ドラフト時の予想を超えた選手達

ドラフト


2023年のドラフトは、すでに「大豊作」などと言われている。私自身ドラフト会議は毎年楽しみにしており、このブログでも毎年取り上げている。ブログを書き始めてから10年以上が経過する中で、ドラフト会議を楽しむにあたっての情報収集の仕方にも多少変化があり、SNSの発達などによりアマチュア野球にも詳しい一般の方が増えている印象を持っている。
私自身は、それ程情報収集の仕方は変わっておらず、ドラフトマニアと言われるような方々のような知識は持ち合わせていない。雑誌であれば「野球太郎」や「週刊ベースボール」、またネットのドラフトを扱っているサイトなどを覗いて情報を集めるのと、僅かな情報量にはなってしまうのだが、甲子園や大学野球、社会人野球をテレビ観戦する程度である。その中で様々な選手との出会いも大切にしながら、ドラフト会議を楽しんでいる。
毎年素人なりに、好きな選手をピックアップしたりしているのだが、今日はドラフト時に私の中でノーマークだったり、あまり興味をそそられなかったけど、プロの世界で実績を残した選手をピックアップし、私自身がどういうタイプの選手をドラフト時には軽視してしまっているのか、振り返っておきたいと思う。また今後ドラフトのブログ記事を書くときに自分自身の特徴を少しでも把握しておきたいと思う。

一応、今日名前を挙げる選手に関しては、現役の選手に絞りたいと思う。また育成ドラフトの選手については、私はドラフトマニアではないため、実績を残した選手はほぼ全員名前を挙げることになってしまうため、育成ドラフトで指名された選手については対象外にすることとする。
全て私感で書くため、数字上の線引きなどは行わないこととする。一個人の考えとして受け取ってもらいたい。

セリーグ
・ヤクルトスワローズ

高梨 裕稔 投手 13年ドラフト4位(日本ハム)山梨学院大
・士気高ー山梨学院大という経歴、本格派の荒れ球ということで、ノーマークだったのだが、縦のカーブ、フォークはプロで飯が喰える高品質のボールだった。2年目での新人王の獲得も驚きだった。

梅野 雄吾 投手 16年ドラフト3位 九産大九産高
・九州四天王などと言われていた投手の一人なのだが、その中では個人的な評価は高くなかった。サイズがあまりないこと、投手経験の少なさに不安を感じていた。しかし1年目から1軍のマウンドを経験するなどし、その後リリーバーとして数字を残してみせた。

塩見 泰隆 外野手 17年ドラフト4位 JXーENEOS
・おそらくアマチュア野球、社会人野球を追っている方であれば、注目度は高かったと思うのだが、私は全く知らない選手だった。しかしこのブログでは、獲得時から塩見に期待する旨のコメントも頂いており、知る人ぞ知る存在だったのだと思う。

・DeNAベイスターズ
桑原 将志 外野手 11年ドラフト4位 福知山成美

・ドラフト当時は、右打ちのバランス型の遊撃手という印象であり、1軍に生き残るためには特徴が見出しづらいかな?と思っていたのだが、外野手として開花した。プレースタイルは元横浜の波留を思い出す。今やチームに欠かせない存在である。

佐野 恵太 外野手 16年ドラフト9位 明大
・打撃特化型の一塁手というということ、ドラフト順位が9位だったこと、DH制のないセリーグのチームに指名されたこともあり、ほぼ注目していなかったのだが、1年目のオープン戦から打撃では結果を残せていた。この指名は、DeNAスカウト陣にとっては会心の指名だったのではないだろうか?

・阪神タイガース
伊藤 将司 投手 20年ドラフト2位 JR東日本

・横浜高時代から好左腕として名前を馳せていたのだが、「まとまりすぎ」、「伸びしろがない」というようなレッテルを貼られてしまった部分もあったのではないだろうか?この投手もしっかり見ている人からは評価が高かったのかもしれない。プロでの投球を見て、完成度の高さに驚いた投手の1人である。

中野 拓夢 内野手 20年ドラフト6位 三菱自動車岡崎
・スピード型の内野手なのだが、打撃という部分で課題があるのかな?という印象があり、高校では先輩の奥村、大学では後輩の元山の陰に隠れていた印象もある。盗塁が出来る脚と守備範囲の広さ、そして率が残せるバッティングと素晴らしい野球センスを見せてくれている。

・巨人ジャイアンツ
該当者なし


・広島カープ
中崎 翔太 投手 10年ドラフト6位 日南学園

・大型右腕として高校時代から名を馳せていたのだが、個人的には西武に入団した兄の方を評価しており、弟にはどこかもっさりとしたイメージがあったのだが、力強いボールで打者を押し込めるリリーバーとしてリーグ3連覇に大いに貢献してみせた。

ケムナ 誠 投手 17年ドラフト3位 日本文理大
・3年連続リリーフとして40試合以上登板し、広島のリリーフ陣を支えている。大学時代の印象はスピードはあるけど大きな実績はなかったため、「プロではどうかな?」と感じていた。今やチームに欠かせないタフネス右腕である。

