現役ドラフト

ストーブリーグ

日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が7日、オンライン形式で開かれ、出場機会に恵まれない選手救済の「現役ドラフト」について細部の内容にも合意し、12月9日に開催されることが決まった。

球団側は次年度の契約保留選手名簿を提出する際に、FA権取得選手や育成選手などをのぞいた中から2人の選手を選出。各球団は選出された選手の中から、少なくとも1人は獲得をするという方式となる。ドラフトへの選出を当該選手に通達するかどうかは、球団の一任される。
(デイリースポーツ引用)

上記のデイリースポーツの記事は、10月の記事の引用なのだが、現役ドラフトが今週の金曜日に迫ってきている。「現役ドラフト」の性質上、オープンに出来ない中で行われるため、ここまで大きく報道されることも少なく、盛り上がっているとは言えないのだが、初めての試みということで個人的には注目してみたいと思っている。
約1年前にこんな記事も書いていたので、良かったら見てみてください。→「NPB版ルール5ドラフトがあったとしたら…
この時には、やはりルール作り、対象選手の条件という部分に難しさを感じていたのだが、NPBや選手会もこの部分についてはかなり悩んだ様子が伺える。もう一度今回の「現役ドラフト」の目的やルールを簡単に確認してみたい。

目的
・出場機会に恵まれない選手の救済


対象除外選手
・FA権取得選手
・FA権を行使したことがある選手
・育成選手
・複数年契約の選手
・前年のドラフト会議で指名された新人選手
・年俸5000万円以上の選手(1名に限り年俸5000万円以上、1億円未満の選手を対象とできる。)
・外国人選手
・前年シーズン終了翌日以降のトレード獲得選手
・シーズン終了後に育成から支配下となった選手

当日の指名ルール
①最初に指名できる球団
・全12球団が対象選手の中から、獲得したい選手を1人ずつあげ、最も投票の多い球団から指名権を得ることができます。
②その次に指名できる球団
・1番目に指名できる球団から、選手を獲られた球団。
③その次に指名できる球団
・2番目に指名できる球団から、選手を獲られた球団。
④これ以降は同様に、指名された球団から、指名できる。
※このとき、すでに指名している球団から獲得された場合、指名していない残りの球団で、最初の投票の際に得票が多かった球団になる。

文字で見ただけでは、分かりづらいルールである。しかも公開されて行われる訳ではないため、現役ドラフトの結果が発表されたとしても、おそらくその過程については、オープンにならない可能性があるため、私自身は、ルールについては覚えられないかもしれない…詳しく確認したい方は、他のサイトで確認してください。

約1年前に「NPB版ルール5ドラフトがあったとしたら…」の記事を書いた時には、何となく若手が移籍することが多いのかな?と漠然と考えていたのだが、目的やルールを確認してみると、若手というよりは、アラサー世代くらいのチームで働き場所を見出しづらくなっている選手が選ばれる可能性が高いのかな?と感じている。個人的な注目ポイントをいくつか挙げておきたい。

①各球団除外選手以外から何名の選手を選出する?
・おそらくこの部分については、オープンにならない部分だと思うのだが、上記のデイリースポーツの記事では、「2人の選手を選出」となっているが、様々な記事を確認した中では、「2人以上の選手を選出」となっている。多く選出すれば、他球団から獲得希望が出る選手が増え、最初に指名できる球団になる可能性が上がるというメリットはありそうである。しかしチーム編成ということを考えれば、どの選手が移籍するか分からない中で多くの選手をリストアップするというのは難しさも感じる(同じポジションの選手を2名以上選出する可能性もあると言えばあるが…)。
普通に考えれば「2名選出」という球団が多くなると考えるのが妥当だろうか?

②バッテリー(投手、捕手)がリストに上がってくる可能性もある?
・すでにドラフト会議も終わっている中で、投手と捕手を現役ドラフトの移籍候補として選出するチームはあるのだろうか?もちろん現役ドラフトがあることは分かっている中で、チーム編成を行っているのだが、「現役ドラフト」の性質上、どのポジションの選手を獲得できるか不透明な中で、どのチームも枚数が欲しい投手や替えの利かない捕手を放出候補として考える球団が多くあるとは考えづらい。

③現在コンディション不良のある選手も候補となり得る?
・これはどうやら選出された選手にはメディカルチェックが義務付けられているようである。この辺りは非常にシビアな問題であるのだが、コンディション不良がある選手を獲得せざるを得ないとなってしまっては、「現役ドラフト」の目的から外れてしまうため、当然のことなのだと思う。

④「現役ドラフト」で指名された選手の来シーズンの出場数
・最も注目されるのは、この部分なのではないだろうか?現状のルールで実際に「出場機会に恵まれない選手の救済」になるのかどうか?これは来シーズンが終わってみなければ分からない部分である。個人的にはこのルールではそれ程、大きな変化は望めないと思っている。環境の変化を活かせる選手が数名いれば良い方ではないか?
そしてこういった他球団からの移籍選手が働きやすい環境にある球団の1つがヤクルトスワローズである。野村再生工場と言われた時代から今でもFAなどの大物以外のトレードや戦力外となった選手を戦力に仕立て上げるノウハウを持っている。おそらくこれはチームの雰囲気というものも関わってきているのだと思う。ヤクルトにとってはもしかすると良い制度なのかもしれない。

正直、やってみなければ分からない部分が多く、現時点でも「現役ドラフト」によって出場機会が増える選手が出てくるというイメージも持てていないのだが、この制度が選手にとっても球団にとってもプラスになることを願いたい。どんな選手がリストアップされて、どんな選手が移籍するのか?という部分については、興味深いため、結果発表後改めて記事をまとめられたらと思っている。

にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村








コメント

タイトルとURLをコピーしました