、最も好印象である。その他の球団では、矢澤、金村を獲得した日本ハム、バランスの良さを感じさせる阪神、巨人、河野が指名を拒否しなければ…という条件付きにはなるのだが、将来性と即戦力を上手く指名した広島辺りが気になった。もちろんヤクルトも良い指名が出来たと感じる。
皆さんはどの球団のドラフトが印象に残りましたか?
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コメント
不作との前情報ではありましたが、ほとんどの球団が(ファンから見ても)納得のいくドラフトが出来たということは、十分に粒揃いの年だったのではないでしょうか
まぁ全体の指名数は少なかったですが
saboさん
超大物、目玉となる選手は不在だったかもしれませんが、それ以外の選手については、そこまで不作ということもないのではないでしょうか?コロナの影響をもろに受けている世代だけに、そういった選手がプロ入り後どうなるのか?という部分が一つのポイントになりますかね?