秋山 翔吾 外野手 10年ドラフト3位(西武)八戸大
「西武の秋山と言えば秋山幸二」という印象が強かった世代なのだが、この秋山翔吾の登場で、西武の秋山と言えば秋山翔吾」となった。プロ入りした時は、どちらかと言うと走塁、守備という部分に特徴がある選手だと思っていたのだが、プロの世界でめきめきと力を付け、日本を代表する好打者となった。ここまで活躍は想像できなかった。

中日ドラゴンズ
谷元 圭介 投手 08年ドラフト7位(日本ハム)バイタルネット

・大学を経て、社会人でプレーする小型右腕ということで、全くプロの世界でプレーすることを予想していなかった。日本ハムでの活躍ぶりには驚いたし、ここまで息の長いプレーヤーになるとは思わなかった。

清水 達也 投手 17年ドラフト4位 花咲徳栄
・甲子園の優勝投手であり、高校日本代表にも選ばれていたのだが、そこまで突き抜けたものは感じず、プロの世界で埋没してしまわなければ良いが…と思っていたのだが、プロ入りしてからもパワーアップを続け、リリーバーとして開花した。

藤嶋 健人 投手 16年ドラフト5位 東邦高
・藤嶋については、高1~甲子園で活躍したスターなのだが、個人的にはあくまでも野手評価をしていた選手であり、投手としてここまで結果を残すとは思っていなかった。変化球の精度と使い方が秀逸であり、投手として頭を使える選手である。

大島 洋平 外野手 09年ドラフト5位 日本生命
・いわゆる「ミスター社会人」と形容されるような好選手という印象があり、プロではどうかな?と思っていたのだが、ヒットだったらいつでも打てると言わんばかりの打撃に堅実な守備、スピードのある走塁と三拍子揃った好選手として息の長い活躍をしている。これだけの活躍をするのは私の中では予想外である。

岡林 勇希 外野手 19年ドラフト5位 菰野高
・広島に入団した兄のことも頭にあったため、あくまでも投手としてやっていくのかな?と思っていたのだが、弟はすぐに野手に転向し、身体能力を活かした守備、走塁にコンパクトなバッティングで頭角を現した。今後の中日を引っ張っていく選手になりそうである。

パリーグ
・オリックスバファローズ
該当者なし


・ソフトバンクホークス
藤井 皓哉 投手 14年ドラフト4位(広島) おかやま山陽高 ※広島を戦力外後高知FD経由

・1回NPBを離れたこともあり、全く頭から消え去っていたのだが、この投手が独立リーグを経て大化けしたことには驚いた。今日の趣旨に添わない部分もあるかもしれないが、名前を入れさせてもらった。

嘉弥真 新也 投手 11年ドラフト5位 JXーENEOS
・沖縄出身の小型サウスポーと言えば、個人的には当時同僚だった大城に注目していたため、サイドスローの嘉弥真がここまで活躍するとは全く思っていなかった。多くのアマチュア選手に夢を与えられる投手だと思う。

・西武ライオンズ
平良 海馬 投手 17年ドラフト4位 八重山商工

・私自身の特徴なのだが、やはりがっちり系の本格派投手の評価を下げてしまっているのかもしれない。平良の剛球と研究熱心な部分は、プロの世界でもトップクラスである。今年は先発としてもここまでしっかり投げてくれている。

外崎 修汰 内野手 14年ドラフト3位 富士大
・高校時代に全国経験がなく、大学も地方の大学で総合力で勝負するタイプの選手ということで、それだけで軽視してしまっていた可能性がある。そのポジションも高いレベルでこなせるユーティリティ性とパンチ力のある打撃はチームに欠かせない。

・楽天ゴールデンイーグルス
阿部 寿樹 内野手 15年ドラフト5位(中日)Honda

・明大、Hondaでしっかり活躍をしていたのだが、上記の大島同様「ミスター社会人」コースの野球選手だと勝手に感じていた。プロ入り後のしぶとくてパンチ力のある打撃と堅実な守備で中日に欠かせない存在になったことには驚いた。移籍先の楽天でも働き場所を確保できるだろうか?

島内 宏明 外野手 11年ドラフト6位 明大
・独特の感性を持った打撃職人の印象なのだが、星稜高校、明大時代の印象は、好選手だけどプロでやっていくだけの特徴に欠けるというものだった。ここまでの選手になるとは思ってもみなかった。今日名前を挙げた選手の中でも最も成長曲線に驚かされた選手である。

・ロッテマリーンズ
益田 直也 投手 11年ドラフト4位 関西国際大

・ロッテのクローザーとして長年結果を残している。地方大学出身であり、私は益田についてはドラフト時にはほとんどチェックしていなかった。サイドスローからキレの良いボールを投げ込み、長年に渡ってチームのリリーフ陣を支えている。

髙部 瑛斗 外野手 19年ドラフト3位 国士館大
・髙部は、プロの世界でここまで盗塁を出来る脚を持っているとは思わなかった。また打撃面でも力を付けている。今後も楽しみなスピードスターである。

