「凡事徹底」出来ず。11連敗。

2023試合結果


ヤクルト1-2日本ハム

今シーズン初めて中6日で先発マウンドに上がった石川が7回2失点のピッチングを見せたのだが、ミスミス勝利を手放してしまった。現状のヤクルトは離脱者やコンディション不良を抱えている選手、不調の選手も相まってしまい、他球団と比べてもシンプルに実力的に劣ってしまっている部分があるように感じる。そして大型連敗真っ只中というシチュエーションの中で戦わなければならないこともあり、かなり厳しい状況にあることは間違いない。先日宮本慎也氏が「こういう時は、とにかく凡事徹底が大切。」という話をしていたのだが、本当にその通りだと思う。各選手がある程度仕事をしたとしても負けてしまうゲームはあるのだが、最低限凡ミスをしないで戦うことが連敗脱出への近道であることに違いはない。今日であれば、2回のサンタナの走塁ミス、7回の長岡のバント失敗ダブルプレー、失点には繋がらなかったが、木澤の牽制悪送球、ワイルドピッチなどは、防がなければならないミスだった。実力で劣るチームがこういうミスを繰り返してしまうと勝てるゲームも勝てなくなってしまう。駒不足の中、中6日で登板した石川の好投もフイにしてしまっては、希望の光は見えてこない。

石川VS日本ハム打線の対決は中々面白い対決となった。おそらく日本ハム打線は、チームとして「好球必打」で石川を崩しにかかったのではないだろうか?石川ー中村のバッテリーはその作戦を逆手に取りながら、球数少なくイニングを喰っていくような展開となった。正直、序盤はおそらく日本ハム側から見れば拙攻でチャンスを潰してしまうようなイニングもあったと思うのだが、それも含めて、日本ハム打線が積極策を取る中でも、自分の術中に嵌めていった石川の投球はベテランらしく、味のある投球だった。万波のソロホームラン2本による2失点で7回を投げ終えることが出来たため、石川VS日本ハム打線は「石川に軍配が上がった。」と言いたい所なのだが、その積極策の中で飛び出したのが万波の2本のホームランだったようにも感じる。結局試合結果も日本ハムが勝利したため、たかが2本のソロホームランであったとしても日本ハムの積極策が勝利を掴んだということも言えるのかもしれない。そう考えると安易に「石川に軍配が上がった。」という言葉は使い辛くなってしまう。
万波の2本のホームランについては、この1年での万波の成長を感じさせられた。昨年の交流戦でも万波には痛い思いをした記憶があるのだが、昨シーズンに比べておそらくコンタクト率が上がっており、徐々に粗さが目立たなくなっているのではないだろうか?1本目のソロホームランは、石川の初球の外角ストレートを素直にライトスタンドに運んだ一発であり、石川からすると決して失投ではなかったはずである。2本目の決勝ホームランに関しては、積極的にスイングを掛けてくる万波に対して、慎重な投球を見せていたのだが、フルカウントまで持ち込んだ後のインコースを狙ったストレートが2球続けて、甘く入ってしまった。流石に2球目は逃してくれなかった。2本目のホームランに関しては、結果だけを見れば、石川の失投なのだが、それまでの試合の経過も考えると、石川ー中村のバッテリーはプレッシャーを掛けられていたのかもしれない。
それでもチームが10連敗中で投手の駒も足りない中で中6日でマウンドに上がり、7回を被安打8(被本塁打2)、無四球の2失点で試合を作った石川には大きな拍手を送りたい。


