WBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級井上尚弥(29=大橋)が史上9人目の4団体王座統一に成功した。 WBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回1分9秒、KO勝ち。世界ベルト4本をまとめる日本初、アジア初、バンタム級初の快挙を成し遂げた。なおWBA王座8度目防衛(IBF6度目、WBC初)となり、WBO世界スーパーフライ級王者時代の7度を抜き、自己最多防衛となった。井上は「この4年間すごく遠回りした気もするけれど、バンタム級最終章、楽ではないけれど4団体統一という目標に向かって突き進む事ができた。最高の日になりました」と話した。(日刊スポーツ引用)
戦前から井上が圧倒的に優位との予想がなされていたのだが、その予想通りのボクシングとなった。初回からプレッシャーを掛ける井上に対して、バトラーは防御一辺倒にならざるを得なかった。井上の武器と言えば破格のパンチ力というものが一番に挙げられるのだが、ハンドスピードや出入りのスピード、空間把握能力、コンビネーション、防御力とどれをとっても超一流であり、1回、2回終了時点で、すでにバトラーは詰んでいたようにすら感じた。おそらくバトラーももう少し井上相手にやろうとしていたことがあったと思うのだが、井上はそれすら許さなかった。あまりに手を出さないバトラー相手に手を出すよう井上が誘いを掛ける場面はあったが、それ以外は、ほぼ同じような展開が1ラウンド~10ラウンドまで繰り返された。バトラーは手を出せたとしてもほとんど左のみであり、右を出せば、井上の強烈なカウンターを喰らうリスクが高く、最後までほとんど手を出すことが出来なかった。
そして迎えた11ラウンド、更にテンポアップした井上が左ボディを突き刺すと、そのまま連打に繋げ、バトラーからダウンを奪うと、そのままTKO勝利となった。
モロニー戦の時にも感じたのだが、バトラーも総合力の高いディフェンシブなボクサーだと感じる。しかしこの手のタイプのボクサーは井上に怖さを感じさせることが出来ないため、スリリングな場面は訪れなかった。それだけ井上の実力が図抜けているということなのだと思う。すでにバトラーの戦い方について賛否の意見が出ているようだが、おそらく今日のバトラーにはディフェンシブに戦って、致命傷を避けながら、井上の心の揺らぎなどの一瞬の隙を突く他勝機は見出せなかったのではないだろうか?私が何を言いたいかというと、バトラーにとってはこういった戦い方しかなかったのではないか?ということである。これだけディフェンシブに戦ったバトラーを最後にはしっかり倒したことで、改めて井上の強さを世界に発信することが出来たのではないだろうか?
これでバンタム級の主要4団体の王座を統一したことになり、名実ともにバンタム級№1のボクサーとなった。これでバンタム級でやり残したことはなくなった。ここからは階級を上げて、更なる強敵との戦いに挑んでいくことになる。以前より井上は「バンタム級が適正体重。」と語っており、ここから上の階級に転向した場合には、ウエイトの壁に苦しむ可能性もある。それでも世界を代表するボクサーである井上であれば、更にレベルアップした姿を見せてくれるのではないだろうか?今日も良いモノを見させてもらった。
P.S 私事ですが、ブログをWordpressへ引っ越しました。まだまだ慣れない中での投稿が続きますが、今後ともよろしくお願いします
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