角中 勝也 外野手 06年大社ドラフト7巡 高知ファイティングドッグス
・独立リーグからNPBというルートを切り開いた野手であり、首位打者も2回獲得している。この選手に関してもロッテスカウト陣に拍手を送らなければならない。そして入団後に角中を育て上げたコーチ陣にも拍手である。独立リーグについては、私は視聴する環境がないこともあり、ドラフト前に注目選手の動画を確認するくらいなのだが、角中のような素材の選手は沢山いるのだと思う。

・日本ハムファイターズ
石川 直也 投手 14年ドラフト4位 山形中央高

・高校時代から注目されており、甲子園にも出場したのだが、甲子園で結果を残せなかったこともあり、育成が難しいタイプの大型投手という印象が残っていたのだが、日本ハムでリリーフとして才能が開花した。右ひじの故障もあり、近年は苦しんでいるが、まだ若いため今後にも期待したい。

中島 卓也 内野手 08年ドラフト5位 福岡工
・守備型の小柄な内野手ということで、この選手を獲得し、育て上げた日本ハムは素晴らしいと思う。また中島も自分の特徴を活かして、プロの世界で実績を残してみせた。こういう選手の活躍がアマチュア球界にも良い影響を与えるはずである。

合計
投手13名(高卒7名、大卒3名、社会人3名)

捕手0名

内野手4名(高卒1名、大卒1名、社会人2名)

外野手9名(高卒2名、大卒4名、社会人3名)


このような結果になった。
投手に関しては、高卒投手は、がっちり系の本格派投手の名前が多く挙がった印象である。私自身細身でしなやか系の投手が好きなため、何となく納得した。見た目と投球スタイルで軽視してしまっていたのかもしれない。大卒投手に関しては、いずれも地方大学の3名の名前が挙がってきた。普段目にする機会が少なく、実力を測りかねていた部分があったと思われる。社会人の3名は、それぞれ違った特徴のある3投手の名前が挙がった。「伸びしろ」、「経歴」、「サイズ」といったものが気になった結果なのかもしれない。

捕手については、1人も名前が挙がらなかった。特殊なポジションであり、目に見えない部分を見極めることは素人の自分には出来ないため、最初から期待値の低い選手が少ないのかもしれない。

内野手は高卒で唯一名前を挙げた中島の存在が際立っているように感じる。守備型の小柄な遊撃手ということで、プロが中々手を出しづらいタイプの選手だと思うのだが、しっかり戦力に仕立て上げてみせた。日本ハムスカウト陣に拍手である。

外野手は、まだまだ身体が出来ていない高卒の2人と後はバランス型、打撃型の大卒、社会人の選手となった。おそらく私自身一芸型の選手の方が期待値が高く、レギュラーでなければ輝かないバランス型の選手に関しては、いつの間にか評価が下がっている傾向にあるのかもしれない。

今日の振り返り記事も参考にしながら、今後はドラフト会議関係の記事を書いていきたいと思う。自分の特徴が何となく分かって面白かった。




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コメント

  1. sabo より:

    阪神村上頌樹をドラ1クラスと思ってたので今の活躍は嬉しい(ような複雑なような)気持ちですが、アマチュア時代と同じ活躍がプロで出来るか、むしろプロで新たな才能を開花させるかを見抜くのは難しいですよね。専門家のスカウトですら外れたりするわけですから

    私が挙げるなら
    楽天・瀧中投手。全然知らなかったのですがアマチュア時代しっかり結果を残していたのですね。ただドラ6だし、何よりあの体格のわりにストレート遅すぎないか?と思って良くて中盤のリリーフかと思い侮ってましたが先発ローテーションを守ってますね。ヤクルトがこういう指名を出来たならと思う反面、神宮で先発を任せてもらえたかはまた神のみぞ知るですね

    日ハム。加藤投手。ドラフト時は社会人野球にまだ興味が無く、むしろプロ入り後に日ハムで地味な成績を残している投手という印象だったのですが去年大ブレイク。プロ野球記録のシーズン与四球11という制球力。今年は既に与四球5なので去年と同じ数字を残すにはあと6個しか四球を出せないってどれだけ去年の成績が異常か分かります

    あとはまだ結果をちゃんと出してないのでここに名前連ねるのはちょっと違うかもしれませんが大抜擢という意味で衝撃だったのが、

    日ハム・北山投手。ドラ8から新人開幕投手、そしてクローザーへの大抜擢。凄いと思いました。ヤクルト戦では打たせてもらいましたが確かにストレートは球速も速かったけどそれ以上の速さを感じましたね

    西武・青山投手。新人でクローザーに大抜擢(今は増田ですが)。新庄監督は性格的にやりそうでしたけど松井監督も攻めるなぁと思いました。ただ西武は平良の先発転向やリリーフ陣の不調もあったようですが

    • fiys より:

      saboさんへ

      瀧中は、派手さはありませんが、スローカーブなどの変化球を上手く使って、先発の一角を担っていますよね。
      加藤貴、北山、青山辺りは人によって評価にバラつきのあった選手かもしれませんね。

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