打線は、久々の登板となった上原を崩せなかったことが全てだった。おそらくこの3連戦で最も打ち崩せる可能性が高いのが今日の上原だったはずである。上原自体の調子も特別良いようには感じなかったし、今のヤクルト打線でも6回1失点で抑えられるようなピッチングには感じられなかった。それでも崩せなかったという現実が重くのしかかってくる。
今日はエスコンフィールドでのゲームということで、DH制が採用された。また山田が先発に戻り、先発オーダーは、1番ライト太田、2番センター山崎、3番セカンド山田、4番サード村上、5番DHサンタナ、6番ファーストオスナ、7番レフト濱田、8番キャッチャー中村、9番ショート長岡という並びになった。山田に関しては、登録抹消とはならなかったが、先週末のゲームを欠場しており、ギリギリのコンディションで1軍に帯同していることが伺えたのだが、今日はセカンドで先発出場を果たした。そんな中でも2本のヒットを放ったのは流石なのだが、8回に代走を送られたことからも分かるように、本調子には遠い状態である。
そんな中で周りの選手も含めて上手くカバーしていきたいのだが、冒頭にも書いたように、今日は「凡事徹底」というものが出来ない場面があった。2回は、2アウト満塁の場面で長岡がタイムリーヒットを放ったのだが、2塁ランナーだったサンタナが、何を勘違いしたのか、コーチャーが止めているのにも関わらず、ホームへ走ってしまい、憤死してしまった。2アウトだったため、長岡が打った瞬間スタートは切れているのだが、映像を見た限りではサンタナが生還できると考えてホームを狙ったのではなく、何か勘違いをして(長岡の打球がセンターフライだと勘違いした?)、走っているように見えた。折角先制点が入った場面だったのだが、非常にもったいないプレーとなってしまった。
そして7回には先頭の中村がヒットで出塁した後、長岡が送りバントを試みたのだが、小フライとなってしまい、冷静にワンバウンドさせて処理した河野の好プレーもあり、ダブルプレーに終わってしまい、同点機を作り出すことに失敗してしまった。私は、長岡の先発起用もフルスイングも肯定派ではあるのだが、今日のような場面で送りバント失敗が続いてしまっていることに関しては、不安を覚える。もちろん打率も物足りないのだが、今日のような場面でしっかり送ることが出来ないとなると、高津監督にも迷いが生じる可能性があるのではないだろうか?18年シーズンにショートのレギュラーとして廣岡が抜擢された時には、本来そういったタイプではないのだが、チーム内の立ち位置として、廣岡にも送りバントが命じられる場面(時にはスクイズ)があった。こういったプレーを中々こなせなかったこともあり、廣岡はレギュラーを掴み取ることが出来なかった。長岡はすでに昨シーズンレギュラーとしてリーグ優勝を経験しており、廣岡以上に高いものが求められる立場の選手である。選手のタイプとしても送りバントのような細かいプレーが出来なければならない選手である。河野のようなサウスポーの威力のあるストレートを投げ込んでくる投手からバントを決めることは決して簡単なことではないのだが、それを決めなければならない選手である。この連敗中、何回か送りバント失敗の場面があったと思うのだが、この部分については引っ掛かりを感じている。

長岡にしろ木澤にしろ、昨シーズン実績を残しており、昨シーズン以上に高いハードルが課せられていることは間違いない。今日のようなミスを減らしながら、チームの勝利に貢献してもらいたい。

今日はベテラン石川の投球術、代打川端のテクニックを堪能する他ないゲームとなってしまった。石川の投球も川端の打撃も見応え十分なのだが、やはりチームの勝利を見たい所である。明日の予告先発は市川ー上沢ということで、厳しいマッチアップである。それでもとにかく連敗を止めてもらいたい。

P.S エスコンフィールドは、やはりいい雰囲気の球場ですね。生きている内に1回行ってみたい球場です。そしてこの新球場のマウンドに石川が上がったということも何か感慨深いものを感じました。




アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち (文春e-book)

新品価格
¥1,900から
(2023/5/30 21:20時点)




にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村

コメント

  1. sabo より:

    石川のピッチングは素晴らしかったですが勝って喜びたいというか勝たないと喜べないです
    まあ来週も中6日で石川先発出してもいいという目途がたったことは良かったですけど。

    細かいミスを減らさないとですね。やはりサンタナの走塁ミスで1点どまりでは不味かった。今のチームの流れなら3点4点取ってゲームを支配するくらいでないと連敗は抜けられなさそう

    長岡のバントも心配ですね。毎回打ち上げてるような気がします。間違いなく練習はしていると思うのですが結果が出ないということは何か変えた方が良いのかも?ライアンスタイルにするか?宮本慎也は左打には左打にしか教えられないと語ってましたが三輪広報のバント講座を開くか

    木澤もワイルドピッチは折り込みだけど牽制はちゃんとしないとな。

    万波はロマン枠っぽい扱いでしたが今年ブレイクというよりも入団から少しずつ着実に成長してきた気がします。着実に成長ってのが難しいんですよね。日ハムの育成も良かったということでしょう。

    うちもなぁ。成長するんだけどケガで経験値リセットしちゃうのが多いからな。

    • fiys より:

      saboさんへ

      石川に勝ちを付けたいゲームでしたね。

      大型連敗中ということもあり、凡ミスは極力減らしてもらいたいですよね。

  2. 超匿名 より:

     石川がせっかく好相性の交流戦で十二分の働きをしてくれたのだから、彼のためにもチームのためにも昨日は勝っておきたかった。
     これでゲーム差からも過去の逆転例なしという状況です。残り試合数を考えればここで降参は出来ないので、ここからはさしずめ前人未到の挑戦というスローガンでも挙げて前を向いてもらいたい。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      そうですね。好投していただけに石川に勝ちを付けたかったですね。

      もちろん諦めずに戦ってもらう必要があるのですが、チーム状況的にそのスローガンは掲げにくいかもしれないですね。

タイトルとURLをコピーしました